幸いなことに、今回の地震では電気も水道も無事だった。
それだけでも、生活面がかなり違う。
精神的なダメージも少なくて済んだ。
地震が治まって、すぐにテレビをつける。
津波を警戒するようにとの声。
テレビの画面には、あるテレビ局内の地震時の映像が写し出されている。
物が雪崩のように崩れ落ち、棚も倒れていく。
テレビ局内の人達も慌てふためいているようだ。
震源・震度・津波等の情報とともに、同じ映像が何度も何度も繰り返し
映される。
『同じ映像ばかり、何度も見せなくていいから。』
今回は、津波は酷くなかったようだ。
とりあえず一安心。
今の状況でまた大きな津波でも来たなら、あらゆる意味でダメージが
大きすぎるだろう。勿論、精神的なダメージも。
3月11日の地震で、東日本の太平洋側のほとんどが沈下したらしい。
勿論、自分が住んでいる地域も、地盤が沈下している範囲内だ。
だから、あの時のような大津波が起こった場合、自分の住んでいる
地域が、絶対浸水しないという保証がない。
徒歩で辿り着ける川を越えると、その先の地域は比較的標高が高いようだ。
しかし、川に近付くのが良策なのか?
あの大地震の時、川の部分は、結構上流まで津波が来ていたらしい。
その影響は大きな川だけではなかったようだ。
いつまでも繰り返される同じ映像を見ながら、自分の頭の中では
“災害時のシミュレーション” という名の妄想が繰り広げられていた。
しばらくして、重要な情報が一つ。
『念のため、ガスが復旧した地域でも、ガスは使用しないで下さい。』
ガス、復旧から約二日で、一時のお別れ。
日本中のガス会社の人達が、毎日がんばって復旧してくれているガス。
テレビでその映像を見る度に、様々な意味で感謝し、感心している。
この地震のせいで、また各地でライフラインに影響が出ているようだ。
電気・水道・ガス、そして道路や構造物等の復旧に関わっている人々。
そして救助・救援、町の復旧・復興に努めている人々。
3月11日の地震以来、そんな人々に心底感心し感動し感謝している。
自分の事ながら、この気持ちを正確に “文字” で表す事が出来ない
事が歯がゆい。
この大きな余震が、そんな人達の心に影を落とす事がないようにと、
無力な自分は祈る事しか出来ないのだ。