転がるお前に『苔』は生えない

UA

「泥棒」 2002

記憶喪失
閃光(Album Ver.)
泥棒
瞬間
世界
ブエノスアイレス
ドア
彼方


3年ぶりの4枚目のアルバム「泥棒」。

長い沈黙期間をおいてのシングル「閃光」を経ての今作は、圧倒的「声」と「才能」を感じられる1枚。

他の追随を許さない、唯一無二のUAサウンドを、高いクオリティで示してくれます。

全8曲中、2曲をUAが作詞作曲。


このジャケットに畏怖する。

実はジャケットはこの写真の一部分でしかなく、歌詞カードを広げると全貌が見えるのだが、

全体を見るともっと怖い。

なによりもUAの佇まい、表情が完全に異形の者と化している。


  AJICOでの活動を挟んで、約3年振りの新譜である。

久々のUAは先行マキシ「閃光」のジャケからして完全に異形の者となっていた。

、普通の人類一般とかけ離れてそもそも何かが根本的に違ってしまっているよう。

 前作はダブを多用した深い音の鳴りの上にUAのヴォーカルが気持ちよく乗っかっている

ある意味でUAの世界が広く深く完成したような一枚だった。


 今回は全然違う。音は無駄なものが一切ないシンプルなと言えば聞こえはいいが、無愛想な音。

装飾は一切なく、カラカラに渇いた音である。

アップ・テンポな曲はなし、アッパーな要素な皆無。

ひたすらUAの声だけが響く。

UA自身に負けず劣らず異形な音たち。

久々にここまで極端な音を聴いたような気がする。


個人的に、あまり歌詞がどうのこうのと言うことはないんだけど、

この、無愛想な、曲と言い難いような音の集合のせいか、

彼女が綴るコトバが、一層染み入る感じがする。


好きか嫌いかと問われれば、嫌いではない…。

でも好きかと言えば微妙なところ、

俺は、レゲエ/ダブにアプローチした前作が彼女のベストだと自負しているからね。


ここまで来るとUAの声が好きか嫌いかだけしかないような気がする。

そういう一枚。



シングル「閃光」はUA自身が作詞/作曲している
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とても好き
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そんな話
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閃光
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こんなに優しい場所を知っていた
呼吸を交わすように届く風
貴方に触る右腕の描く
ラインを風が教えてる

何度も塵になった世界はまた
美しく照らされて 陰をも産んで
名もない色をまとう 小石をそっと
女の子が拾って 窓辺に置くよ
月が見ていた 夜が見ていた


吠える空を見た 目を閉じたまま 突き抜ける景色を
これ以上 何を見ればいいの だから私はもう戻らないよ

ねえ 今何時なの ここは何処なの
貴方は誰なの 帰る家はあるの
優しい人達が 殺されているよ
もうあと一滴で 世界は溢れそうだね

もしあの道を右に曲がらなくて
いつものラインだけただ歩いていたなら
貴方と今こうして うなじを握って
飲み込むものは何も無かっただなんて
月を見ていた 夜を見ていた


胸に生える羽根は 雲を切ってここを見下ろすように
尋ねるよ 何を失くしてるのかと 誰をずっとさがしてるの

大きく伸びた 真っ黒な翼からこぼれて落ちた
1枚の羽根が光に透けて 色が消えてくよ
不揃いな胸のラインを真似た
地平線に 着地するときを


雪が解けるように 私の奥に射し込む光は
貴方の瞳の奥に在る 一筋のラインを超えてくる






転がるお前に『苔』は生えない

R.E.M.

「AUTOMATIC FOR THE PEOPLE」  1992

Drive
Try Not to Breathe
Sidewinder Sleeps Tonite
Everybody Hurts
New Orleans Instrumental No. 1 [Instrumental]
Sweetness Follows
Monty Got a Raw Deal
Ignoreland
Star Me Kitten
Man on the Moon
Nightswimming
Find the River



カート・コバーンが最後に聴いた作品としても知られる通算8作目は、

バンド最大のヒットを記録した前作 『アウト・オブ・タイム』 につづきさらに深みを増した出来ばえで、

最高傑作との呼び声も高い。

元ツェッペリンのJ.P.ジョーンズがストリングス・アレンジを担当。

“死と運命”がテーマとあって、R.E.M. の内省的な世界観を築いていて、

鬱蒼とした空気に覆われているが、次第に救いと希望を得ていく展開は感動的。


讃えることしかできない。悲しみに満ち、怒りに満ち、愛に満ちたアルバム。


カレッジ・ロック時代とはまったく違う。


垢抜けし、メロディーも非常にポップだ。


けどこの暗さはポップスとは明らかに一線を画している。



R.E.Mの凄さは曲作りのセンスの良さ、独特のサウンド、

マイケル スタイプスのユニ-クなボ-カルにある。

彼らがデビュ-した'80年代はある意味で『ロック』の停滞期であったが、

そこに彼らのような、斬新でアコ-スティックでいかにもアメリカらしいサウンドが現れ、

あっというまに全米の、いや世界中の若者の心を掴んだのである。

このアルバムに収められている全ての曲が素晴らしい。

リ-ダ-格のマイケルはまさに天才に近いミュ-ジシャンである。


NIRVANAのカート・コバーンが自殺をしたときに聞いていたアルバムとしても有名だが、

日本では洋楽ファンでも意外とそのことを知る人は少ないのではないだろうか。

カート・コバーンがかつてインタビューの中でR.E.M.のメロディーセンスについて

「あれだけ美しいメロディーをデビュー以来書き続けているなんてまるで神のようだ」

という種の発言をしていたが、

このアルバムはまさにカートのそんな言葉通りの珠玉のメロディーであふれている。

それでいて少しも媚びたところを感じさせずに、

ロックとしての完全な立ち居地をも体現している様はまさに最強のロックバンドと呼ぶにふさわしい。



前述したが、アルバム全体として重い空気が漂っているのだが、

その重さは決してリスナーを拒否しているのではなくむしろ、

その重みが絶対的な安心感を聴く側に与える。

単なるナルシシズムとしての重みでも、誰かに強制するような類の重みでもないし、

自虐的なそれでもない。

かといって心地よい暖かみのある重みでもない。

R.E.M.はいつもそうしてきたようにこのアルバムでもリスナーに問いかけているのである。

そしてその問いかけは決してわかりやすいものではない。

8曲目の「Ignoreland」 のようなアメリカの政治に対する直接的なメッセージよりも、

むしろその問いかけは個別の曲を越えてアルバムを聴き終えたときに漠然とリスナーに届く。

静かだが時計の針のように確実な鼓動が頭のどこかで聞こえてくる。


アルバムのハイライトは90年代オルタナが生んだ珠玉の名曲「Man on the Moon」、

「Nightswimming」、

そしてアルバムの抱えていたすべてを解き放つ「Find the River」のラスト3曲。

おそらくこのラスト3曲の流れはロック史全体を見渡しても最も美しい流れの一つではないだろうか。




そんな話




U2のボノが、「この作品は、最高のカントリー・アルバムだ」と賛辞を送った

この発言に対して噛み付く輩も居ない訳ではないが、

たんに彼は、

「みんなの琴線に触れる作品だから、絶対聞いたほうがいいよ。」

って言いたいのだと思うけど…


ボノって、某国政治家たちみたいな、失言が多い人って訳ではないけど、

その発言がシンプルすぎて、反感買うってのが多々あるかも。


パティ・スミスへリスペクトの意味をこめて

彼女への賛辞の中に

ロック史における偉大な先人に対して尊敬の意味で「(俺達の)Mother…」って言ったら、


「私はアンタの母親じゃないわ、ファッ●・ユー!」

と、彼女からありがたい(=怒りの意味)お言葉を頂戴した…


ってのは有名な話。






転がるお前に『苔』は生えない


GARBAGE

「Version 2.0」(1998年)

Temptation Waits
I Think I'm Paranoid
When I Grow Up
Medication
Special
Hammering In My Head
Push It
Trick Is To Keep Breathing, The
Dumb
Sleep Together
Wicked Ways
You Look So Fine


世界でも名立たる敏腕プロデューサー:ブッチ・ヴィグ

(ニルヴァーナの『ネヴァーマインド』、

スマッシング・パンプキンズの『サイアミーズ・ドリーム』等をプロデュースし

、米国におけるオルタナティブ・シーンでの最重要プロデューサーの一人)

ら3人のプロデューサーが、イギリス出身紅一点ヴォーカル、シャーリー・マンソンを迎えいれ、

1994年にNYにて結成。


ブッチ・ヴィグはスマート・スタジオを設立し、

80年代から数多くのバンドに関わってプロデュース活動を続けてきた。

特にニルヴァーナの『ネヴァーマインド』、

スマパンの『サイアミーズ・ドリーム』と90年代を代表する二つのバンドの名盤を手がけたことで

名プロデューサーとして評価を確立した。

他にもソニック・ユース、ナイン・インチ・ネイルズなど

90年代のロックバンドを巡って歩けばブッチ・ヴィグに当たる、といった活躍ぶり。

プロデューサーとして華々しく活動すると同時に、

スタジオの共同経営者で仕事の仲間である長年の友人のデューク、スティーヴととも

に自分たちでバンドを組む構想も持ちはじめた。

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オルタナでありながらポップスとしても聴くことができる。非常の稀有なバンドです。
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ブッチ・ヴィグのネーム・ヴァリューは絶大だが、
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しかし、バンドの顔はやっぱりヴォーカルのシャーリーでしょう。

なんてったってキャラが立ってますもん。


ん~、あれだな、日本で言う、「ぽにょ」歌っていた女の子とおじさん2人

そんな対照的というか異色な組み合わせですね、このバンドの顔ぶれは。



無数のループとサンプリングの繰り返しを聞きながら、あるメンバーが不意につぶやいた。

「これはまるでゴミ(GARBAGE)だね」と。

ブッチ・ヴィグが答えた。「確かにそうだな。でも、僕たちはこのゴミを歌に変えるんだ」。

そして、混沌から音楽が生まれた。



1995年にアルバム『G』にてデビュー。

1年間以上、ビルボードのアルバム・チャートに入り続け、

最終的には世界で500万枚以上のセールスを記録する。

その後、世界で200本以上のギグをこなし、日本にも、96年に来日し計4本のライブを敢行。

1998年5月にはセカンドアルバム『Version 2.0』をリリース。

ノイズギターと暗鬱な歌詞などグランジの色合いが濃かったファースト“G”の方向性を大きく進化させており、

より多彩でより緻密な音の集積を完成させた。

“Version 2.0”は結果的に“G”をさらにしのぐ600万枚以上という、世界的に好調なセールスを記録した。

前作同様、世界的にツアーも行い、日本でも98年8月のフジロック・フェスティバルにも出演している。



そんな話