負の感情も大切、『怪物はささやく』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『怪物はささやく

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ファン・アントニオ・バヨナ

【主演】ルイス・マクドゥーガル

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 母親と二人で暮らしていたコナーだが、母親は末期のガンで様々な薬を試していた。そしてコナーは毎晩同じ悪夢を見ていたが、ある夜、怪物が目の前に姿を現し「お前の真実の物語を語れ」と迫ってくる。

 

 

【感想】

 「パンズ・ラビリンス」は好きな映画で、グロテスクさを含む空想の世界と現実がきれいに混ざり合っていた。ダーク・ファンタジーを舐めていたところもあって、まさかのラストにしびれてしまった。こういう驚きは貴重。スペイン内戦を背景にして、現実のグロテスクさをありありと見せている。さらに化け物たちのデザインも秀逸で、おどろおどろしい雰囲気に浸ることができた。

 

 

 この映画もジャンルはダーク・ファンタジー。監督はスペイン人で、宣伝文句には「パンズ・ラビリンス」のスタッフが参加といった言葉があった。主人公は空想癖のある13歳の少年で、末期ガンの母親と暮らしている。その少年の前に、墓地の巨木が変身した怪物が現れる。少年は怪物に母親を救ってくれと訴え掛けた。

 

 

 母親と息子のストレートな物語になっていた。感動的な話しに成らざるをえないといった感じで、泣かせることを目的に展開していく。意外性は少なく、落ち着くべき場所に落ち着いていった。ちょっとナイーブ過ぎた気もした。ただ主人公を演じる子役のレベルは高い。よく次から次へと天才子役が出てくるものだと思う。子役が堂々と映画を引っ張っていた。