寿司は美味し
寿司といううものは何故に美味いのだろうか。日本だけでなく海外でも評判になるのは解るような気がする。私がニューヨークで行きつけの寿司屋も外人でいっぱいである(私が外人だった)しかし回転寿司まで人気になるとは思いの他だった。
そういえば地元の栃木に始めて回転寿司屋が出来た時を思い出す。
当時は町内の寿司屋かホテルの寿司コーナーしか無く、それでも気張って通ったものだった。
そして噂には聞いていた「回転ロボット寿司?」なるものが、隣町に出来たことを・・・
私は友人に連れられ、そこに訪れたのは開店2年目のことだった。
ドキドキしながらカウンターに座った。
いよいよだ!ロボット寿司デビューまで。
客は私の他に連れ一人、カップル二人、そしてオヤジの計五名。
サー戦いの準備はできた。
私の位置は流れゆくコンベヤーの最後尾、位置的には不利と思われる。
レディーゴー!先頭はマグロの握り3皿。あっけなく取られてしまった。
私は小さく舌打ちをして「マグロは食べ飽きてるからなー」と箸を握りしめた。
次は解らないが白身魚、やはり3皿・・・取られてしまった。
いったい何の魚だったか30年たった今もわからない。
私は無料だというガリを食べた。
ふとライバル達を見まわすと、何か食べてる。
不思議だ!しかも敵(客)が増えている。
これはいかんと思った瞬間、私の前に寿司皿がやって来た。
時間にして2,3分だったそうだが、私には1週間から10日間は過ぎていると感じた。
「オーッといかん、いかん」感傷に浸ってる時間は無い。
深呼吸をして皿を取ろうとした瞬間!
イクラ?らしき皿がトンネルに吸い込まれてしまった。
撃沈・・・
私はまだガリしか食べていない。
他の目が気になる。
「きっとあの人始めてよ」とか「いいや寿司自体知らないんじゃない」とか「人間じゃ無かったりして」とか
私の頭の中にはめぐるめぐる罵倒のフレーズが鳴りやまない。
私は地元では食通と言われたこともある。
お前ら本当の寿司の食い方見せてやる。
私は目の前の華麗に流れゆく寿司皿のマグロの握りを手でつかみ、ほおばった。
その時カウンターの中から「お客さん直接食べるの、それだけは止めて下さい」と低い声で言われた。
初めて食べた回転寿司屋で怒られた。
恐るべし回転ロボット寿司・・・
絵・文 君島龍輝
