ここにもまた”ジョーカー”が一人、『ドッグマン』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ドッグマン』

【評価】☆☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】リュック・ベッソン

【主演】ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ

 

 

【あらすじ】

 血まみれでトラックを運転していた女装の男が逮捕される。男は取調室で精神科医の聴取を受け、そこで自らの過去を語り始めた。

 

 

【感想】

 完全に旬を過ぎていると思っていた監督のリュック・ベッソン。この映画も、俗なアクション映画なのかと勝手にイメージしていた。しかし映画は、社会の底辺で暮らす一人の男の静かな叫び声を聴かせ、アクションはおまけで程度のものだった。主人公の淡々とした語り口に、ただただ聞き入ってしまう。なぜ女装しているのか、なぜ多くの犬と暮らしているのか、その理由が進行と共に明らかになっていく。ギリギリの状態で生きる人の僅かばかりの矜持が哀しく響く。