憂さ憂さうさぎ -14ページ目

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

『ゴールデンウィークには、絶対実家に帰るぞ!』

一人意気込む自分に、かなりしょぼい運命のいたずら。

5月1日に、どうしても外せない予定が入った。

まあ、はっきり言ってしまえば、帰る日を少々後ろにずらせば良いだけ

の話なのだが。

今日は5月2日。

そして待ちに待った帰省の日。

自分は昼過ぎに車で家を出発。

途中、イオンスーパーセンター鈎取店に寄る。

道中の飲み物とおやつと実家への土産を購入した。

イオンスーパーセンター鈎取店を午後2:20出発。

高速道路へ入る。

震災の影響で、高速道路の状態はどうなっているかわからない。

無理は禁物だ。

高速道路を進むにつれて、段差のある場所が増えてきた。

思った以上に大きな段差もある。

その段差を通過する度に、しょぼいジェットコースター状態になる。

そういえばこれを、テレビのある番組で “ちんさむロード” なんて

いっていたかな。

この高速道路は、今後ずっとこの状態なのだろうか。

途中パーキングエリアで一回目の休憩。

パーキングエリアの隅で景色を眺める。

雲の隙間から地上を照らす日の光が、神々しい印象を与える。

最近こんな景色を眺める事などなかったなと思いながら、まだ少々

肌寒い空気の中、その光景をぼんやりと眺めた。

2回目の休憩はサービスエリアで。

ここでは、 “いのち” というお菓子のさくら風味と、“やっこいサブレ”

というのを一つずつ購入。

車へ戻って早速ぱくつく。

普通バージョンの “いのち” というお菓子は、見た目的には、仙台の

“萩の月”と同じようなお菓子だ。

違う点は、りんごのソースが真ん中に入っているという点。

そのため、ほんのりとリンゴの良い香りがする。

スポンジはしっとりとしていて、クリームも滑らかな印象。

今手にしているのは、期間限定の桜風味だ。

実は、自分は “萩の月” が大好物だ。

こちらは、クリームの濃厚な美味さがたまらない。

はっきり言ってどちらも捨てがたい。

このような形態のお菓子はいろいろな所で目にするが、土産物として

販売されている中では、この2つは秀でて美味いと自分は思っている。

勿論、高級なケーキ屋で売られている、賞味期限が1、2日程度の物と

比較したら、かなわないかもしれないが。

一方の “やっこいサブレ” 今回初めて購入した。

一口分ちぎると、本当にやわらかい。しかもリンゴの良い香りがする。

直径は10cm近くあるだろうか。

内側の直径約5cm程の部分はまるで生キャラメルのような状態。

味も香りも食感も、薄く焼かれた濃厚なケーキといった感じである。

ひと時の贅沢な時間は終わった。

さあ、実家まではもうすぐだ。

巷ではもうすぐゴールデンウィーク。

最近自分は無性に実家へ帰りたい。

決してマザコンとか○○コンとかいう類ではない事、これだけはしっかりと

理解してほしい。

自分の心の中の正直な部分をさらけ出してしまえば、震災後福島原発

の事故を知ってから、実家に逃げてしまいたかった。

いろいろな発表もどこまで信用出来るものなのか、自分はかなり疑って

いた。

『どうせ、パニックを避けるためとか何とか言い訳して、いろいろ隠して

いるんだろう。』 と。

だから、とりあえず福島原発から300km以上離れている、自分の実家へ

逃げたいと思ったのだ。

そんな風に考えた自分は、卑怯だろうか・・・?

しかし現実にはそれは到底無理な事で。

ガソリンは無い。

道路は通れない。

新幹線は止まったまま。

これが、その当時の状況。

だが数日前、高速道路が通れるようになった。

ガソリンも既に満タン入れられるようになった。

気分的にはもうホームシックに近いものがある。

福島原発の問題はまだ解決されそうにない。

これはもう帰るしかない。

よし!絶対帰るぞ!!

ゴールデンウィークには、どんな事をしてでも帰ってやる!

心の中で、一人意気込むのだった。

実のところ、3月の末からずっと体調が良くなかった。

現在既に4月末。

体調が悪くなった始めの頃は、

『また、いつもの扁桃腺か?震災の後しばらくの間は、毎日疲れるような

事ばっかりやってたしなぁ。』

くらいにしか思っていなかった。

実は恥ずかしながら、自分は扁桃腺が弱い。

過剰に疲労すると、大抵扁桃腺が腫れて熱を出し、具合が悪くなってしま

うのだ。

もう十年以上も昔からなのだが。

どうにも辛い時は、耳鼻咽喉科に行って治療してもらう。

ある耳鼻咽喉科では、「そんな弱い扁桃は、切っちゃった方がいいよ。」

と言われたが、断固拒否した。

命に関わらないかぎり、切った貼ったなど、ご免こうむる。

誰も信じてくれなくたって、自分は繊細でデリケートに出来ているのだ。

少々話が脱線したが。

いつもの扁桃腺炎ならば、1週間もすれば良くなるに違いないと放置する

事に決めたのがもう4週間近く前の事。

未だに右側だけ、のどが痛む。

加えて、ずっと身体がだるいし、やたらと疲れやすい。

やる気まで無くなりそうだときたもんだ。

今日は首のリンパ腺まで腫れているように思う。

とりあえずサロンパスを首に貼った。全部で3枚。

『剥がす時痛いだろうな・・・。』

半日程先の事を心配しながら、椅子の上でダラ~ッと過ごした。

だら~ん・・・にょろ~ん・・・ごろ~ん・・・。

一日経過、前日貼ったサロンパスは、まだ自分の首にしっかりとしがみ

ついている。

『剥がすの痛そー・・・めんどくさーーー。』

産毛が大量に抜けて行く痛みに悶絶しながら、何とかサロンパスを

剥がした。真っ赤である。

一応リンパ腺の腫れは少し良くなったようだ。

【補足】

ここに書かれている時期はまだ解らなかったのですが、東日本大震災

の後ストレスが原因で “疲れやすい・やる気が出ない・頭痛・耳鳴り”

等々、いろいろな症状を訴える人が多かったという事を知りました。

自分はひたすら、『扁桃腺炎だ。すぐに良くなるさ』 と気にしないように

努めるばかりだったのですが、上記のような記事を発見した時に、

『もしかして、自分のも・・・?』

と思い、とりあえずこの経験内容を書く事にしました。

今現在、我が家はライフライン全てが復旧し、以前と同じ生活が出来る

ようになっている。

違う部分といえば、トイレの事と気持ちの部分だけである。

海沿いの地域では今でも浸水している住宅が沢山あり、そこには汚水も

流れているのだという。

下水処理場も復旧には数年かかるらしい。

正直、排泄行為自体をしないというのは無理なので、せめてトイレット

ペーパーは流さないようにしている。

トイレに専用のゴミ箱を設置し、使用済みの紙はそこへ捨てるのだ。

また大地震が起こっても、物がいろいろ落下しないようにと、未だに

殆どの物が床に並べられたままになっている。

玄関のへ行く扉には、ガラスがはまっているため、そこには段ボール

を張ったのだが、それも未だにそのまま。

しかも、すぐ玄関に辿り着けるようにと、扉は常に開け放してある。

毎日頻繁に起こる余震に少々びくびくしながら、常に手の届く場所に、

貴重品・笛・懐中電灯・ライター・薬・・・等々が入ったヒップバッグを

置いている。

日々テレビで報道される福島原発の動向にも目を離せない。

現在自分が最も恐れているのは、まだいろいろ隠蔽されている可能性

が考えられる、原発事故の方なのかもしれない。

海側に住んでいる人達と比べれば、こんなにも恵まれた状況にある自分

が、こんな贅沢な事を考えたら怒られるかもしれないが、出来るだけ早く

原発と地震の不安から解放されたいと望まずにはいられない。

マックスバリュー郡山店へよった。

店内は地震の前と同じような状態。

野菜と豆乳を購入した。


今日の夕食は 『すき屋』 にしようという事になり、南仙台駅方面へ。

『すき屋』 のすぐ近くには、以前ゲームセンターがあったと思ったのだが、

ふと見ると『ダイソー』になっていた。

そういえば、懐中電灯がほしかったんだ。

実は、現在自分が持っている懐中電灯、本当は車のダッシュボード

に常備してあったもの。

だからこの懐中電灯はまた車に戻して、家で持ち歩く用の懐中電灯

がほしいと思っていた。


電気用品コーナーへ行ってみる。

懐中電灯は一つも見当たらない。

2~3m程の棚を見ると、約半分くらいがガラ空き状態だった。

『もしかして、ここに懐中電灯があったのか?』

周りを見回しても、他にそれらしい物は何処にも見当たらない。

『う~ん、今度は懐中電灯不足なのか・・・。』


諦めて、他に必要な物を物色する事にした。

棚をおさえるための突っ張り棒GET

更に店内をうろつくと、

“子供がやたらめったら冷蔵庫開けないようにするやつ”

を見つけた。

こんな表現では、何の事だかさっぱりわからないと思うが、要するに

そんなやつである・・・。

ほら、あれ、柔らかいプラスチックの棒の両側に、両面テープのついた

パチンと留める部品がついたやつだ。

あああ、うまく表現出来ない。

気になる人は、ダイソーで探してみてくれないか・・・。


自宅の扉付きカラーボックスに取り付けるために購入。

実はこのカラーボックス、大地震の度に扉が開いて、中の物をみんな

ぶちまけてしまうのだ。

それを阻止するためのアイテムとして使う予定。

ひとしきり物色し終わり、会計を済ませる。


次は、向かいの 『イエローハット』 へ。

そこでも、一応懐中電灯を探してみた。・・・なかった。

ここでの本当の目的は、別にあるのだが。


それから今日のディナーをいただきに、『すき屋』 へ。

平日にもかかわらず、何故か店内には親子連れが多かった。


『これからしばらくの間は、懐中電灯を探して彷徨うはめになるだろうな。』

そんな思考は、牛丼を前にした時木端微塵に散った。

先ずは牛丼である。

『牛丼!牛丼!!牛丼!!!』

頭の中は既に牛丼コールが轟いている。


かなり久しぶりの牛丼は、本当に美味かった。

頂きます・・・合掌。