憂さ憂さうさぎ -14ページ目

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

実家に来てからもうすぐ一週間になる。

ここは地震が殆どなく、夜も安心して眠る事が出来た。

何処へ行くにも、何をしていても、“地震” の事は気にせずに過ごす事

が出来る。

福島の原発から、ここは300km以上離れているため、放射能に対する

不安を感じる事も、まずない。

自分の心の中に、ずっとここにいた方がいいのではないかという気持ち

は確かにある。

いっそのこと、ここに引っ越すか?

何故か、その選択肢は現実的とは思えない自分がいた。

現在自分の生活拠点は仙台にある。

確かに今の仙台はまだ、余震や原発の問題から解放されてはいない。

そして復旧・復興はまだまだこれからという状態である。

下水処理場の復旧にも数年はかかるようだ。

しかし自分はこの仙台で、社会人として短くは無い年月を過ごしてきた。

その間に、沢山の辛い事を味わったが、喜びも少なくなかった。

想い出の多くはこの仙台の地にある。

そしてこの都市は今、復興へ向かおうとしているのだ。

自分の人生も、この都市とともに復興していけたら。

そう感じているのは、自分だけではないはずである。

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今の気分は曇天。
というか、いつもだいたい曇天?
割合で言うと、

   晴れ 1割
   曇   7割
   雨   2割

といった感じかな。

多分気持ちの持ちようなのかもしれないが、自分は比較的いろいろ
抱え込んで、一人うじうじ考えてしまうタイプなため、どうしても気分
が盛り上がらない。
心の中は大抵どんよりと曇っているのだ。
一応、念のため言っておくが、どんよりしているのは心というか気分
であって、腹の中がどんよりと黒い訳ではない。
これだけは勘違いしないでほしい。

一夜明けて、5月3日。

今日は憲法記念日。

家にいても特別やる事があるわけでもなく。

自分は散歩へ出掛ける事にした。

この時期、実家の辺りは桜が満開なのだ。

その通りを横切って、とりあえず川へ向かった。

川へ出ると穏やかな温かい風が自分の頬をなでて通り過ぎて行く。

川沿いの家々の庭は花があふれていた。

色とりどりのスミレや水仙の花。

他にも沢山、自分の知識にはない花達が咲いていた。

自分は、そんな花達や川の水面に目を奪われながら、どこまでも続く川

の土手をゆっくりと歩いた。

やがて、大通りへぶつかる。

そこには、自分が通った小学校が見える。

昔はこの学校が大きく見えた。校庭もとても広かったように感じていた。

しかし、大人になってから見る小学校はやけに小さいような感じがした。

通りに面した場所にあったはずの大きな枝垂れ桜は見当たらなかった。

自分はその桜が好きだったのに・・・。

小学校横の土手を更に歩いて行く。

すぐ目の前には線路が見える。

確か自分の記憶では、この付近に新しい駅が出来るはずだったのだが、

今はまだ、工事の気配すら感じさせない状況だった。

ふと高水敷へ視線を向けると、見覚えのある物体が二つ・・・鴨のつがい。

確か去年の今頃も、ここから数十メートル下流で同じような光景を目にしたな。

去年見た個体と同じかどうか確かめる術はないが、その鴨達になぜか

愛着を感じずにはいられない。

また来年も会えるのだろうか。

進路を、家へ向かう方向に向ける。

帰りの道はずっと、桜が視界に入るコース。

時々立ち止まっては、桜へデジタルカメラを向ける。

そんな自分の上に、時折桜色がはらはらと舞い落ちた。

視界を埋める桜色の隙間から柔らかい光がこぼれおちる。

自分の心は、どうしてこんなにも “桜” に惹かれるのだろう。

桜のトンネルへ入る。

住宅街にある大通りは、両側の歩道が桜並木となっている。

それが、春になると桜のトンネルを形作るのだ。

その距離は、1km以上はあるだろうか。

その道を家の方向へ向かって歩く。

自分が中学校の時通った道だ。

正直自分は内向的で、人と接するのはかなり苦手である。

人ごみも嫌いというか、人ごみの真っただ中へ行こうものなら、具合が

悪くなってしまうのだ。

そんな自分の中学生時代は、まあ簡単に行ってしまえばいじめられっ子

である。

そのせいか、自分は他人を信用しない卑屈な性格になってしまった。

そんな自分でも、中学生の頃からこの桜のトンネルは好きだったな。

夏になると、この歩道は毛虫の絨毯へと変貌してしまうのだが。

母がいうには、現在毛虫は昔ほど酷くはなくなったそうだ。

あと数日も経てば、この桜は全て散ってしまう。

そしてほんのつかの間、桜色の絨毯が出来あがるのだ。

桜のトンネルを歩きながら木の根元を見ると、そこには新しい芽が沢山

育っていた。

実家に到着したのは、午後7時少し前。

辺りはもう、ほとんど暗くなってしまっている。

家の前に駐車スペースに車を入れていると、玄関のドアが開き父が

笑顔で出迎える。

父 : 「おかえりー。」

自分 : 「うん。ただいま。」

すぐに母も出てきた。

両親は、満面の笑みで自分を迎えてくれる。

母は、夕食の準備中だったようだ。

自分は取り敢えず、持ってきた荷物を整理する。

一息してから、ダイニングのテーブルについて、慣れないテレビのリモコン

をいじりながら、皆で雑談する。

実は、実家の方で放送されているテレビの内容が仙台とは少々異なって

いたり、チャンネルの設定も知らないため、とにかくチャンネルのボタン

を順番に全て押していた。

しかも、自分の家ではまだアナログ放送を見ているのだが、実家ではもう

『地デジ化終わってます。』 という状態。

で、リモコンには 地上A・地上DBSCS 等と、アナログ人間の自分が

普段見慣れない表示が並んでおり、どれが何だかさっぱりわからない

のだ。

傍で様子を窺っていた母が、そんな自分に呆れたのか、何処を押せば

いいのか、結構大雑把に説明する。

正直、自分はどんなものに対しても “いじって覚える” 主義なので、

このリモコンもしばらくいじっているうちに慣れるだろう、とお気楽だ。

新しい電化製品を購入した時は、説明書にほとんど目を通す事なく

いじりはじめ、「ああ、できたできた。」 といった調子の自分。

周りの人間にとっては、ひやひやものなのだそうだ。

自慢じゃないが、それで何か壊した事はないし、大抵それでどうにかなった。

そうこうしているうちに、姉登場。

姉は自分の姿を見つけると、「大変だったね。」 と声をかけながら、

椅子に座っている自分の肩をもんでいる。

『あれ?姉ちゃんに肩もまれるなんて、生まれて初めてじゃないかな。』

自分 : 「そういえばさ、地震当日無事を知らせるメール、したよね。」

姉 : 「ああ~うんうん。」

自分 : 「帰ってきた返事がさ、『わかった、携帯の電池ないからね~』

って一言でさ、つめたいなって思っちゃったよ。」

姉 : 「あー、あれねー。気づいて携帯見たら、もう電池がなくってさ。

こっちも停電だったでしょー。ソーラー発電で携帯充電出来るの

は持ってたから、次の日には充電出来たんだけどねー。」

自分 : 「最近さ、東日本大震災の経験をブログで書いててさ、そこに

『つめたいな』 って書いちゃったよ。」

姉 : 「だからさ、本当に携帯の電池なかったんだって。」

あとは、みんなで笑い飛ばすのみ。

姉は仙台の状況を心配して、原発の事も含めていろいろと落ち着くまでは、

暫くこっちにいたらいいと言ってくれた。

両親も、今回は自分が長期間滞在する事を期待していたようである。

正直、自分もそうしたいのは、やまやまなのだが。

『ゴールデンウィークには、絶対実家に帰るぞ!』

一人意気込む自分に、かなりしょぼい運命のいたずら。

5月1日に、どうしても外せない予定が入った。

まあ、はっきり言ってしまえば、帰る日を少々後ろにずらせば良いだけ

の話なのだが。

今日は5月2日。

そして待ちに待った帰省の日。

自分は昼過ぎに車で家を出発。

途中、イオンスーパーセンター鈎取店に寄る。

道中の飲み物とおやつと実家への土産を購入した。

イオンスーパーセンター鈎取店を午後2:20出発。

高速道路へ入る。

震災の影響で、高速道路の状態はどうなっているかわからない。

無理は禁物だ。

高速道路を進むにつれて、段差のある場所が増えてきた。

思った以上に大きな段差もある。

その段差を通過する度に、しょぼいジェットコースター状態になる。

そういえばこれを、テレビのある番組で “ちんさむロード” なんて

いっていたかな。

この高速道路は、今後ずっとこの状態なのだろうか。

途中パーキングエリアで一回目の休憩。

パーキングエリアの隅で景色を眺める。

雲の隙間から地上を照らす日の光が、神々しい印象を与える。

最近こんな景色を眺める事などなかったなと思いながら、まだ少々

肌寒い空気の中、その光景をぼんやりと眺めた。

2回目の休憩はサービスエリアで。

ここでは、 “いのち” というお菓子のさくら風味と、“やっこいサブレ”

というのを一つずつ購入。

車へ戻って早速ぱくつく。

普通バージョンの “いのち” というお菓子は、見た目的には、仙台の

“萩の月”と同じようなお菓子だ。

違う点は、りんごのソースが真ん中に入っているという点。

そのため、ほんのりとリンゴの良い香りがする。

スポンジはしっとりとしていて、クリームも滑らかな印象。

今手にしているのは、期間限定の桜風味だ。

実は、自分は “萩の月” が大好物だ。

こちらは、クリームの濃厚な美味さがたまらない。

はっきり言ってどちらも捨てがたい。

このような形態のお菓子はいろいろな所で目にするが、土産物として

販売されている中では、この2つは秀でて美味いと自分は思っている。

勿論、高級なケーキ屋で売られている、賞味期限が1、2日程度の物と

比較したら、かなわないかもしれないが。

一方の “やっこいサブレ” 今回初めて購入した。

一口分ちぎると、本当にやわらかい。しかもリンゴの良い香りがする。

直径は10cm近くあるだろうか。

内側の直径約5cm程の部分はまるで生キャラメルのような状態。

味も香りも食感も、薄く焼かれた濃厚なケーキといった感じである。

ひと時の贅沢な時間は終わった。

さあ、実家まではもうすぐだ。