〔研究依頼書に不審な記載/福島・伊達市被ばく論文〕
(2019年1月23日 福島民報)
~参考~
〔福島・伊達市「住民被曝データ」問題/
研究依頼した伊達市職員が約1年半前、宮崎氏に「同意」確認〕
~参考資料~
2015年11月2日に 宮崎氏が
福島医大の倫理員会に提出した研究計画書(研究計画)
http://www.ourplanet-tv.org/files/2019011810.pdf
~参考 ~
【OurPlanetTV】
〔1年半前「同意のみ使用」確認〜宮崎・早野論文問題〕
(2019年1月19日)
~参考~
〔福島・伊達市「住民被曝データ」問題
/市が再解析に必要データを著者に提供しない方針
⇒論文撤回へ〕
〔被ばく論文「遺憾」と規制委員長「信頼性を揺るがす」〕
(2019年1月9日 福島民報)
〔福島、被ばく線量分析論文に誤り
~3分の1に評価、修正求める〕
(2019年1月8日 福島民報)
~参考~
〔伊達市の「住民被曝データ」(福島県立医大等研究者への)
無断提供問題/『検証調査委員会』を設置〕
~参考~
〔被曝線量の目安「毎時0.23μSv」
基準値を見直さない方針を決定/国の「放射線審議会」〕
〔被曝線量の目安「毎時0.23μSv」を検証へ
⇒悪しき緩和の方針〜第139回「放射線審議会」〕
~参考 ~
~参考 ~
~参考 ~
(広島&長崎「ABCC(原爆傷害調査委員会)」
の汚点を踏襲する) 人体実験
福島・伊達市議会(2018年12月6日)の公式動画より
VIDEO
2018年9月議会 高橋一由議員の一般質問
ガラスバッチデータを利用した宮崎・早野論文について
VIDEO
2017年12月議会 高橋一由議員の一般質問
伊達市から早野龍五氏へデータ提供に関する経緯について質疑
2017年9月議会 高橋一由議員の一般質問
ガラスバッチデータを活用した論文の疑惑について質疑
(2018年12月21日 河北新報)
【OurPlanetTV】
〔個人線量データの不正提供か〜福島県伊達市〕
(2018年12月6日)
福島県伊達市が、
条例で規定されている個人情報審査会を経ず、
住民の個人情報を研究者に提供していた
ことがわかった。
さらに研究者らは、
研究に同意していない市民のデータも
論文に使用していた。
2018年12月6日に開催された市議会の
一般質問で明らかになった。
問題となっているのは、
福島県立医科大講師の宮崎真氏と
東京大学名誉教授の早野龍五氏が
論文発表した個人線量計データに関する研究。
伊達市が
個人情報条例に規定されている審査会を経ず、
ガラスバッチで計測した
住民の個人線量データと住所の生データを
東京大学の早野龍五教授(現名誉教授)に
提供した として、
高橋一由議員が厳しく追及した。
論文では、
「GIS(Geographic Information System)」と呼ばれる
地理情報システムを利用して、
住民の被曝線量の分布を点で示した地図を作成している。
高橋議員は、
住所を提供しており、個人情報保護条例に反すると批判。
これに対し、
田中清美直轄理事は
「個人情報が特定できないように加工、削除している」とし、
住所も「字」までしか提供していないと反論した。
しかし
高橋議員は、
「宮崎早野論文には、住所の位置情報を
100分の1度に丸めていると記載されているが、
それでは1キロメッシュになってしまう。
伊達市は265平方キロメートルだから、
265の点しか表示できない。論文には使えないはずだ」
と指摘。
6万人の住所を提供したとしか考えられないと主張した。
同意していない住民データも使用
さらに高橋議員は、
研究計画書に「同意した住民のみを対象とする」
と記載されているにも関わらず、
同意しなかった住民データ約3万人分も
含まれていると指摘。
解析結果は、
海外の科学雑誌に掲載され、
ICRP(放射線防護委員会)の防護基準見直しや
国の避難基準の緩和に活用される恐れがある
として、市に対応を求めた。
田中直轄理事は
「論文の中身については執筆者の二人が対応すべき。
依頼文書に基づいた論文に変更があれば、
お知らせがあるはずだ」
と理解を求めた。
伊達市によると、
測定に参加した住民5万8481万人のうち、
同意したのは約半数の3万1151人。
97人が「不同意」を表明し、
残りの2万7233人は同意書を未提出だった。
海外で提案されたビッグデータの活用
ガラスバッチは、
特殊なガラス素材を使用した
ライターほどの大きさの線量計だ。
首にぶら下げたり、胸につけて生活することで、
個人が受けた積算の放射線量を計ることができる。
通常は、
原発作業員やレントゲン技師などが
被曝管理をするために身につけるもの だが、
原発事故後は、
住民の個人線量を把握するため、
伊達市をはじめとする多くの自治体で
導入されてきた。
早野龍五教授・東大最終講義(2017年3月15日)
伊達市のデータを活用した論文執筆の背景について説明
VIDEO
~参考~
早野氏は昨年2017年3月15日の最終講義で、
パリで開催された原子力関係の会議で、
「伊達市のあの膨大なデータをなんとかしませんか」
と提案されたと紹介。
6万人の「ビッグデータ」と
航空機モニタリングから
推定される居住地付近の外部被曝線量のつきあわせた
データベースを作成し、
2016年12月に論文を発表した。
論文では、
空間線量をもとにした線量基準は、
個人線量計の実測値より4倍高いと指摘。
さらに2017年の公表した論文では、
2011年当時、
毎時3・5マイクロシーベルトを超え、
伊達市内で優先的に除染を行った「Aエリア」に
70年間住み続けたとしても、
積算線量は20ミリシーベルトに満たないと結論づけた。
早野氏は講演で、
「これはショッキングなほどに低い数字です。」と述べ、
国連科学委員会(UNSCEAR)の報告書にも
採用される予定」と紹介している。
また、
政府の放射線審議会や原子力規制委員会も、
この結果を重視しており、
住民の被曝管理を「空間線量」ではなく、
「個人線量」で行う方向に方針転換を図っている。
【OurPlanetTV】
(2018年12月10日)
福島原発事故後、
ツイッターによる積極的な発信で名を知られる物理学者で、
放射線影響研究所評議員も務める
東京大学の早野龍五名誉教授が、
倫理委員会の承認を受けないまま、
伊達市民の被ばく線量データを解析し、
ICRP(国際防護委員会)の会合で発表していた
ことがわかった。
同研究は、
毎時0・23マイクロシーベルトという
除染目標を緩和する根拠の一つ。
政府は、帰還困難区域の避難指示解除にあたり、
被ばく防護策の中心に
「個人線量」による被ばく管理を据える が、
これも同研究が影響している。
~参考~
同研究をめぐっては、
伊達市による不正な情報提供が疑われているが、
国の被曝防護政策の転換に根拠を与えている研究で、
新たな問題が発覚した格好だ。
早野教授(当時)が2015年9月に
伊達市の解析データを披露する様子
Ethos Fukushima公式動画
https://www.youtube.com/watch?v=dq9lsd3b5nw
研究計画ないまま伊達市住民6万人をデータ解析
早野氏が、伊達市民の解析データを発表したのは
2015年9月13日に伊達市で開催された
第12回ICRPダイアログだ。
早野氏はガラスバッジによる
個人線量測定の時間による変化のグラフを示し、
高線量の地域では一定の除染効果がある一方、
低線量の地域では除染効果がないとする解析結果を披露した。
さらに住民の生涯の被曝線量推計値も紹介。
事故後に毎時3・5マイクロシーベルトを超えたような地域に
70年間住み続けた場合でも、
追加の被曝線量は平均7ミリシーベルトに過ぎず、
住民の99%は14ミリシーベルトの範囲内に収まる
と解説した。
早野氏は、
「伊達市はすごいんですよね。こういうデータがある」
と伊達市の実測データを絶賛。
しかし実際には、
厚生労働省と文部科学省が定めた
「人を対象とする医学系研究の倫理指針」
で定められている手続きを踏まず、
これらのデータを研究に利用していた。
国が策定した倫理指針によれば、
医学系の研究を開始する前には、
必ず研究計画書を倫理委員会で
承認を受ける必要がある。
同研究の研究計画書が
福島県立医科大学の倫理委員会に提出されたのは
2015年11月。
その後、
早野氏と福島医大の宮崎真氏が
2016年と17年にわたり、
伊達市民6万人の個人線量データをもとにした
論文を専門雑誌に投稿している。
同研究をめぐっては、
研究でデータが使われることに
同意していない市民についても
利用していることが明らかになったばかり。
スライドに不自然な不一致
注目に値するのは、
当時、早野氏が発表したグラフだ。
福島医科大学の宮崎真氏と早野氏が
2017年7月に発表した共著論文
と同じデータを利用した同内容のグラフを使用している が、
「地域別の除染効果」を示したグラフは
縦軸の目盛りが違う。
ICRPダイアログで発表したスライドは、
事故後の計測値が平均1マイクロシーベルト前後 だが、
論文では0.4マイクロシーベルト。
同じ縮尺に直して2つのグラフを重ねると、
曲線や外れ値の分布はほぼ一致する が、
目盛りだけが違う。
伊達市のデータを発表した早野氏は
OurPlanet-TVの取材に対し、