奈落へ向かって欲望全開、『ゴールド 金塊の行方』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ゴールド 金塊の行方

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】スティーヴン・ギャガン

【主演】マシュー・マコノヒー

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 1980年代後半、鉱山会社を経営するケニーは破産寸前の状況に陥っていた。そしてケニーが最後の勝負に選んだのは、インドネシアで金鉱を探索していた地質学者マイケルだった。二人は、インドネシアのジャングルで金の採掘を開始する。

 

 

【感想】

 一獲千金を夢見る男のストーリー。映画でラスベガスのギャンブラーや、ウォール街のディーラーといった人種が主人公となり、血沸き肉躍る戦いを披露するが、この映画の主人公は金鉱の発見に全てを賭けようとする。ギャンブラーやディーラーの生き様もドラマチックだが、鉱脈を探す山師となると、泥や汗の臭いが加わりマッチョ感が増す。男性ホルモンが湧き上がる映画だった。

 

 

 主人公は、祖父の代から鉱山ビジネスに携わってきた男。資金を集められず瀬戸際に追い込まれ、酒浸りの日々を送っている。そんな男がなけなしの金を集めて勝負に出る。勝つか負けるか、大金を手にできるか破産するか。追い込まれた博徒は負けるのが常とされているが、例外は必ずあるようで、まさかまさかの大逆転が現実になったりする。この映画のストーリーは、実際にあった事件をモデルにしている。

 

 

 極端から極端へ振れる展開は、娯楽映画の王道を行っているようだった。主人公の明け透けで、薄っぺらなところも清々しい。演じているのはマシュー・マコノヒー。ハゲ、デブ、下品といった役柄を楽し気に演じていた。ハチャメチャ度は「ウルフ・オブ・ウォール」をちょっと思い出せてくれる。ビックデータや確率といったものが重視される時代、無謀な賭けに出る男の姿が輝いて見える。