壮年も老いやすい、『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ビル・コンドン

【主演】イアン・マッケラン

【製作年】2015年


【あらすじ】

 第二次世界大戦後、93歳となった名探偵ホームズは、ミツバチを育てながら田舎で引退生活を送っていた。だがホームズも老いには抗えず、30年前に依頼された最後の事件について、記憶が欠落していることに気が付く。必死に事件を思い出そうとするホームズに、家政婦の息子の少年が手を差し伸べてくれる。


【感想】

 ベネディクト・カンバーバッチ主演のドラマがヒットしたり、ガイ・リッチーの監督した映画がヒットしたりと、シャーロック・ホームズのブームが着実に到来している。この映画もその流れに乗った作品と言えそう。主人公は何と引退し93歳となったホームズ。凄いアイデアを捻り出してきた。


 ストーリーは、ホームズが依頼された最後の事件を、93歳のホームズが少しずつ思い出していくというもの。引退を決めた事件で、重要な意味があったはずなのに、事件の全容がどうしても思い出せない。焦り苦しむホームズ。10歳の少年と語りながら、事件の欠片を拾い集めていく。


 ミステリーとしてはちょっと弱含みの内容、その部分に期待していくと満足感は得られないかも。またよくあるトンデモ日本が登場してきて、目を覆いたくもなる。日本のシーンは、全てカットしても良かったと思う。それでも、老いに焦点を当てた映画として優れていた。主演のイアン・マッケランに負うところが大きかったが、誰にも避けられない老いを正面から見せていた。少年との対比もなかなか。長寿も楽ではなさそう。