広島に来て驚いたことがたくさんある。
その中でも野菜の美味さは驚愕であった。
そこで登場するのが冷やしシャブシャブである???
この料理、「野菜を食べる事に真髄有り」と私は思うからだ。
牛肉、豚肉ともに美味いが、野菜が物を言う。
別に野菜が話すわけではないが、とにかく野菜で決まる。
キュウリ、水菜、ミョウガに紫蘇の葉・・
ネギに人参、カイワレ、大根・・
限が無いのでこの辺にするが、
我が家の「夏の定番メニュー」なのは確かである。
今日はギンギンに冷えた白ワインで頂くことにする。
冷やしシャブシャブ
ネーアナタ賞は「イタリア風冷やしシャブシャブ2名様お食事券」×5組
提供:イタリアンレストラン「ネーアナタ」
「丸根賞・・おせうゆセット・・?剛次郎、おせうゆてなんだ?」
「おせうゆは、おせうゆ、だろう」
全く分からなかった。
剛次郎も分かっているはずがないと勝手に思い込んだ。
今日は納涼盆踊り実行委員会の発足式で有る。
「え―寿屋は戦後間もなく・・・」
ビールケースに板を敷いただけの壇上で親父が挨拶をしていた。
恒例の盆踊りは山の温泉青年団が手伝う事になっている。
消防団、青年団、若者会と会の名前はたくさんあるが、メンバーは一緒である。
「何でタツのオヤジの挨拶は自分の店の創業から始まるんだ」
「さーね、苦労したからじゃないの」
挨拶中でも準備室には盆踊り大会のくじ引き景品が次々と運ばれてきた。
その中の「おせうゆ」であった。
そして「おせうゆ」が運ばれ「お醤油」の事と初めて知った。
もっとも「丸根」とは地元の醤油屋であったのだが・・
剛次郎は調理人なので「さしすせそ」を知っていたのだ。
その説明に又しても分からない私であった。
それにしても気になるのは「ネーアナタ」である。
「イタリア風冷やしシャブシャブ」
牛肉など食べる事の出来ない時代である。
シャブシャブなど見た事も、聞いたこともない、当然食べた事もない・・・たぶん。
そこに、イタリア風と冷やしが付いたら、もう未知の代物120%である。
私と剛次郎は想像を膨らましていた。
「おせうゆがお醤油なら、シャブシャブは・・・?」
「ふーむ・・・」
親父の挨拶が長いので色々考える二人・・
「せぶせぶ・・・」
「ぶが二つ・・・」
その時私は閃いた「ブ―ブ―」豚の事である。
「シャブシャブが豚の事なら、冷やしは・・刺身か!」
さすが、剛次郎は調理人だけのことはある。
そして二人の意見が一致したのが、これだ!
ワン・ツー・スリー「豚の刺身をケチャップにつけて食べる」
「食事券・・・欲しくない」私は心底思った。
「・・・俺も」剛次郎は気分が悪くなっていた。
二人の会話は青年団の中にたちまち広まったのである。
それは街中に知れ渡るにはさほど時間は必要無かった・・・
そして、「イタリア風冷やしシャブシャブ」は残念ながら、
納涼盆踊りくじ引き大会で誰も応募が無かった。
そして「ネーアナタ」は後日保健所と駐在所の検査が入った。
容疑は豚の生肉を食べさせて食中毒を企んだという、
「食中毒未遂?」で有った・・龍
