~皮肉にも、日本国内より国外の方がはるかに
特に「内部被ばく」予防意識が高いことが、より鮮明に~
/欧米よりアジアで「不安」~最多は台湾81%〕
(2017年12月6日 福島民報)
東京大大学院と福島大などが2017年2月、
国内外の約1万2500人を対象に行った
福島県産食品の風評に関する調査で、
「福島県産農産物は不安だ」とした回答は
欧米よりアジア圏で多くなった。
台湾が81・0%で最多となり、
韓国69・3%、
中国66・3%
と続いた。
欧米5カ国は20~50%台だった。
調査に当たった関係者は
「放射性物質検査により安全性は保証されている」と
積極的に情報発信すべきだと指摘している。
2017年12月5日に東京都内で開かれた
東京電力福島第一原発事故の風評被害に関する懇談会の席上、
東京大大学院の関谷直也情報学環総合防災情報研究センター特任准教授が報告した。
国際調査と国内調査に分け、
20~60代の男女を対象にインターネットで実施した。
国際調査は日本を含むアジアと欧米の計10の国・地域の計3000人、
国内調査は県内外の9489人が回答した。
過去に同様の手法で実施していた調査の結果も合わせて
公表した。
国際調査で
「福島県の農産物は不安だ」と回答した人の割合は
【グラフ(1)】の通りで、
台湾、韓国、中国が上位3位で60%を上回った
のに対し、
ロシアは56・0%、
ドイツ55・7%、
フランス39・7%、
米国35・7%、
英国29・3%
となった。
日本は30・3%だった。
関谷氏は特にアジア圏で福島県のイメージが
原発事故直後から回復していないとして、
「放射性物質検査の体制や検査結果を
より積極的に発信する必要がある」と述べた。
*
懇談会に出席した
福島大経済経営学類の小山良太教授(農業経済学)は
「原発事故直後と現在で何が変わったのか、
政府が諸外国に丁寧に説明することが重要。
その上で、福島県などは
新たな市場開拓やブランド形成を進めるべきだ」と訴えた。
*
一方、福島県農産物流通課は
調査結果について
「東南アジアや欧州連合(EU)などで輸入規制解除が進む
一方、
近隣諸国に放射性物質検査などの情報が
十分に理解されていない」と受け止めている。
*
福島県産食品などの輸入規制を巡り、
EUは
福島県産のコメや野菜などを
輸入規制の対象から除外した。
米国は
福島県産米などの輸入停止措置を継続している。
アジア圏では
ミャンマー、マレーシア、タイ、ベトナムなどが
すでに福島県産食品の輸入規制を解除した。
一方、
中国と台湾は
福島県産食品など、
香港は
福島県産野菜・果実など、
韓国とシンガポールは
福島県産水産物など
をそれぞれ輸入停止としている。
■放射性物質検査 検出下限値未満 「知らない」年々増
国内調査では、
全量全袋検査などの放射性物質検査で
多くの福島県産農産物と食品の放射性物質濃度が
検出下限値未満となっていると知っているか尋ねた。
結果は【グラフ(2)】の通り。
「知らない」と回答した人の割合は
県外、県内ともに年々増加しており、
2017年は
県外で82・5%、
県内では49・7%
と半数近くに上った。
どのような情報があれば、
より積極的に県産食品を購入しようと思うか聞いた結果は
【グラフ(3)】の通り。
「テレビCMなどでイメージで訴えるより、
テレビ番組で詳細な特集をするべき」との問いに対しては、
「そう思う」と「ややそう思う」が合わせて66・7%。
「新聞広告などでイメージを訴えるより、
新聞記事で詳細な特集をすべき」との問いは
「そう思う」と「ややそう思う」が合わせて63・1%となった。
(2017年12月6日 福島民友)
(2017年12月6日 福島民友)
~参考~
〔EU、特に規制強化13県中、福島県含む10県の輸入規制の一部or全部を
2017年12月~解除〕
~加工食品を含む~
~参考~
〔EU、福島米等輸入規制を2017年12月解除〕
(2017年11月11日 ロイター、共同通信)
2011年の東京電力福島第1原発事故後に課している
日本食品の輸入規制の対象から、
欧州連合(EU)欧州委員会は、
福島県産米を含む10県の農水産品の
一部または全部を除外すると正式決定し、
公報に2017年11月11日掲載した。
2017年12月1日に発効する。
福島県産米の除外で、
他県の米をEUに輸出する際も福島産でないと証明する
必要がなくなる。
米国も2017年9月までに牛乳・乳製品の輸入規制を一部緩和。
今後は日本食品の主な輸出先である
アジアの国・地域の対応が焦点となる。
特に規制強化13県
福島、秋田、岩手、宮城、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、長野、新潟、山梨、静岡
中
規制緩和の対象は
福島、秋田、岩手、宮城、山形、茨城、栃木、群馬、千葉、長野
の10県。
(2017年11月12日 NHK)
〔2012年5月4日 米ニューヨーク報告〕中山憲医師(コロンビア大学):
「私たちは、新しい基準でも緩すぎると思っている。
循環する食品の50%が汚染されているからである。」
(⇒程度差はあれ、国内流通食品の50%が汚染)
「1日10Bq/kg食品を食べ続けたら
600日で1,400ベクレルが体内に残留。
1,400ベクレル体内に残留すると
半数の人が心電図に異常が出る」
~参考~