金庫破りにはロマンがあるけれど、『ダーティー・コップ』 | 平平凡凡映画評

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映画を観ての感想です。

【タイトル】『ダーティー・コップ

【評価】☆☆(☆5つが最高)

【監督】アレックス&ベン・ブリューワー

【主演】ニコラス・ケイジ、イライジャ・ウッド

【製作年】2016年

 

 

【あらすじ】

 警察官のストーンとウォーターズは、安い給料と退屈な仕事に飽き飽きしていた。ある日ストーンは、やたらと金回りのいい犯罪者がいることに気付き、部下のウォーターズを誘い独自の捜査を開始した。やがて二人は、ラスベガスのカジノから不可解なものが運び込まれる家を見つける。

 

 

【感想】

 ニコラス・ケイジとイライジャ・ウッドが、汚れた警官に扮するクライム・サスペンス。前半は、主人公たちのモラルの低さや、退屈な仕事ぶりを映し出す。ひとたび仕事がつまらないと感じてしまうと、なかなか元には戻れないのだろう。二人の警官が一線を越えて、怪しげな組織の金を奪い取ろうと画策する。

 

 

 堕落した警官を、ニコラス・ケイジは楽しんで演じているようだった。周囲の声などお構いなしに、我が道を突き進んでいる感じ。ニコラス・ケイジくらいのキャリアになると、きっと誰も何も言えないのだろう。放し飼いの状態のニコラス・ケイジ。相手役のイライジャ・ウッドが、懸命にとりなしているようにも見え、ふと爆笑問題の姿と重なったりもした。

 

 

 後半は、見せ場となる金庫破りに突入する。奇想天外なアイデアや、アッと驚く結末をどうしても期待したくなる。それなりの緊張感は作り出していたと思うが、爽快感や気持ちのいい裏切られ方はしなかった。最後まで付き合って、その結末だとちょっと物足りない。消化不良にも似た、落ち着きの悪さが残った。