なかなかの社会派、『モンスターズ/新種襲来』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『モンスターズ/新種襲来

【評価】☆☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】トム・グリーン

【主演】サム・キーリー

【製作年】2014年


【あらすじ】

 巨大化する地球外生命体が数を増やし、中東にも生息するようになった。アメリカ軍に所属するマイケルは、仲間と共に中東に送られ地球外生命体の撃退を命じられる。だがアメリカ軍の空爆により地元民の被害が拡大したため、武装勢力の脅威が増していた。やがてマイケルたちは、武装勢力からの攻撃に晒されるようになる。


【感想】

 前作では、帰還した宇宙船に付着した地球外生命体がメキシコで個体数を増やし、メキシコが危険地域に指定されるという設定だった。ストーリーは、男女二人がメキシコを抜けアメリカを目指すというもの。低予算の奇抜なサバイバル映画といった感じだったが、センスの良さや安定感を示していたと思う。


 そして今回、舞台を中東の砂漠に移していた。前作との接点はほとんどなく、地球外生命体が出てくるところが同じというだけ。作品の雰囲気もガラリと変わっていたので、同じシリーズとは思えない。しかも地球外生命体が、ほとんど背景といった扱い。メインのストーリーは戦争サバイバル。地球外生命体は、ちょっとしたアクセントとして登場してくる。


 内容はかなり生真面目で直線的。極限状態に陥った人間の姿を映し出そうと、頑張っていた。哲学的な内容だったといえば、監督が喜んでくれるのかもしれない。中東でのアメリカ軍の行動を批判的に捉えているようでもあった。何となく軽めのタイトルなので気楽に観ていられると思ったが、なかなか肩の凝る作品に仕上がっていた。SF映画の趣きはない。