4月7日夜。
突然大きな揺れが起こった。
いつも通り玄関のドアを開ける。
『今日の余震はかなり大きいな。』
3月11日の地震時同様、ドア枠につかまって自分の身体を支えた。
今の状況とその時の状況が頭の中で交錯する。
それと同時に、同じ程度のものを覚悟する。
揺れの大きさ長さ共に、思ったよりは酷く感じなかった。
一月近く、毎日襲ってくる余震で、感覚も神経も麻痺しているのか?
あれ以来、倒れてきそうな棚は突っ張り棒で固定したし、棚の物が落ちて
来ないように、棚の前面に紐を張っておいた。
余震で落ちてきそうな物は、ほとんど床の上に並べておいたため、
物が落ちる事もないだろう・・・と思ったが甘かった。
一番の大物、和室に置いてあったブラウン管テレビがまた、畳の上で
うつ伏せになっていた。
『おいおいたのむよ、お前が一番重いのに・・・。』
家中の固定していなかった物達も、また勝手に移動している。
賃貸だと、勝手気ままに壁や柱へいろいろぶっさす訳にもいかず、家具類
を固定する手段が乏しい。
それが弱点。
しかし、出来る範囲でいろいろ対策をしていたため、部屋の復旧には
前の時ほど苦労はしなかった。
そういえば、今日は3月11日から数えて27日目。
26日説ってやつも、軽視出来ないな。
自分は一応警戒して、出来る範囲でいろいろ対策と物資の備えをしていた。
当然、心の備えも。
備えあれば憂いなし。