節分だと言うのに春の足音が聞こえて来ない。
銀色に輝く野山からは「冬をゆっくり楽しんで」と聞こえそうである。
ナラタケの塩漬けを井戸水で戻している。
笊の中には胡瓜の古漬けも見える。
夏の産物たちは姿を変え一段と旨さを醸し出す。
冬の楽しみの一つである。
干した芋がらがだし汁の中で、まだかまだかと膨らんできた。
カブはざく切りにして鍋へと向かう。
水の中のナラタケを口に含んでみた。
どうやら塩抜きが済んだ様である。
胡瓜の古漬けは塩抜きの加減が難しい。
塩梅というものである。
味噌と醤油で味を調えナラタケを加える。
何とも言えない風味である。
生姜をおろし古漬けと和える。
炊きたてご飯が欲しいところだが今夜は酒のツマミである。
囲炉裏に人が集まってきた。
酒の肴をそれぞれ持って・・
いつの間にか輪になっている。
「四角いかどの囲炉裏でも酒と心で丸くなる」
冬の楽しみは人の心と酒である。
四季の中で一番良い季節である。
そして春になって
雪解けの小川やフキノトウをほめちぎる自分が見えた・・龍

