青春感動ドラマあの橋を渡るのは・・ | 版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆

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私が各地で出会った美味しくて不思議な一品をご紹介。さーて今日は何を食べようかな。


版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆-カエル

「なー、キミちゃん。何で俺たちここにいるんだい」


カエルのナベちゃんは葉っぱの上にドカッと座り込んだ。


ここは関東の北部に位置する鹿沼市である。


10月になると気温が下がりカエルは動きが鈍くなる。


冬眠するか、しないかは自分の意志ではない。


しかし中には意地なのか、鈍いのか、いまどきなのか?


夜更かし?カエルが現れる・・






版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆-カエル2


「ナベちゃん。君がここに来ようって言ったんだよ」


キミちゃんは、ナベちゃんに無理やり連れてこられた。


本当はこんな大冒険をする予定では無かったのだ。


お互いの家から、80kmも離れた場所に来ているのだ。


勿論、カエルの足では一生掛かってしまう距離である。


しかし、JRと私バスを乗り継いでどうにか到着したのだ。


実はこの2匹、私立校に通う高校生であった。




さかのぼること数時間前・・・




「あー、面白かったなー」

「本当に、面白かったなー」


ここは鹿沼市文化会館・・今日は「あのねのね」のコンサートであった。


「アマガエル・・羽を付けたら、羽を付けたら?なんだっけ、キミちゃん」


「違うよナベちゃん。唐辛子に羽を付けたら、赤とんぼ、だって」


「は、は、は、そりゃそうだ。俺たちカエルに羽がついたら、想像しただけで怖いわ」


本当に仲の良い2匹である?




「あれ?ナベちゃん。最終バスって、10時だけど」


「えー、そんなことないだろう?」


9時半にコンサートが終わり「ニラ蕎麦」を食べてバス停に来た。


只今の時刻10時10分と20秒・・


「どうするケロ?キミちゃん」


「ケロ?歩こうナベちゃん」


こうして二人はJR宇都宮駅まで歩くことになった。


学校の帰りにコンサートに来たのだが、学生服では目立つとヤッケを持ってきた。


緑のヤッケは夜空の下で歩く二人の寒さを十分にしのいだ。




「貝島橋だってさ」ナベちゃんは大きく足を開き、腕組をした。


「へー、長い橋だね」キミちゃんがそう言って渡ろうとした時、


唐突にナベちゃんが「よし、今日はここに泊まろう」と言う。


「へっ、泊るってどこに?」キミちゃんが振り返ると既にナベちゃんの姿は消えていた。




「おーい、こっち、こっち」橋の袂で手を振るナベちゃん。


今夜の寝床は橋の下の様である。


幸い?親には友達の家に泊まるかもしれないと言ってあった。


しかし友達の家が橋の下とは言っては無かった。




橋の下でも会話が続いた・・


「ところでキミちゃん、俺たち、そろそろ冬眠の季節じゃないかケロ」


「そうだねケロ、でもナベちゃん。冬眠するなら家がいいなー」


「そうかケロ、俺はここでもいいぞケロ」


「ダメだよナベちゃん。帰るんだよ。家に帰って冬眠するんだよ」


ナベちゃんカエルは冬眠してしまった。


キミちゃんカエルは色々な事を思い出していた。


面白かったコンサート・・


美味しかった「ニラ蕎麦」・・


「ニラ蕎麦?」あの時ナベちゃんが腹が空いたから食べようと言って・・


あれ?それが原因で最終バスに遅れたんじゃないか。


やっぱりナベちゃんのせいである。


キミちゃんはだんだん腹が立ってきたが、眠気に負けて寝てしまった。



時は流れ・・・?




―水面に輝く朝の光は2匹のカエルを冬眠から目覚めさせた―


「キミジマ、起きろ!朝だぞ。このまま学校に行くぞ」


「やー、ナベちゃん。もう春になったんだね」


「なに寝ぼけてんだよ、朝からカエルだの冬眠だの」


「・・・朝?」


そこはまぎれもない橋の下であった。


夢では無く、本当に橋の下に泊まったのである。


カエルのナベちゃんは人に戻って、河の水で顔を洗っていた。




「おーい!おまえも顔ぐらい洗えよ、気持ち良いぞー」


それは・・橋の下で過した事など、忘れた様な笑顔であった。


「よーし!オレも洗うか」


水面に映る自分の姿もまた、普通の高校生であった・・龍




版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆-ニラ蕎麦

                 ニラ蕎麦