ツキを味方に、『パトリオット・デイ』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『パトリオット・デイ

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ピーター・バーグ

【主演】マーク・ウォールバーグ

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 2013年4月15日、ボストンマラソンが開催され、刑事のトミーはゴール付近の警備に駆り出されていた。ランナーたちが次々とゴールする中、トミーの近くで2回の爆発が発生し現場は大混乱に陥る。

 

 

【感想】

 タイトルからアメリカ万歳、といった一方通行の映画を予想していた。アメリカの捜査能力の高さを礼賛し、勇敢な警察や市民を称える内容。美談に美談が重ねられていたら、ちょっと暑苦しいかもと考えていた。しかし実際の映画は、スピードと緊迫感に溢れ、娯楽性を十分兼ね備えていた。マーク・ウォールバーグの演じる刑事が一応主人公になっているが、群像劇の要素が強く、「ユナイテッド93」を思わせる作りだった。

 

 

 映画は、事件当日の朝から犯人逮捕に至るまでの過程を追っている。犯人の映像が公開される中盤以降は、スピード感が増し、銃撃戦でのリアリティーはなかなか。警察の捜査能力の高さを示しているというよりは、自滅していく犯人たちの姿が印象的だった。そして爆弾が簡単に作られ、その威力の高さを見せつける。爆弾に魅入られる人は結構多いのかも。

 

 

 また端役で登場する俳優も健闘していた。ベンツに乗る中国人はかなりクオリティが高く、リアルを追及したキャスティングといえそう。それと取調での女同士のバトルもいいシーンだった。銃を撃ち合わなくても、激しい戦闘シーンが生まれていた。ハードボイルドは、男だけの世界ではないのかもしれない。