今はもう昔・・ある温泉場に「寿爺さん」という100歳をとうに超えた長生き爺さんが居ました。
爺さんは旅館のご隠居さんでしたが、近所でも評判の働き者で、
頑張り屋で、優しく、皆に好かれていました。
そして何故?爺さんがこんなに元気で長生きなのか、
皆が知りたがっていましたが、誰もその秘訣を知ることはできませんでした。
いつしか噂で、爺さんは「不老不死の薬」を持っているのでは?
爺さん「宇宙人説」・・爺さん「サイボーグ説」・・いろいろと噂されました。
そしてある日・・ついに爺さんが毎日飲んでいる「ドリンク」が判明したのです。
村中が大騒ぎになりました。
発見したのは「渡辺酒店」のマサやんでした。
「オレが爺さんの旅館に配達に行くんだけど・・」
・・それで?
「客のいない時期でも必ず注文するドリンクが有るんだよ」
・・なに!ほんとうか?
「間違いない、1年間ノートにつけたんだから」
・・なるほど、間違いないようだな。
「ああ、間違いねーな」
・・そのドリンクとは?
「そのドリンクとは・・」
・・とは?
「とは?」
・・なんでお前がとは?って言うんだよ。
「それもそうだ、いいか言うぞ」
・・ゴク
「それは、オロナミンCドリンクだ!」
・・あっそ。
「あっそ。って本気にしてねーなおまえら」
・・ゾロ・・ゾロ・・村人は一人残らず帰って行きました。
めでたし、めでたし。
「寿爺さん」
しかしマサやんのノートには長生き爺さんの特効薬が書き込まれていたのである。
それは3ヶ月に2~3本の注文が入っていたワインだったのだ。
赤、白、ロゼ、種類もメーカーもまちまちだったので気がつかなかったのである。
そして、
その後「寿爺さん」はテレビのインタビューに答えた事が有った。
その時の内容が、これだ!
1・2・3
「おじいさん、長生きの秘訣は何ですか?」
いきなりレポーターの女の子が質問した。
取材を見ていた村人達は「答えるわけねーべ」と思っていた。
すると爺さん「ワインだよ」
いとも簡単に教えてるではないか。
しかも飲み方まで・・
「小さなワイングラスに1杯だけ、毎日のむだよ」
夏は水で、冬はぬるま湯で薄めて、朝方から夕方にかけて飲み干すと言う
その方法も教えてくれた。
「わー本当ですか。私もやってみようかな。でも車の時は困りますね」
・・村人・・シーン
撮影は進み・・
「今日は長生き名人『寿爺さん』こと鶴野亀吉さんでした。皆さん参考になりましたかー」
手を振るレポーター
「ハイOKです!」
ディレクターの声がした時には村人の姿は一人残らず消えていた。
「あ、そうそう、ディレクター。あのおじいさん収録後に面白い事いうんですよ」
「なに、なんて?」
「この長生きの方法はワインを100年飲み続けなければ効果はない。ですって」
「100年?・・・は、は、ははは、それは面白い」
「でしょう。本当に可笑しかった。それにしても村長さんや村民の方たち何処に行ったのかしら?」
その日、渡辺酒店はワインの在庫が無くなった。
山の温泉は「川島なおみ」以上のワインブームが続くのであった・・龍
