84. 余震 | 憂さ憂さうさぎ

憂さ憂さうさぎ

世の中は憂さだらけ!
はき出す場所のない憂さを、ここで晴らしてみましょうか。

4月7日夜。

突然大きな揺れが起こった。

いつも通り玄関のドアを開ける。

『今日の余震はかなり大きいな。』

3月11日の地震時同様、ドア枠につかまって自分の身体を支えた。

今の状況とその時の状況が頭の中で交錯する。

それと同時に、同じ程度のものを覚悟する。

揺れの大きさ長さ共に、思ったよりは酷く感じなかった。

一月近く、毎日襲ってくる余震で、感覚も神経も麻痺しているのか?

あれ以来、倒れてきそうな棚は突っ張り棒で固定したし、棚の物が落ちて

来ないように、棚の前面に紐を張っておいた。

余震で落ちてきそうな物は、ほとんど床の上に並べておいたため、

物が落ちる事もないだろう・・・と思ったが甘かった。

一番の大物、和室に置いてあったブラウン管テレビがまた、畳の上で

うつ伏せになっていた。

『おいおいたのむよ、お前が一番重いのに・・・。』

家中の固定していなかった物達も、また勝手に移動している。

賃貸だと、勝手気ままに壁や柱へいろいろぶっさす訳にもいかず、家具類

を固定する手段が乏しい。

それが弱点。

しかし、出来る範囲でいろいろ対策をしていたため、部屋の復旧には

前の時ほど苦労はしなかった。

そういえば、今日は3月11日から数えて27日目。

26日説ってやつも、軽視出来ないな。

自分は一応警戒して、出来る範囲でいろいろ対策と物資の備えをしていた。

当然、心の備えも。

備えあれば憂いなし。