(2017年11月17日 NHK)
国連人権理事会が日本の人権状況に関して行った審査で、
各国からは、
報道機関の独立性の確保や、
東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響を受けた
住民への支援の継続など、
合わせて218の勧告が出され、
日本政府は、
それぞれの勧告を受け入れるかどうか
検討することにしています。
国連人権理事会は、
すべての加盟国の人権状況を定期的に審査していて、
2017年11月14日、スイスの国連ヨーロッパ本部で
5年ぶりに日本への審査を行い、
106の国と地域が質問しました。
人権理事会の作業部会は、
2017年11月16日、
審査で出された日本への勧告を取りまとめて発表し、
勧告の数が
5年前より25%多い、218に上った
ことを明らかにしました。
勧告の内容は、
人種や性別による差別の解消や
死刑制度の廃止に関するもの
に加えて、
アメリカなどが、放送法の一部を見直し、
報道機関の独立性を確保するよう求めた
ほか、
ドイツなど(ドイツ、オーストリア、ポルトガル、メキシコ)が、
東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響を受けた
住民や自主避難者への支援を継続するよう求めた勧告
もあります。
このほか、
韓国や中国などは、
慰安婦問題について、
日本政府の謝罪や公正な歴史教育の実施などを求めています。
今回の勧告に法的な拘束力はありませんが、
日本政府は、
それぞれの勧告について受け入れるかどうかを検討し、
2018年3月までに人権理事会に通知することにしています。
 
スイス・ジュネーブで
2017年11月14日午前(現地時間)に行われた
国連人権理事会による
日本の普遍的定期的審査(UPR)の作業部会で、
東京電力福島第一原発事故をめぐる日本政府の対応
複数の国の政府代表者が
人権侵害の是正勧告を行ったことを受けて、
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン
(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、
日本政府がこれらの勧告を受け入れることを求めます。
 
「普遍的定期的審査(UPR)」
国連人権理事会の創設に伴い、
国連加盟国(193カ国)全ての国の人権状況を
普遍的に審査する枠組みとして盛り込まれた制度。
2017年度は、日本についての審査が行われる。
10月の事前セッションのあと、
11月の作業部会で国連加盟国すべてが議論に参加。
審査結果としての結果文書は2018年3月の人権理事会本会合で採択される。
結果文書は、
勧告及び(または)結論と被審査国の自発的誓約
から構成される。
 
〔2017年11月14日、 国連人権理事会の対日人権審査で、
福島原発事故被害者の人権問題に懸念
~日本政府は勧告の受け入れを 〕
(2017年11月14日  国際環境NGOグリーンピース・ジャパン)

ドイツ、オーストリア、ポルトガル、メキシコは、
特に健康への取り組みと、
女性と子どもの人権侵害是正を正式に勧告しました。

国連人権高等弁務官事務所条約機関と国連特別報告者も、
UPRの実施に伴い提出した文書の中で、
これらの勧告と同様の懸念を示しています。

グリーンピース・ジャパンの
シニア・グローバル・エネルギー担当のケンドラ・ウルリッチは
「ドイツとベルギーは、
原発事故の被害を受けた女性と子どもの権利の保護について、
日本政府に対して厳しい質問をしましたが、
 日本政府はきちんと答えませんでした。
日本政府は、
自らが署名している国際的な人権条約を守らず、
福島の女性と子どもたちを犠牲にしています。
女性と子どもは、社会的、経済的な弱者であるだけでなく、
放射線の影響を受けやすく、
日本政府は、今すぐに、
被害者とりわけ女性と子どもの人権侵害の状況を是正すべきです」
と訴えました。

福島原発事故によって、
国際的な公衆被ばく限度である年間1ミリシーベルトを
上回る量の放射能に汚染された地域への帰還は、
多くの人権問題を伴います。

日本政府は、
2017年春にいわゆる「自主避難者」への住宅支援を打ち切り、
2018年3月には、避難指示が解除された地域の賠償も打ち切ります。
これにより被害者は、
経済的な理由によって、
汚染された地域に自らの意思に反して戻らざるを得なくなる可能性もあります。

このような方針は、
日本が締結している複数の人権に関する条約に違反しています。

ポルトガル、オーストリア、ドイツ、メキシコは、
日本政府に対して、
原発事故被害者への経済面、健康面そのほかの支援の継続を
正式に勧告しました。
ドイツは、年1ミリシーベルト基準を帰還政策で採用するよう求めました。

これは2012年に来日した健康の権利特別報告者の報告にも沿っています。

 

 

 

国際民主法律家協会(International Democratic Lawyers)代表で、
国連人権理事会担当の弁護士ミコル・サヴィア氏は
「国際社会は日本政府に対し、
原発事故被害者の人権、
特に女性や子どもの権利侵害に対処するよう要請しています。
 私たちは、
日本政府が勧告を受け入れ、その帰還政策を改めるよう強く求めます。
被害者は、住宅支援や賠償の打ち切りによって、
汚染地に帰るか、貧困に直面するかという選択を迫られています。
これは国際的に見ても人権侵害にほかなりません」と語りました。

グリーンピース・ジャパンは、
2017年10月、
福島原発事故被害者の女性とともに
UPRの事前セッションに参加しています。
 
PS
 
2011年の原発事故発生当初、
14万6千人が避難を余儀なくされ、
2017年8月時点でも福島県の発表で
福島県民の5万5千人が避難生活を続けている。
さらに、この数に含まれない
避難指示区域外からの避難者等も存在。
このような原発事故被害者の数を象徴的に捉え、
本プロジェクトでは10万人と表現。

 

 

グリーンピース、2017年9月15日クラウドファンディング開始
~「福島原発事故をめぐる政府の帰還政策は人権侵害」 国連勧告を目指して、
被害者をジュネーブへ〕
(2017年9月15日  国際環境NGOグリーンピース・ジャパン)
国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(東京都新宿区、以下グリーンピース)は、
「原発事故被害者10万人の声を代弁する福島のお母さんを国連に送りたい」
と題して、
東京電力福島第一原発事故により故郷からの避難を余儀なくされている
女性(園田さん[プライバシーに配慮し、姓のみの公開])を、
10月にスイス・ジュネーブで行われる
国連人権理事会の普遍的定期的審査(UPR)事前セッションに送る
プロジェクトの支援を求め、2017年9月15日からクラウドファンディングを実施。
原発事故から6年半が経った現在、
なお放射線レベルが高い地域へも帰還政策を推し進める政府によって、
被害者、特に女性と子どもへの人権侵害が深刻化しています。
園田さんは被害者を代表して、
2017年10月12日にその状況を国際舞台で訴える予定。
グリーンピースは、
国連の中でNGOが持つ最高位の「総合協議資格」を有し、
この資格も生かしながら
UPR事前セッションへの原発事故被害者のスピーカー申請を行った結果、
園田さんがスピーカーの一人に選ばれました。
そして、2018年3月に国連人権理事会本会合で採択される
本審査の「結果文書」に、
原発事故をめぐる人権侵害についての指摘が盛り込まれることを目指しています。
実現すれば、
原発事故に起因する人権侵害が、
いま日本で起きている深刻な人権問題の一つとして国連に認知され、
日本政府に正式に改善勧告されることになります。
グリーピースは本日開始するクラウドファンディングを通じて、
園田さんと彼女をサポートするグリーンピースの専門家の旅費、滞在費、
そして国連各国代表者とのミーティング費用等の一部をまかなう予定です。
園田さんは、
福島県の自然豊かな山間部で地域のつながりを感じながら、
夫と息子と三人で暮らしていましたが、
事故後、息子への被ばくを懸念し故郷を離れて避難生活を続けています。
日本政府は、原発事故被害者への賠償や住宅支援を打ち切って、
いまも放射能汚染が続く地域へも帰還を促しています。
このような政府の方針により、
日本社会の中で社会的弱者であり、
かつ放射能の影響をより強く受ける女性や子どもが、
社会生活の上でも経済的にももっとも深刻な被害を受けます。
園田さんは、
「私にとって、子どもをまもること以上に大切なことはありません。
だから避難生活を続けているのです。
国、東京電力には、誠意をもって福島第一原発事故の責任をとっていただきたいです。
そのために、グリーンピースと一緒に国連に行き、
私たちの経験をお話しして、国際社会の目を向けたいと思います」と語りました。

グリーンピース・ジャパン、シニア・グローバル・エネルギー担当のケンドラ・ウルリッチは、「日本政府は、原発の再稼働を進めるために、福島への帰還政策を推進しています。
原発事故の被害者、特に女性と子どもへの人権侵害は、
事故以降ずっと続いており、この6年半で悪化しています。
私たちは、日本政府の帰還政策によって引き起こされている
人権侵害の状況を国際社会の目にさらし、
当事者の声を届けることによって、
原発事故被害者の人権状況の改善につなげたいと考えています」と語りました。
 
~参考~

 

 

 

 

 

 

 

参考

~「理不尽な避難生活」に加え「理不尽な立ち退き請求」で

(福島県からの)自主避難者に無慈悲にも鬼畜的追い打ち~

 

【FFTV、避難の協同センター

<緊急市民集会>
〔山形県「自主避難者」への住宅明け渡し請求訴訟報告〕
~福田健治氏(被告側の弁護士)
武田徹氏(共同被告代表)

瀬戸大作氏(避難の協同センター)
熊本美耶子さん(ひだんれん)他
(FukurouFoeTV  2017年11月15日)

 

 

 

~参考~

〔お母さん原告が語る『帰れぬ我が家、避難の6年』/

(原告視点の)関連訴訟の総括的・論評〕

 

 ≪「原発事故」関連訴訟の原告の視点≫

実質的「被曝リスク」を今後の裁判の最大の焦点にして欲しい。

~参考~

〔違和感残る"地域格差"司法判決

【生業訴訟判決の波紋】責任・慰謝料 認定違い「釈然とせず」〕

 

【放射線被ばくを学習する会】

〔(福島・いわき市から東京都内に避難した)

お母さん原告が語る

『帰れぬ我が家、避難の6年』

~歪んだ原発推進と帰還政策の中で『被曝したくない』は、

わがままですか?〕

〔(原告視点の)関連訴訟の総括的・論評〕

(UPLAN 2017年10月22日)

 

 

 

~参考~
~住宅無償提供打ち切りから6か月〕
 

【避難の協同センター】

<学習・意見交換をするシンポジウム(交流集会)

~活動報告&講演会/パネルディスカッション>

〔「避難の現状と、今後の支援について考える交流集会」

~自主(区域外)避難者への住宅無償提供打ち切りから6か月〕

(UPLAN  2017年9月2日)

「これは、

私に与えられた試練だと思っています。」

松本徳子さん(避難の協同センター代表世話人、福島・郡山市から神奈川県に避難) 

 

 

 

参考

 

 

【避難の協同センター】

自主避難者への住宅無償提供打ち切りから6ヶ月!

避難者の現状と、今後の支援について考える交流集会」

のご案内 

政府は、

避難当事者の悲痛な声を聞く事もなく

2017年3月末で応急みなし仮設供与を終了しました。

避難当事者と支援者が中心となり

2016年7月12日、

避難先での生活支援や情報共有、相談、

そして自治体への支援の継続要望などを行う

「避難の協同センター」を設立しました。

避難当事者と支援が「協同する」事を大切にし、

避難当事者からの

「住まいに関する相談」

「生活困難に伴う問題解決の為 の個別支援」

を行なってきました。

2017年4月以降になっても

「住まいが確保できていない」

「生活困難、経済的困難に陥り、4月以降の家賃支払いが困難」「生活保護申請しても、受給が断られる」

事例が発生している状況です。

避難者の窮状を鑑み、住宅無償提供打ち切りを見直し、

家賃支援など可能な経済支援の再開が必要なのです。

避難の協同センターには、

母子避難世帯を中心に経済貧困に伴うSOSが続いています。

 

〔福島県発表7/14現在/県外避難者:3万5166人(前回[6/16]比)495人減〕 

 

〔県外避難者495人減 最多は東京4298人、福島県が発表〕

(福島民友 2017年8月4日)

 

 

~参考~
 

~「被曝」(帰還)or「貧困」(避難継続)か?

                過酷な選択肢~

 

さようなら原発1000万人アクション実行委員会
<「さようなら原発」講演会>
〔「住宅無償提供」打ち切りから3カ月
~"自主避難者""の置かれている現状
(UPLAN  2017年7月4日)
発言者:
森松明希子さん(「原発賠償・関西訴訟」原告団代表)
瀬戸大作さん(「避難の協同センター」事務局長)
村田弘さん(「ひだんれん」幹事)

 

 

 
<氷山の一角>

福島民友 2014年5月17日の記事~2016-03-08 (1).png

 

~毎日新聞 2015年3月29日の記事~

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~2012年のピーク時~

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参考[2016年1月14日現在(*福島県民のみ)]~

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