寛容の心を忘れなければ問題なし、『アサシン クリード』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『アサシン クリード

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ジャスティン・カーゼル

【主演】マイケル・ファスベンダー

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 死刑囚のリンチは、目が覚めると見知らぬ研究所のベッドの上にいた。その研究所では、遺伝子の記憶をさかのぼり過去の世界を体験できる装置が開発されていた。そしてリンチは祖先のいた15世紀のスペインへと意識を送られ、禁断の果実の隠し場所を探すように依頼される。

 

 

【感想】

 ゲームが原作の映画。そのせいか、かなり難しいストーリーに挑むことになっていた。この映画の重要なキーワードが禁断の果実。アダムとイブが食べた果実が実在し、その果実には人間の自由意思を操る秘密が隠されている、という設定。しかも意識を過去へ送るという装置が登場し、「マトリックス」に倣ったようなバーチャルな世界が展開する。メインとなる舞台は、15世紀末のスペイン・アンダルシア地方。

 

 

 アクション多めの「ダ・ヴィンチ・コード」と思えばいいのかもしれない。ただこの映画では、直接当時の世界に乗り込んでしまう。主人公は、禁断の果実を守るアサシン教団の一員。そして果実を奪い、民衆を支配しようとするのがテンプル騎士団。このタイプの映画では珍しく、キリスト教側が悪で、イスラム教側が善だった。果実を巡り、アメリカンフットボールのような攻防戦が繰り広げられる。

 

 

かなり無理筋なストーリーを追っているように思えたが、意外にも映画は緊張感を維持し続けていた。光っていたのがアクションシーン。CGを多用しながらも、追跡劇は肉体を駆使したアナログな戦いだった。建物をなぜか上へ上へと逃げていき、華麗な身のこなしを次々と披露する。それと本格派といいたくなるキャスト陣が、映画にリアルを与えていた。演じる人が演じると、嘘が嘘に見えなくなるから不思議。