実家に来てからもうすぐ一週間になる。
ここは地震が殆どなく、夜も安心して眠る事が出来た。
何処へ行くにも、何をしていても、“地震” の事は気にせずに過ごす事
が出来る。
福島の原発から、ここは300km以上離れているため、放射能に対する
不安を感じる事も、まずない。
自分の心の中に、ずっとここにいた方がいいのではないかという気持ち
は確かにある。
いっそのこと、ここに引っ越すか?
何故か、その選択肢は現実的とは思えない自分がいた。
現在自分の生活拠点は仙台にある。
確かに今の仙台はまだ、余震や原発の問題から解放されてはいない。
そして復旧・復興はまだまだこれからという状態である。
下水処理場の復旧にも数年はかかるようだ。
しかし自分はこの仙台で、社会人として短くは無い年月を過ごしてきた。
その間に、沢山の辛い事を味わったが、喜びも少なくなかった。
想い出の多くはこの仙台の地にある。
そしてこの都市は今、復興へ向かおうとしているのだ。
自分の人生も、この都市とともに復興していけたら。
そう感じているのは、自分だけではないはずである。