夢と現実の境目で旅する、『ひるね姫』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ひるね姫

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】神山健治

【声】高畑充希

【製作年】2017年

 

 

【あらすじ】

 2020年、岡山で父親と暮らす高校生のココネは、不思議な夢を見つづけていた。やがて夢と現実世界がリンクするようになり、ココネと父親は思いも掛けない事件に巻き込まれていく。

 

 

【感想】

 どことなく「君の名は。」に似ていたアニメ映画。絵の雰囲気や、夢と現実が混ざり合うストーリーが、似ているように思えたのかも。ただ「君の名は。」が勢いよく疾走する感じだったのに対し、この「ひるね姫」はゆったりとした気持ちで散歩している感じがした。中心となる舞台が東京か、それとも瀬戸内海を臨む岡山か、といった違いなのかもしれない。

 

 

 物語は、主人公が毎晩見ていた夢が現実世界に繋がり、気付けば大きなトラブルに巻き込まれていたというもの。キャラクターが魅力的で、浮遊感のある映像も心地よかった。ここのところアニメ映画の快進撃が続いていうようで、もしかすると日本のアニメ映画の黄金時代が到来したのかもしれない。夢や未来、ロボットや動物が登場し、フワフワとした不思議な世界を作り上げていきそう。

 

 

 この映画も柔らかく、きれいな着地を見せていた。方言の可愛らしさもあり、呉に続いて倉敷あたりにも行ってみたくなる。主人公ココネの声を担当していた高畑充希も上手く、エンディングテーマ“デイ・ドリーム・ビリーバー”もきちんと歌いこなしていた。いい俳優はメロディーに乗った言葉にも、情感を込めることができるのだろう。しばらく耳に残る歌声だった。