新種の妖怪が続々登場、『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』 | 平平凡凡映画評

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映画を観ての感想です。

【タイトル】『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー

【評価】☆☆☆(☆5つが最高)

【監督】ギレルモ・デル・トロ

【主演】ロン・バールマン

【製作年】2008年


【あらすじ】

 魔界で生まれた“ヘルボーイ”は、超常現象調査防衛局に属し人類のために悪魔と戦い続けていた。そして今回、ヘルボーイは魔界の王子と戦うことになる。王子は人類を征服するという野望のため王である父親を殺し、封印されている最強軍団“ゴールデン・アーミー”を解き放とうとしていた。


【感想】

 ストーリーの要約だけをみれば、いたって普通のヒーローもの。「X-MEN」や「ファンタスティック・フォー」と大差はなく、どこかで聞いたような話しでもある。ただ大きく違っているのは、監督であるギレルモ・デル・トロの造形力。登場人物の容貌や衣装、更にはセットの細かい部分にいたるまで、監督のセンスやこだわりが行き届いている。


 ギレルモ・デル・トロの名前を知るようになったのは、映画「パンズ・ラビリンス」を観てから。スペイン内戦を舞台にしながら少女の空想の世界を表した映画で、本来おとぎ話が持っている残酷さをまざまざと見せ付ける内容だった。ストーリーはもちろんのこと、監督の非凡さを示していたのが空想の世界の映像美。美しさとおどろおどろしさが共存し、程よい量の嫌悪感を生じさせる。


 この映画でも、その手腕は存分に発揮されているようだった。魔界の生き物の行き交うシーンは、百鬼夜行を思わせ欧米風の新しい妖怪を目にすることができる。また「ロード・オブ・ザ・リング」や「ハリー・ポッター」にも通じる色合いがあり、単純明快さを売るヒーローものとはちょっと違っていた。