監督作品のコレクションはまだまだ増えそう、『映画と恋とウディ・アレン』 | 平平凡凡映画評

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映画を観ての感想です。

【タイトル】『映画と恋とウディ・アレン

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ロバート・B・ウィード

【主演】ウディ・アレン

【製作年】2011年


【あらすじ】

 1935年ブルックリンで生まれたウディ・アレンは、10代の頃に喜劇作家として売り出し、やがてコメディアンとして舞台やテレビで有名となる。その後、俳優や映画監督として不動の地位を手に入れる。しかしウディ・アレンは自分の作る映画に満足できず、傑作と思える映画を何とか生み出したいと、新作を毎年のように撮り続ける。


【感想】

 ウディ・アレンのドキュメンタリー映画。かなりオーソドックスな作りだった。ウディ・アレンがインタビューに答え、役者や業界人といった人々がウディ・アレンを礼賛する。そしてウディ・アレンの過去の映像や、監督した作品の印象的なシーンが次々と登場してきた。普段あまりマスコミの前に現れないウディ・アレンの姿が拝めるので、ファンにとっては貴重な映画だと思う。


 ウディ・アレンは1935年生まれ。今年で77歳になるというから驚き。毎年のように新作映画を公開し続け、作風もどんどん変化している。ちなみに一番好きなのは「ブロードウェイと銃弾」。それと勝手なイメージでは、かなり気分屋で気難しいオジサンだと思っていたが、カメラの前で喋るウディ・アレンは、マイペースで優しげなオジサンに見えた。


 ただ飄々とした見た目とは裏腹に、重たげな悩みを抱え続けながら生きているようでもあった。辛辣なユーモアは世の中と戦う武器となりそうだが、同時に自分自身を激しく傷つけてしまうこともあるのだろう。語られる言葉の端々から、ボヤキや悲哀が滲み、どこか儚く見える瞬間があった。生きるのは嫌だが、死ぬのはもっと嫌だといった感じ。


 そしてこのドキュメンタリーには、ウディ・アレンの映画に出演した役者が数多く登場する。ただ語る内容は礼賛のオンパレード。誰が一番上手にウディ・アレンを褒められるか、競っているようだった。さすがに役者だけあって、みんな褒めるのが上手い。ウディ・アレン本人も不安になるくらいの持ち上げよう。豪華ではあったが、一本のドキュメンタリーとしては普通の出来映えだったと思う。