続けるのは難しそう、『イット・フォローズ』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『イット・フォローズ

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】デヴィッド・ロバート・ミッチェル

【主演】マイカ・モンロー

【製作年】2014年


【あらすじ】

 女子大生のジェイは、最近知り合ったボーイフレンドと関係を持つ。するとボーイフレンドの態度が豹変、ジェイに意味不明な言葉を残して立ち去っていった。その後、ジェイには自分の後を追ってくる不気味な人間の姿が見えるようになり、何度も振り切ろうとするが“それ”はすぐにまた現れる。


【感想】

 若々しいアメリカの映画。アイデアで勝負し、光り輝く何かを見せている。毎年のように登場するベンチャー系のホラー映画。起業家精神は映画界にも息づいている。低予算ながら、センスの良さと基礎能力の高さを示し、アメリカの映画界の勢いと懐の深さをヒシヒシと感じさせてくれる。アメリカ映画の凄さは「スター・ウォーズ」だけではないようだ。


 この映画のアイデアは、セックスをすると“それ”が付いてくるというもの。“それ”とは人間の姿をした“死”のようなもの。ホラー映画においてセックスはなかなか危険な行為で、最中もしくは直後に惨殺されることが多い。「13日の金曜日」のイメージのせいかもしれないが、この映画ではそれを上手く利用していた。


 ただ残念なのは、ホラー映画の割にはあまり怖くはなかったこと。若者たちが右往左往し、人気のない場所に逃げていくというホラーの定跡を見せていたが、息の詰まる感覚は味わえなかった。それでも緊迫感の作り方や、出演者の演技力に問題はなかった。そしてツッコミどころが多く、それが愛嬌になっていた。きっと仲間うちで観ると、大いに盛り上がると思う。