後悔は決して先に立たない、『マン・ダウン 戦士の約束』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『マン・ダウン 戦士の約束

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ディート・モンティエル

【主演】ジェイク・ギレンホール

【製作年】2015年

 

 

【あらすじ】

 海兵隊に入隊したガブリエルは、幼馴染のデビンと共にアフガニスタンに赴任する。愛する妻と息子を想い、過酷な任務に耐えるガブリエル。息子とは“マン・ダウン”という合言葉を使い、愛しているという意思表示をしていた。そしてガブリエルとデビンは、巡回中に激しい戦闘に巻き込まれる。

 

 

【感想】

 忍耐力を試されるような映画だった。映画にはいくつかの時間軸があり、どういう関係なのかなかなか掴めなかった。分かりやすい軸は、親友と一緒に海兵隊の訓練所に入り、やがてアフガニスタンに派遣されるというものでとてもシンプル。そしてやや退屈を覚えるのが、上官と面談するシーン。無表情に淡々と過去の出来事が語られる。更に不可解な軸が、人気のない街で親友と共に息子を探すシーン。シュールな中にも、切羽詰まった焦燥感が溢れていた。

 

 

 大きく3つの時間軸が並行して進んでいった。戦争アクションを期待していくと、肩透かしを食うと思う。迫力ある戦闘シーンはあったものの、ほぼ1シーンで終わってしまう。そして無人の街で繰り広げられるシーンが、戸惑いを誘う。空想の世界なのか、死後の世界なのか、はたまた現実の世界なのか。現実と虚構が漫然と続くので、寝不足気味で観ていたら途中で眠っていたと思う。

 

 

 映画が、大きく動き出すのは最後の最後。マラソンに例えれば40キロを過ぎたあたりから。それまで漫然と並べられていたエピソードが、一気につながり始める。それは爽快というよりかは、どうしようもなく哀しい繋がり方だった。戦争をエンターテイメントにしていない映画だった。人間の弱さと、最後に頼る希望を見せていた気がする。