リアルは案外退屈だったりもする、『神様なんかくそくらえ』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『神様なんかくそくらえ

【評価】☆☆(☆5つが最高)

【監督】ジョシュア&ベニー・サフディ

【主演】アリエル・ホームズ

【製作年】2014年


【あらすじ】

 ニューヨークで路上生活を続ける少女ハーリーは、同じ境遇にいるイリアンに夢中でイリアンを振り向かせようと躍起になる。しかしイリアンに疎まれたハーリーは、ドラッグに溺れ突飛な行動に出てしまう。


【感想】

 作品の解説なんかを読むと、ついつい観たくなる内容の映画。ストーリーは、主演を務めたアリエル・ホームズの実体験をベースにしているとのこと。ニューヨークの路上で暮らし、ドラッグや酒に溺れ、物乞いや万引きで生活費を稼ぎだす。タイトルからも、凄まじいくらいのエネルギーを持った映画をイメージしたくなった。


 しかし映画を観始めると、アレレといった感じがしてくる。「トレインスポッティング」や「レクイエム・フォー・ドリーム」といった映画とは、趣きがちょっと違っていた。この映画が目指しているのは、リアリティーの追求だったのかも。激しさや斬新さとは無縁に、淡々として脈絡のない日常が描かれていた。


 路上生活をする若者のファッションや会話などは、リアルに溢れていたと思う。一方、ストーリーや編集での味付けは非常に薄味。音楽でメリハリを付けようとしていたが、効果の方はイマイチ。じっと耐えて観続けるタイプの映画だった。途中で退出してしまう人もいたが、激しさを強く求めると拍子抜けしそう。リアルを綿密に再現するだけでは、面白さやインパクトは生まれないのかもしれない。