黒に抗うのはなかなか難しい、『ブラック・スキャンダル』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ブラック・スキャンダル

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】スコット・クーパー

【主演】ジョニー・デップ

【製作年】2015年


【あらすじ】

 1970年代、サウスボストンの小さな犯罪組織を率いていたジェームズ・バルジャーは、仲間意識を強く持つ反面、裏切りを絶対に許さない冷酷さも合わせ持っていた。そしてある日、幼馴染みでFBI捜査官であるジョン・コノリーから、思いもしない話しを持ち掛けられる。


【感想】

 実話を基にした映画。ジョニー・デップが演じているのは、ボストンを牛耳っていた犯罪組織のボス。1970年代の後半から90年代にかけて、ボストンの裏社会を仕切っていたとか。そして指名手配され、逮捕されたのがつい最近の2011年。年齢は80歳を過ぎていた。ウィキペディアに載っている写真を見ると、その眼光の鋭さに驚かされる。


 映画を観ていて強く感じたのはアナログ感。ファッションやセットで当時の雰囲気を醸し出していたが、今と一番大きく違っていたのはインターネットの存在だったのかも。インターネットの無い世界は、人間臭さがダイレクトに伝わってくる。感情と野暮ったさが、幅を効かせているようだった。改めてインターネットが、世界をガラリと変えたことに気付かされる。


 主演のジョニー・デップは、冷酷なハゲ親父になり切っていた。ハゲっぷりが話題になっていたが、薄気味の悪さを感じさせる演技はさすが。ただ良くも悪くも、ちょっとやり過ぎたような気もした。コミカルにしても、シリアスにしても振り切ってしまうのが、今のジョニー・デップなのかも。