憂さ憂さうさぎ -20ページ目

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

3月30日。

管理人を呼ぼうとエレベーターへ乗り込み、目的の人物とばったり

遭遇。

水道業者も一緒だった。

何でも、自分が住んでいる家の真下に位置する家で水漏れがあったとの事。

一応、自分の家からの水漏れではない事を確認しに来るところだったという。

そこで ”湯” の蛇口をひねっても、何も出てこない事を伝える。

原因を確かめると、温水器へ水をひく側のバルブがちゃんと開けられて

いなかった。

業者の人は、「こちらの初歩的ミスです。」と平謝りである。

『いやいや、そこまで責めてる訳じゃないし。』

とにかく、どうにか今日からシャワーを浴びる事が出来そうだ。

夜になって、湯が出る事を確認。

蛇口から水や湯が出てくる事が、こんなにも新鮮に感じるなんて。

珍しい事を眺めてわくわくしているかのような自分。

もう、バケツで水を汲みに行かなくても良いのだ。

テレビでは、仙台の下水処理場がすっかり使えなくなってしまって

いるとの事。復旧には数年かかるらしい。

道路のマンホールから、汚水が溢れ出ているのが画面に映る。

節水を心がけるようにと言っている。

それから、トイレットペーパーも出来るだけ流さないようにとの事だった。

約3週間ぶりのシャワー。

汚水が溢れ出るマンホールを思い出すと、思いっきりシャワーを堪能

という気分にはなれない。

しかし今は、”かなりきったない” 自分を洗いたい。

『下水道下流の地域に住んでいる皆様、本当に申し訳ありません。』

出来るだけ水を垂れ流さないように心がけながらも、臭い自分をきれいに

洗うには、それなりの湯量が必要だった。

今自分が使った湯が、マンホールの穴から溢れる事がないようにと、

心の中で祈りながらも、水道施設の偉大さに感謝するのであった。


うちに、時々いろいろな飲食物を置いて行って下さる方がいらっしゃいます。
と~~~っても嬉しいです。
ありがとう上げ上げ上げ上げ上げ上げ
くま達に見張ってもらっています。
食べたがる友人がいるもんで・・・(^▽^;)

3月29日。

今日は水道の蛇口から水が出るようになった。

そもそも、蛇口というのはそのためについているのだが・・・。

今日から彼らは、自分の役割を果たす事が出来るのだ。

『蛇口諸君!がんばってくれたまえ。』

このマンションの屋上には給水槽がある。

地震の時、その給水槽の底付近に穴があき、そのために今日まで

水道が使えなかったのだ。

そういえば地震直後、自分は玄関の扉を開けたまましばらく外の様子を窺っていた。

その時どこか近くで、水の流れる音が聞こえていたな。

とりあえず水道から水が出るようになったものの、水質検査が終わるまでは

飲まないようにとの事。

『煮沸すれば飲めるんじゃ・・・。』

とも思ったが、こんな時に水にあたって体調を崩す訳にもいかないので、

一応大人しく言う事を聞いていこう。

夕方、「ピンポーン」チャイムの音。

居間でテレビを見ていたのだが、慌てて玄関へ。

チャイムを聞いてからまだ数秒しか経っていないと思ったが、「開けますよー」

の声とともに玄関の扉が突然ガバッと開き、マンションの管理人が顔を出した。

こちらの顔を見ると、少々焦った様子。

っていうか、こっちがびっくりだ。

『そういえば鍵は閉めていたが、地震の時にすぐ扉を開けられるようにと、チェーン

を外したままだったな。』

実際少々大きな余震の時、玄関の扉を開けようとしてチェーンに手間取った事もあった。

『またチェーンは掛けておくか。』

管理人は、温水器のブレーカーを上げに来たそうだ。

「温水器は夜間電力でお湯を沸かすから、明日からはお風呂入れるよ。」

そう上機嫌で言い残し、管理人は去って行った。

・・・数時間後。

興味半分で、お湯側の蛇口をひねってみる。

『あれ、お湯どころか水すら一滴も出てこないんですけど・・・。』

管理人の姿は、既にマンションから消えていた。

3月27日夜8時頃。

キャッシュコーナーを利用しに、セブンイレブンへ行く。

どこの棚にも、物が全然無い。

ある物といえば、カロリーメイトが少しと缶ジュース少し。

雑誌も数冊あったかな?

ああ、生活雑貨もちょこっと見かけた気がする。

こんなにも何も物が無いコンビニなんて、めったに見られない。

店員は意外にも忙しそう。客もそこそこいた。

商品を買いに来ているのではないのか?

宅急便や、その他のサービスを利用しに来ているのか?

コンビニは、商品を売る他にも様々なサービスをしている。

用事が済んで、外へ出た。夜の空気はまだ冷たい。

セブンイレブンの斜め向かいにあるローソンはまだ閉店したままだ。

よくテレビで経済の専門家と言われる方々が、今回の震災における経済

的な損失が云々と議論している。

阪神淡路大震災と比較して経済的に云々とか。

正直、そんな話は聞きたくない。少なくとも、被災地にいる人間にとって、

この震災の事を金というフィルターを通して見られるのが不快だ。

確かに経済の問題は、国家にとって重要な問題だろう。

しかしその問題は、テレビカメラの前で評論家が軽々しく “あーだこーだ”

言う問題なのか。

ましてや、阪神淡路大震災と比較して、被災地の範囲がかなり広いわりに

経済的な損失は○○倍みたいな。

自分の被害妄想かもしれないが、東北を小馬鹿にされている気分だ。

そもそも経済的な面で、他の震災と比較してとやかく言う事に意義がある

のだろうか。

今なお辛い思いをしている人達がたくさんいる中で、ワイドショー的野次馬

根性全開の評論家達が垂れる講釈など、耳障りなだけだ。