もうちょっと冒険しないと、『本能寺ホテル』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『本能寺ホテル

【評価】☆☆(☆5つが最高)

【監督】鈴木雅之

【主演】綾瀬はるか

【製作年】2017年

 

 

【あらすじ】

 やりたいことが見つからず、ただ流されるままに生きてきた繭子は、婚約者の親に会うため京都へやって来た。しかし予約していたホテルは手違いから泊まれず、急遽ホテル探す羽目に。そして繭子が見つけたのは“本能寺ホテル”という一風変わったホテルだった。

 

 

【感想】

 フジテレビの不調を聞くことが多い。視聴率が上がらないとか、業績で他局に差をつけられているとか。この映画では、製作の筆頭にフジテレビの名前が挙がっていた。さすがにテレビの不調と映画は関係ないのかと思っていたが、ひょっとすると繋がっているのかもしれない。映画を観終わっての感想は「ウーン」というものだった。フジテレビはどうしたんだろう。ツキに見放されているだけならいいんだろうけど。

 

 

 ストーリーはタイムスリップもの。主人公が古ぼけたホテルのエレベーターに乗ると、なぜか本能寺の変の前日にたどり着いてしまう。そして目の前には織田信長が。タイトルにはちょっと惹かれた。また現代と過去をどう繋げるのか、ちょっと注目していた。タイムスリップものは、捻りや仕掛けが楽しみになる。ただ思い付きだけでは息切れしてしまうので、難易度はかなり高いと思う。

 

 

 映画は、笑いを塗しながらラストに感動を用意する、というエンターテイメント作品の王道を行こうとしていた。志としては悪くはないが、物語がうねることがなかった。さざ波を利用してサーフィンをしている感じで、迫力に欠ける。よくこの企画が通ったと少し不思議な気もした。単に綾瀬はるかを消費していたような薄い作り。冒険や挑戦、斬新さや大胆さはどこへ行ったのか。安全運転に終始する映画は眠気を誘う。