金融教育の必要性について、考えてきました。

 
でも、声高に「金融教育は必要だ」と言う方も、ここから先は、「そこまで必要はない」と、ほとんどの方が言うはずです。
 
では、なぜ、ここから先の話(近未来の地球と経済活動のあり方)を不要と考えるのでしょうか。
理由は簡単です。
お金に関係ない、あるいは儲け話にならないからです。
 
世間で言われる金融教育は、資産形成のための教育です。
平たく言えば、「金融による不労所得を得るための教育」です。
これを軽視するつもりはありませんが、私は、環境問題も軽視するつもりはありません。
 
 
 
本当は、もっと視野を広げるべきなのですが、今回は、SDGsを踏まえた経済活動を、考えてみようと思います。
 
 
現時点の人類が排出する二酸化炭素の量は、地球が吸収できる量の約2倍とされています。また、日本の一人当たりの二酸化炭素排出量は、世界平均の約2倍とされています。
そして、2100年頃には、日本の人口は半減していると、予想されています。
であるなら、2100年までに、日本は、二酸化炭素排出量を、現在の1/8(12.5%)程度まで削減するべきだと、言えるでしょう。
 
一般に、化石燃料を使う際の熱効率は、30〜50%程度と思われます。
(熱を2段階に利用するコンバインドサイクルでも、50〜70%程度です)
であるなら、熱効率を100%にできたとしても、化石燃料の消費量を1/3まで減らす必要があります。
実際には、熱効率を1%向上させることさえ、容易ではありません。
「技術革新が起きれば、熱効率は格段に向上する」と言う方は、あちこちにいますが、誰が技術革新を起こしてくれるのかは、完全に無視されています。
きっと、魔法使いが、「チチンプイプイ」って技術革新を出現させてくれるのでしょう。
 
 
私は、魔法使いの存在を信じない不信心者(笑)ですので、今後も熱効率は大して改善されないと、考えています。
ならば、エネルギ消費自体を減らしつつ、その中で経済を回していくしかありません。
 
方法として、地産地消を増やすことです。
遠距離の輸送は、無駄なエネルギを消費します。
輸送距離を削減できる地産地消型の社会が、求められるのです。
 
エネルギ消費を減らしていく社会は、経済成長より現状維持が求められます。
エネルギ消費の縮小を優先するため、消費を拡大させるどころか、現状を維持するための模索をすることになります。
だから、経済成長は容易ではありません。
消費を減らしつつ、経済規模を拡大する社会を、構築しなければなりません。
 
 
 
さて、課題である金融教育として、ここまでの教育は必要でしょうか。
 
私は、必要であると考えます。
 
なぜなら、人類の活動量が、地球のキャパシティを超えつつある現代、SDGsを踏まえた金融教育を行わなければ、取り返しがつかない事態に突き進むことになるからです。
 
 
 
 
次回も、SDGs以外も、マクロの視点で考えようと思います。
 
 
 
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