コツ・・コツ・・コツ・・
コンクリートの階段に響き渡る足音・・
ドン・・ドン・・ドン・・?
コンクリートの階段を壊しそうな足音・・
「大東君、早く行こうよ」
「もう食べられません」
打ち上げが終わりホテルへの帰り道である。
「何、言ってるの?もう帰るの!」
最後の胡麻団子が効いたのだろう。
私も甘い物は得意ではないが・・
たとえ得意であっても、30コは多すぎると思う・・・
ホテルメッツのフレンチを頂いた。
黒毛和牛のヒレにフォアグラを挟んだミルフィーユ仕立てのステーキである。
トリュフの香りが一段と優雅さを醸し出す・・?
「え、もう食べたの?」
「はいー」
メインディッシュのステーキをナイフを使わずに、フォークで一刺しで頂いたのである。
「先生、何でホテルのフランス料理は小さいのでしょうね?」
「え、そう?」
私の目にはどう見ても普通サイズであるのだが・・
確かに彼の目の前に並ばされた食べ物は小さく見える。
しかし、それは対比の問題であろう。
ウエスト170cmのミステリーゾーンである。
私は最後のデザートを頂き満足して彼を見ると・・
「大東君、何ションボリしてるの?」
一目で物足りなそうなしぐさである。
「大東君、いつまでメニューを見ているわけ?」
フルコースのメニューを裏返したり透かしたりしている。
「そんなに物足りないのなら、外でもう一軒行くかい?」
「はいー」
私も飲み物ぐらいは付き合えると思いホテルの外に出る事になったのである。
「先生!ここにしましょう!」
「え、ここって・・餃子の金将?」
「餃子ですよ!餃子!日本人はやっぱり餃子です!日本の味ギョウザ!」
日本の味ギョウザかどうかは疑問である・・
しかし日本人は餃子が好きなのは事実であろう。
企画展の開催中はニンニクやニラなどを食べる事が出来ない。
サービス業のエチケットである。
その反動で最終日にはイタリアンや中華で〆るのだが、
今日はホテルに知り合いのシェフがいた為にフレンチになったというわけなのだ。
大東君は初めから乗り気では無かった・・
彼は水を得た魚?の様にビールと餃子を交互に爆食を始めた。
私も自分でこちらの方が似合うと思う・・「大東君、乾杯!」
「はい!」・・返事も大きくなっていた。
「お待ちどうさまー天津飯です」
「おーこれこれ!」
本当に嬉しそうである。
そして・・・驚愕のポスターを発見してしまうのだった。
「本日はデザートの日!食事のお客様は胡麻団子食べ放題!」
というわけで歩道橋を壊しそうにながらホテルへと帰るのであった・・龍

