「キック・アス」にはなれなかった、『エージェント・ウルトラ』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『エージェント・ウルトラ

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ニマ・ヌリザデ

【主演】ジェシー・アイゼンバーグ

【製作年】2015年


【あらすじ】

 片田舎のコンビニで働くマイクは、ドラッグとマンガを描くことを生き甲斐にしていた。そして同棲しているフィービーに意を決してプロポーズしようとするが、ついついタイミングを逸してしまった。そんな時、不審な客がコンビニに現れ、マイクの人生を大きく変えていく。


【感想】

 映画を引っ張るのは、ジェシー・アイゼンバーグとクリステン・スチュワートという旬の二人。特にジェシー・アイゼンバーグの色を強く打ち出す映画になっていた。役柄は、CIの実験プログラムで超人的なエージェントンに作り変えられ、その後記憶を抹消された青年というもの。サスペンスとアクションを取り入れたコメディー。


 薬物で人格を作り変える、というストーリーで面白かったのはブラッドリー・クーパーが主演していた「リミットレス」。薬を服用するだけで能力がアップするとなると、社会はどう変わっていくのかちょっと気に掛かる。物質ひとつで能力や性格が変わるなら、個性や意識といったものの価値も大きく変わりそう。


 この「エージェント・ウルトラ」は、B級テイストで押していく。多弁なジェシー・アイゼンバーグが軽いノリを披露し、分かりやすさで勝負していた。マッチョなアメリカではなく、ちょっとオタクなアメリカを見せているようでもあった。ただ全編、ぬるめのペースで動いていくので、すぐに内容を忘れてしまいそう。タイトルも凡庸だし。肩の力を抜きに抜いて観るのがいいのかも。