カナダの森のウォリー | 版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆

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私が各地で出会った美味しくて不思議な一品をご紹介。さーて今日は何を食べようかな。

理想のクリスマス、語っちゃって~♪ ブログネタ:理想のクリスマス、語っちゃって~♪ 参加中

ロックフェラーのスケート場に一本のモミの木が運び込まれた。

今年のクリスマスツリーだ。

RFの森からやってきたのだろう。

私はグラスを傾け・・・ある話を思い出した。


それはカナダの森の出来事だった。


森の連中が冬支度をする中、せっせと背伸びをしているモミの木があった。


「オーイ!モミの木のウォリー君どうしたんだい?寒いのにそんなに背伸びをしてさ」


冬眠前のリスたちが駆け寄ってきた。


「リス君たちこんにちは、もう冬支度は済んだのかい?」


モミの木は頭を天に持ち上げるように話しかけた。


「ねえ、ねえ、それよりウォリー君はいつもと違うね」



モミの木は自慢げに話し始めた。


「今日はジェントルマンからの招待を受けたのさ」


そう言うと森で一番の背高ウォリー君は森の隅々まで見渡した。


湖の畔ではアライグマのケルルとその家族が何かを洗っている。


クマのウォーリーは相変わらず、鮭を捕るのが下手であった。


「あーあ、また逃げられた」


おや?向こうで夫婦喧嘩をしているのはビッグホーンシープ のジョンとローザ!


「オーイ、お前たちもういい加減やめろよー」おやおや・・もう仲直りだ、夫婦ってやつは・・


しかし・・・この毎年見てきた光景も今日で最後になる。



「ねえ、ねえ、ジェントルマンの招待ってなーに?」


リスの中で一番小さいビットが聞いてきた。


他のリスは黙ってモミの木を見ている。


「それはね、今日私はクリスマスツリーになる為にニューヨークへ行くのさ」


リスたちは下を向いて泣いている。


「えーじゃ、モミの木さんは切られてしまうの!」


ビットは初めての冬を迎えるため知らないのだ。


この森では毎年ジェントルマンの使いが来て一本のモミの木を連れていくのだった。


「それがこの森の掟じゃ」リスの長老がモミの木ウォリーに挨拶に来た。


ビットは泣きながら「どうして?どうして?」とモミの木の周りを走っている。


「ビットありがとう、この森を大切に守ってくれよ」ウォリーは優しく声をかけた。


そしてジェントルマンの使いが来た。


モミの木ウォリーは見事に切り倒されそのあとは一言も話さなかった。


リスたちや他の動物たちも丘の上からモミの木ウォリーを見送った。


ビットだけがいつまでもいつまでも後を追っていった。



版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆-ワイン


私はロックフェラーのバー・レインボールームからニューヨークの街を見下ろしている。


正面のエンパイアに明かりがつく、今日はグリーンとパープルか・・・


二杯めのワインをグラスに注ぐ。




・・・モミの木ウォリーの話はまだ先があった。


ウォリーのクリスマスツリーはニューヨークの街で一番のイルミネーションだった。


訪れる全ての人々に幸せを与えるように最後まで頑張り通した。


そしてクリスマスが終わり、ウォリーは製材所に運ばれたのである。


製材所から出てきたウォリーは椅子やテーブルになっていた。


それをジェントルマンの使いの者たちがトラックへ載せて運んで行った。


行先は色々な福祉施設だったり公園やバス停だったりと、


様々な場所に寄付されたのだった。



カナダの森で声を掛けられるモミの木は、数年で倒れてしまう運命のモミの木だった。


ジェントルマンはその事を知っていたのだ。


そして最後に華を捧げたのである。


ウォリーの第二の生命が与えられた瞬間だった。





今度のクリスマスはこのモミの木に会いに来よう・・・


全世界の人々とRFのモミの木にメリークリスマス!



版画家・君島龍輝 オフィシャルブログ☆たっちゃんの今日は何食べる?☆-クリスマス2

プルルループルルルー 電話機のベルがなった。


「国際電話か?」私はゆっくり受話器をとった。


「ハロー・・・」「・・・・」「フムフム・・・」


相手は女性である、少し強引だ。


「だからーカツ丼二人前て、うちは出前やってませんから!そもそも食堂じゃないの!

クリスマスイブにカツ丼頼むなよ、まったく、もー」



クリスマス?こんなものだろう・・・龍