99. 帰るべき場所 | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

実家に来てからもうすぐ一週間になる。

ここは地震が殆どなく、夜も安心して眠る事が出来た。

何処へ行くにも、何をしていても、“地震” の事は気にせずに過ごす事

が出来る。

福島の原発から、ここは300km以上離れているため、放射能に対する

不安を感じる事も、まずない。

自分の心の中に、ずっとここにいた方がいいのではないかという気持ち

は確かにある。

いっそのこと、ここに引っ越すか?

何故か、その選択肢は現実的とは思えない自分がいた。

現在自分の生活拠点は仙台にある。

確かに今の仙台はまだ、余震や原発の問題から解放されてはいない。

そして復旧・復興はまだまだこれからという状態である。

下水処理場の復旧にも数年はかかるようだ。

しかし自分はこの仙台で、社会人として短くは無い年月を過ごしてきた。

その間に、沢山の辛い事を味わったが、喜びも少なくなかった。

想い出の多くはこの仙台の地にある。

そしてこの都市は今、復興へ向かおうとしているのだ。

自分の人生も、この都市とともに復興していけたら。

そう感じているのは、自分だけではないはずである。