いけるのんと違うかいナアと思うたりしたんです。

せんに買い求めた『ウインストン・フィルター』なんですけど、喉の調子もだいぶ回復してきて、最後の一本で、「やっぱしこれは、オリエント混ざっとう」と結論付けましたのや。

ということは、若干もの足りんところがあるにせよ、『ウインストン・フィルター』『キャメル・フィルター』の名代にできるちゅうことでな、探索の旅を打ち切ってもだんないワケや。

けど、もしかするともしかして、もっと近い銘柄があるかもしれんちゅう考えが棄てきれんと、半ばあかんやろとは思いつつ、ついついこんな銘柄を手回してきてしまいましたのや。

実装者流-ボンジュール
『ボンジュール・チャコールライト』

インドネシア製。キングサイズ二十本入り、四百円。

T8mg、N0.6mgちゅうスペックです。

煙草専門店屋さんのホームぺいしでは、『マイルドな味わい。しっかり喫味。オリエント葉、バージニア葉入り』などと、淡々と紹介されておりましてナ。

ただ、『オリエント葉』と書かれていることだけを頼りに買ってきましたのです。

残念ながら、ラム酒漬け煙草ではなかったんですけど、チャコールフィルターで薄められとうものの、かなりオリエントの金属表面味がおまっせ。

「このおっさん、ターキッシュオリエントじゃの、カズベック・オーバルじゃのちゅうて騒いでるし、いっぺん試してみたいけど、どうもこの、両切りちゅうのがいかついさかいどんならん」と思うてらっさる御仁は、いっぺんこのボジュテキ試してみはったどないでっしゃろな。

こういう喫味の銘柄は、ありそうでないさかいね。

とにかく安いのがええわナ。

喉のほうがまだ本調子やないねんけど、ぼちぼち『ピーターソン・アイリッシュウイスキー』の感想を書いとかんとあかん思いましてナ。

中身はこんな感じですわ。

実装者流-ピーターソン・アイリッシュウイスキーなかみ

これがまたね、醗酵したキャラメル(そんなん見たことないけど)のような、とんでもない甘ったるいカザがしますわ。

なんじゃこれ思いました。

なあんし、ウイスキーのカザがもわんとしてくるやろ思うて、臍下丹田に力を入れて、ふんむと構えてたところへさして、信じられんような甘ったるいカザがきたもんでやっさかい、そのまま後ろへしっくり返ってまいましたのや。

ところが、実際にしを点けてみますとナ、醗酵キャラメルの甘ったるさはほとんど感じません。しを点けて一回目に吸入したおりだけ、僅かにするだけで、あとはどこへ隠れたんかさっぱり分からんようになります。
煙は、そらああんた独特のカザですけど、喫味はものすごう統一性が取れてましてナ、表現が難しいけど実に整った味でナ、まるでシガレット並みの味のバランスなんです。

煙草専門店やさんのホームぺいしなどを読むと、『オレンジヴァージニアにタイのバーレーをメインに、火力乾燥した少量のケンタッキー。味付けにアイリッシュウイスキーが使われてまーす』なんぞと書いてあります。

実はここだけの話でっけどね。実はワタイ、どうも着香着味モンは苦手ですねん。

値段の安いヤツしか吸うたことないさかいそんなことになると思いますねんけどね。

値段の安い着香モンは、最初のほうこそちゃんとテイマの味がしますけど、中盤を過ぎると、苦味と辛味、それに加えてヴァジピリしかせんようになるんで敵いまへんのや。

その点、このアイリッシュウイテキは、最初から最後までおんなじ味や。

残念ながら、『メローブリーズ』みたいに、『チュッチュ吸うたびにお酒のエキスがしゅみ出してきて、吸い終わったあとは、あんじょうほんのりした、ええこんころもちになっとう』というわけやおまへんけど、それはこのアイリッシュウイテキが目指す世界ではないでナ。ウイスキーはあくまでも味付けの材料なんですナ。

これはなかなかの逸品やと思いまっせ。

『温故知新』シリーズなんぞを始めたんかっちゅうとこに、原点復帰せなあかんやろ思うワケや。

残念ながら、せんのしがし日本大震災をきっかけに、わが国では廃止銘柄となってしもた『キャメル・フィルター』を比国から送ってもろてからに、その美味さに感動してからに、「こら残念や。よう似た銘柄ないかいなぁ」と探し始めたんがきっかけやったワケやね。

それがなんで、『いかついアメリカンブレンド、ぶらり再発見の旅』になってもたんやろか。

ワイの場合、ちょいちょいあんねんこんなこと。

一本芯が通ってないちゅうのか、目標がブレまくるちゅうのかナ。

どんなりまへんわ。

ほんならまあ、キャメルフィルテキに近い煙草、続けて探してみよかちゅうことになりましてナ。

条件はこんな感じになる思います。

1.葉っぱがラム酒でしめてあって、開封した瞬間ラム酒のカザがむわんとして、そいだけでしゃわわせな気分になる。

2.フィルターに活性炭なぞ入っとらんさかい、よくゆやあ荒々しい、悪くゆやあげしんな吸い心地。

3.ターキッシュオリエントがブレンドされていて、ええ味だしとう。具体的にゆうと、『金属の表面をペロンチョとねぶったおりのような、しんやりした酸味』がある。


JTが誇る名品、『ハイライト』『ショートホープ』は、1と2の条件は充たすけれども、3についてはからきしダメなワケや。

「縞柄がボヤケてる!」「裏の模様がおもろない!」「紋が違う!」

ちゅやっちゃ。

「なんやねんそれ?」

別に深い意味おまへん。

たまたま『壷算』のフレーズ思い出してもたさかい。

で、買うてきたのがこれなんです。

実装者流-ウインストン

『ウインストン・フィルター』

キングサイズ二十本入り。四百円。

T12mg、N0.8mgちゅうスペックです。

比国よりきたる不健康使節団の中に、これの軽いのがいてましてな。ラム酒漬けであったのを思い出して買うてみたわけです。

たしかに、1と2は余裕でクリアしてますわ。

けど、ターキッシュオリエント混入の件についてはなんともいえまへん。

入ってるといわれたら入ってるような気もするし、入ってないといわれたら入ってないような気もします。

どうでもよろしけど、とにかく、このテキはかなり野蛮な味でナ。

せんど、夜中咳が止まらんようになったんは、このテキのせいなんですわ。

とにかく、喉の調子が悪うて、煙草の味がよう分からんのですわ。

調子ようなったら、もっかい買いなおして、味の確認しなおしせんならんやろね。

「本日、こうしてまかりこした次第にございます」

「分かった。礼金はポチも入れて四分一朱じゃ。全額前払いで頼む」

「……。四分って、一両のことなのだかな。腕は立つが妙なお侍だ。なんでも、支那のほうから渡ってこられたということじゃによって……」

「実装屋。何をブツブツとひとりごとを申しておる」

「いえいえ。なんでもございません。それではえー。このとおり、二分銀が二枚と一朱でございます」

「タスポを見せい」

「先生は自動販売機でございますか? 先生と手前どもの仲、野暮なことは無用に願いたいものでございますな」

「入魂(じっこん)の間柄とはいえ、成人確認を怠ってよいという法はない。それがし、曲がったことは大嫌いだ」

「千代田卜斎の如きでいらっしゃいますな」

「戯れを申すでないわ。タスポを持たぬなら、ほれ、レジのタッチスクリーン。そこに表示されている成人確認ボタンを押せ」

「ポチッとナ。これでよろしゅうございますか?」

「ふっ。実装屋。そちも因果な性分よのう。喉の調子が悪いときぐらい、おとなしゅうしておればよいものを。
 しかし、このようなおりだけではなく、常雇いにしてもらいたいが、こればかりはおぬしの嗜好の問題だからな。そこまで無理を言うこともできぬ。とにかくそれがしに任せておけ」

「よろしくお頼み申しましたぞ。中南海先生」


という次第で、日曜の三時ごろ、突然小用を催して目覚め、ついでにシガレットを一本吸い付けたあと、咳が止まらんようになってしまいましたのや。

咳が止まらんちゅうのは、かなり辛いモンです。

体力を消耗し切って、あんじょうヘロヘロの、ヘンナヘナの、ぴてかんの、ほげたらになってまいますからナ。

こら、タール十ミリを超えるようなキツイやつ吸うとう場合やないと。

もう、死んでまうと。

こうなったら、あのセンセに出馬願うよりないと。

こゆことになったんです。

実装者流-中南海3

『中南海スーパーライト』

中国製。キングサイズ二十本入り。四百十円。

T3mg、N0.3mgです。

この中南海シリーズは、しらんうちに、ワタイの中で、風邪をしきこんで喉や鼻の調子が悪いおり、決まって買うてこんならん銘柄になってしまいましてナ。

勘違いせんといていただきたいんですが、決して喉にええわけやおまへし、ましてや喉の痛みが治まる薬効があるわけでもないです。

けど、混入してるハーブのおかげで、普通の銘柄とは一味違う、まろやかな喫味になっとうワケやね。

実際に、普通の調子のおりでも美味い煙草には違いないんですけど、喫煙極道が好んで吸うてよろしい銘柄でもないでナ。

ところで、中南海シリーズは普通のが四百十円で、メンソールが四百円という、不思議な価格設定になっとうです。

いまだによう分からん。
パイプ煙草には、大きく分けて、着香着味モンと、煙草葉そのものの味で勝負するイングリッシュモンがおますわナ。

ほんで、着香着味モンの確たる一ジャンルを形成するものとして、酒漬け煙草ちゅうのがおまんの。

これこそあんた、アダルトでアーバンな都会の大人向け煙草といえまっせ。

パイプを始めてすぐくらいに、ワイン漬けの『メローブリーズ』ちゅうのを試してみたんです。

見た目はなんやずず黒いし、妙なカザがするしで、吸う前は大丈夫かいなと思いましてんけど、吸うてみると、ワインをびたーっと浸した割り箸を口に含んでチューチュー吸うてるような感じでね。存外に美味しいなあ思いまして、機会があれば別の酒漬け煙草吸うてみよと企んでましたのや。

で、これなんです。

実装者流-ピーターソン・アイリッシュウイスキー

『ピーターソン・アイリッシュウイスキー』

「おい!」

アイルランド製。五十グラム入り、千七百五十円。

「おいこら!」

酒漬け煙草とゆやあ、メジャーなところで『ボルクムリーフ』なんでっけど、なあんしあんた、ワタイの場合、普段付き合うてんのが、ラットレーにコーネルディールにGLピースでやっしゃろ。ま。くちはばったいようやけど。

せやけえ、いまさら『ボルクムリーフ』なんぞあほらしてあんた。

「おいこらちゅうてんねん!」

なんでんねん、さいぜんから。ひとが機嫌よう、あたらし煙草の紹介してんのに、横ちょからチャチャいれてからに。

「まさにそれやがな。なにを機嫌よう、あたらし煙草の紹介してんねんちゅことをたんねたいのや、こっちは」

そらあんた、せんだって『ダンシル・コケコッコ』を完喫してもてね、あとがまをこのアイリッシュウイテキにしたさかい、紹介しとこ思うて。

「なんかしてんねんコイツ。ラットレーとGLピースはどないなっとんねん。せっかく買うといて開けへんのかいな」

あたりまえでやんがあんた。

あっ。もしかしてワタイがラットレーとGLピースを吸うつもりで買うてきたと勘違いしてなさるな。

そりゃおおけなまちごいや。

基本的に、ときおり手にとってニタニタするために買うてきたんでやっさかいね。

ま、なんぞごとがあれば開缶しまっけど。

今年中に開けられるかは微妙なとこですわ。

ほら見てみなはれ。

あんたが横ちょからチャチャ入れるさかい、もうこんな時間やデ。

アイリッシュウイテキの中身のご紹介は、また今度ちゅうことにさしてもらいまっせ。

なんし、風邪しいて、煙草の味がちゃんと分からんようになってもとうさかいね。

こんなおりに感想を述べたって意味おまへんやろ。