鍋料理の季節である。
世界中で愛される料理法であり、その数たるや無制限といえるだろう。
同じ具材であっても調味料で個々変化する。
日本人なら・・しょう油、味噌、塩といったところだろう。
また水の美味い日本ならではの水炊きがある。
昆布と白菜を鍋に入れ沸騰させる。
ぶつ切りにした地鶏を入れ表面がトロ~としたら食べごろである。
スダチと柚子のポン酢で頂く・・
薬味は浅葱のみじん切りとおろしニンニクである。
これが実に美味い!
明日の口臭、体臭を気にしては食せぬ一品ではあるが「美味い!」
椎茸、長ネギ、豆腐、そして春菊と次々と鍋に入る。
そして、やがて私の口へ・・
豊満な腹は至福の時を迎え自ずとベルトを緩めるのである。
好き・好き・すき焼き
鉄器で有名な南部地方は盛岡市と奥州市である。
伝統工芸として「南部鉄器」の称号が与えられ伝統工芸士が存在する。
彼らが作る鍋は最高である。
鉄は温度の変化に鈍く、全体に熱が伝わり、さらに冷めにくい。
すき焼きに非常に相性が良い。
私が小学生のころのすき焼きは豚肉である。
すでに白菜、ニンジン、ゴボウ、ナラシメジ、豆腐が入っている。
彼らは面積の大半を占め、そこに豚肉が浮いているわけである。
そば汁に砂糖が加えられ、煮詰まったら卵に浸して食するのである。
表面の肉が無くなると下から糸コンニャクや麩が登場する。
色が濃いので麩と肉の区別がつかぬまま箸でつかむ。
「あ!」と思っても戻すことはできない。
それが我が家の鉄則であったからだ。
すき焼きのプロになると豚肉は椎茸など子供の嫌いな食材の下に隠しておく。
更に超一流のプロは白菜でに豚肉を巻いて静かに沈め、その上に人参が山になっている。
だから我が家の鍋は時間がたつにつれ不自然な形に変形する。
さすがに私も年に2回のすき焼きでも学習するわけである。
「あ、今日はニンジンが食べたいなー」とプロの前の山を崩す。
箸は更に下方をめがけ突き進む・・「よし!」
箸を持ち上げて驚いた!
そこには薄切りにしたコンニャクが登場した。
「鉄のおきて」低い声でプロの声がした・・・
煮しまったコンニャクを食べながら親父には勝てないと思ったものである。
ところで当時この鍋がどうして「すき焼き」というのか疑問であった。
すき焼きは牛肉であり、最初に鉄鍋で焼くことを知るのは数年後の事であった・・龍
