「未知との遭遇」には及ばず、『ウィッチマウンテン 地図から消された山』 | 平平凡凡映画評

平平凡凡映画評

映画を観ての感想です。

【タイトル】『ウィッチマウンテン 地図から消された山

【評価】☆☆(☆5つが最高)

【監督】アンディ・フィックマン

【主演】ドウェイン・ジョンソン

【製作年】2009年


【あらすじ】

 タクシードライバーのジャックは、奇妙な兄妹を車に乗せた。大金を手にし、目的地には砂漠の真ん中を指定した。やがて二人に襲い掛かる政府関係者が現れる。ジャックは成り行きから二人を守るために戦い、遂には二人の秘密を知らされる。


【感想】

 映画が始まる直前、大きな間違いに気が付いた。チラッと観た予告編から予想していたのは、コテコテのB級アクション。主演がプロレスラーのザ・ロックということもあって、相当に男っぽい内容になると期待していた。ド派手なカーチェイスに、銃弾の雨霰、無慈悲な殺戮も当然あるものだと思っていた。しかしこの映画、製作はディズニーによるものだった。


 予告編の後に、シンデレラ城のシルエットが現れたときにはかなり驚いた。軽めの詐欺に引っ掛かった気分。ちゃんと調べなかった自分が悪いのだが、濃厚で下世話なアクション映画を観たかっただけにガッカリの度合いは高かった。そして実際に映画は、ディズニーの息が強く掛かっていた。


 アクション映画らしく、一通りのアイテムは登場する。カーチェイスに銃、ターミネーター(プレデター)もどきに黒ネクタイの悪い奴ら、更には政府の秘密やUFOまでも揃っている。ただ不思議なことに死体は出てこない。車が激突しても乗っている人間は全員ピンピンしているし、列車の衝突事故でも運転手は生還したらしい。人間や動物を殺してはいけない、という不文律が徹底されていた。


 善意の溢れる健全なアクション映画は、正直言って物足りない。チャーハンとラーメンのセットを食べに行ったのに、出てきたのはチャーハンとライスのセットといった感じ。どう処理していいのかが分からない。ディズニー映画やディズニーランドを否定するつもりはさらさらないが、その感覚をアクション映画に移植するのはどうかと思う。随分とあっさりとして観た気のしない映画になっていた。子供向けだと思えばいいのだろうけど。