2026年4月21日、日出生台演習場で、射撃訓練中の10式戦車内で、砲弾の暴発事故がありました。
この事故では、戦車内にいた3人が死亡し、1人が負傷しています。
思い返せば、自衛隊の事故が増えている印象があります。
2023年4月6日 宮古島沖で陸自ヘリが墜落。死者10名。
2024年4月20日 鳥島沖で海自ヘリが空中衝突。死者8名
2024年5月30日 東富士演習場で手榴弾訓練中に事故。死者1名。負傷者1名。
2024年6月24日 訓練帰りの公道上で交通事故。死者1名。一般人負傷者1名。
2025年5月14日 所属基地への帰還中の練習機が墜落。死者2名。
2026年4月21日 日出生台演習場で戦車砲の訓練中に暴発事故。
以上は、当ブログで扱った事故です。
いずれも、死亡事故です。そして、陸海空の全てで死亡事故が起きています。
当然、これ以外にも事故がありましたが、全体から受ける印象は、事故の増加です。
同時に、再発防止効果への疑問です。
宮古島沖墜落事故は、調査結果が出ていますが、実質的には原因不明でした。
第2エンジンは、ロールバックと呼ばれる現象が発生し、出力低下が発生しました。
同時に、第1エンジンも出力低下が発生したため、墜落したのですが、第1エンジンの出力低下の原因が不明のままなのです。
事故を起こしたUH-60JAは、第1エンジンだけでも正常なら飛行を継続できます。
第1エンジンの出力低下の原因を究明し、対策しなければ、また事故は起こり得ます。
鳥島沖墜落事故も、調査結果は出ています。
この事故は、管制方法に問題があったのは間違いありません。
バラバラに管制された3機が、同じ空域を飛んでいたのです。もう無茶苦茶です。
ですが、再発防止策は、夜間にも関わらず「監視を徹底しろ」とか、管制を統一せずに「高度を守れ」といった精神論でした。
これでは、再発を防ぎきれないでしょう。
対策は公表されていないようですが、自衛隊車両の交通事故も、同じような精神論で対策していないか、不安になります。
東富士演習場での事故は、実弾訓練中の事故でした。
正直なところ、手榴弾の投擲訓練で、実弾の必要性はあるのでしょうか。
投げた手榴弾がどこに届いたのかは、爆発しない方が正確にわかります。
実弾の怖さを知るために、実弾訓練も必要かもしれませんが、狙ったところに投げることは、訓練の主たる目的のはずなので、実弾訓練はほとんど必要ないと思います。
T4練習機の墜落事故は、現在、調査中です。
情報はなく、憶測を書くわけにはいきませんが、再発防止策が、鳥島沖の事故のような精神論にならないか、注視したいと思います。
今回の10式戦車の暴発事故の調査は、これからです。
昔の戦車は、砲弾を人が手で装填していました。
なので、砲弾を装填する際にミスがあれば、暴発も起こり得るかもしれません。
ですが、10式戦車は、自動装填なのだそうです。装填ミスは考えにくいところです。
そうなると、砲弾の装填ミスは排除されそうです。
装填装置の仕組みを知らないので、ここに欠陥があっても、私には理解できないかもしれません。
ただ、状況からみて、装填装置に問題がある可能性は残ります。
砲弾自体の問題も、考えられます。
また、自動装填装置は、信管の取り付け、安全装置の解除も自動・セミリモートで行うのか、ミリタリーには疎いのでわかりません。
損傷が砲塔内に止まっているので、暴発したのは1発だけだろうと推定できます。
であれば、装填中の砲弾の暴発なのでしょう。
なぜ、装填中に暴発したのか、信管が起動したのか、それとも発射薬が暴発したのか、砲身の温度が上がっていたのか、気になる点は色々あります。
このような事故が起こり、批判の声が上がると、「安全保障環境の変化に対応すべく訓練を強化しているので、多少は事故が増えるのもやむを得ない」との声が出てきます。
その考えは、自衛官の命を軽視していることに、気付いているのでしょうか。
訓練は、戦果を上げられるようにすると共に、自衛官が有事でも生きて帰ってこれるようにするためでもあるのです。
まさか、特攻のために訓練しているわけではないでしょう。
であれば、訓練で命を落とすなんか、本末転倒です。
平時にも関わらず、毎年、何人も自衛官が命を落とすなんか、許されません。
今回の事故原因の調査と再発防止策は、もちろん重要ですが、鳥島沖墜落事故のような精神論のような対策にならないように、組織風土から改善していってほしいところです。
