Sun 231008 鹿児島にいます/9月17日、富山へ/夏毛と冬毛のライチョウどん 4438回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Sun 231008 鹿児島にいます/9月17日、富山へ/夏毛と冬毛のライチョウどん 4438回

 いま、鹿児島にいる。昨夜は鹿児島駅前で公開授業だった。お昼過ぎに博多に移動し、夕暮れからは小倉で講演の予定。今年の秋冬シリーズは、早くも佳境に入っている。せっかく大整理を終えた書斎であるが、来月と再来月はゆっくり落ち着いて過ごすチャンスはあまり多くない。

 

 鹿児島は、昨夜8時ごろから強い雨が降り出して、雨は今朝も降り続いている、目の前は桜島であるが、一昨日も昨日も噴煙さえキレイに見えていた桜島は、今朝は分厚い雲の中。墨絵のようにぼんやり、黒々とした巨大な山体の形だけが見えている。

 

 鹿児島は諸君、昨日から大いに燃えている。天皇陛下も皇后陛下もいらっしゃった。噂でしかしらないが、長渕剛どんもいらっしゃってライブ、熱唱を繰り広げたんだそうだ。雨も降り出したせいで、夜の鹿児島駅前にタクシーがほとんどいなくて難儀した。

 

 天皇皇后両陛下は、鹿児島で51年ぶりになる国民体育大会の開会式に列席されたのである。開会式の締めくくりに、航空自衛隊ブルーインパルスまで登場。鹿児島県内の大学生と高校生が多く参加して、開会式は熱く盛り上がった。民放のテレビ生中継もあった。長渕どんの熱唱も国体会場だったそうな。

(9月17日、富山に向かうヒコーキから北アルプス&立山連峰の絶景を満喫する 1)

 

 国民体育大会、略して「国体」、昔の人は旧字体を用いて「國體」、さすがに国体と體ではイメージが違いすぎるが、昭和の時代の国体は今とは比較にならないぐらいのそれこそ国民的大イベントで、どの県が天皇杯を獲得するか、どこの県に皇后杯がわたるか、国民がみんな固唾をのんで見守ったものだった。

 

 21世紀に入ってからは国体にそれほどの盛り上がりが見られなくなり、いったいどこの県でどんな選手がどんな活躍を見せているのか、あまり報道もされなくなった、思わず「へえ、まだ国体ってやってたんだ」とビックリするような人だって少なくないだろう。

 

 しかし鹿児島は違う。いま県民あげて国体を応援している。昨夜はやっとのことでつかまえたタクシーの運転手さんと、駅前から滞在中のホテルまで、ずっと国体開会式の感動を語り合った。60歳ぐらいのオバサマドライバーだったが、独立してしまった息子や娘の思い出とともに、国体の思い出も熱く語り合ったのである。

(9月17日、富山に向かうヒコーキから北アルプス&立山連峰の絶景を満喫する 2)

 

 さて、やっぱり秋冬シリーズについても、きちんと順番を追って書いていきたいから、もう20日も前のことになるが、9月17日の富山での公開授業の話を省略するわけにはいかない。

 

 正直言って「えっ、また富山?」なのである。7月19日だったか20日だったか、ほんの2ヶ月前の酷暑の日にもワタクシは富山にいた。夏シリーズの締めくくりが富山と高知、秋冬シリーズの最初が富山と佐賀、9月17日、ワタクシは羽田空港から秋の全国巡業を開始した。

 

 これもまた正直言って「えっ、富山なのにヒコーキ?」という驚きがあるかもしれない。北陸新幹線の開通以来、東京から富山にいくのにヒコーキを使う人は激減しただろう。富山なら当然のように新幹線であって、スタッフとの待ち合わせも「富山駅前でいいですか?」と問い合わせが来た。

 

 しかしワタクシは、富山まででもヒコーキを優先する。まず、新幹線はあまりに騒然としている。コロナなんかなかったことのように、大声での会話に飲食、コドモが駆け回り、サラリーマン集団が談笑し、談笑の合間合間に北アルプスが震え上がるほどの大きなくしゃみが響き渡る。

 

 セキュリティ系の問題も、しっかり解消されていないような気がするし、何かの弾みで「運転見合わせ」なんてことになれば、滅多なことでは運転再開は望めない。

 

 つい1ケ月前の8月16日から17日にかけて、東海道山陽新幹線があれほどの大混乱に陥ったのに、別段根本的な解決策が検討されている様子は見えない。

(9月17日、富山に向かうヒコーキから北アルプス&立山連峰の絶景を満喫する 3)

 

 そして何と言っても、東京から富山ゆきのヒコーキは、窓から見下ろす眺望が別格に美しい。これは実際に乗ってみないと分からないことだが、どうしても乗ってみたくない人は、まあ一度でいいから飛行ルートを地図で眺めてくれたまえ。

 

 羽田を飛び立ってまもなく、眼下には上信越高原の山並み。長野の盆地を過ぎた後は、北アルプスというか立山連峰というか、冬の晴れた日には峨々たる厳しい冬山の勇姿、夏には深緑のアルプス、秋には真っ赤に色づいた山塊の勇姿、これを見逃す手はないと確信する。

 

 何しろ名のある名山が続くのである。明治大正昭和の日本文学を彩った名山が、ほぼ全て眼下に続く。乗鞍も白馬も槍ヶ岳も立山も剣岳も、手に取るほど間近に眺められるのである。耳にしたことのある登山ルートも、一気に日本海に流れ込む急流の数々も、全て窓からしっかり確認できる。

 

 立山を眺めながら、「たくさんのライチョウどんたちが、きっとこちらを見上げているだろう」と思うのである。夏には褐色の夏毛のライチョウ、冬には純白の冬毛のライチョウが、高い山の風に羽毛をフワフワさせながら、上空を通過するヒコーキに鋭い視線を飛ばしているだろう。

 (富山「ガラスの美術館」。付属の大図書館が羨ましい 1)

 

 そういうことを思いながら、7月19日にも富山に飛び、9月17日にも富山に飛んだ。夏毛のライチョウの写真を眺めると、ワタクシはどうしてもナデシコを思い出すし、冬毛のライチョウの純白の姿を見ると、ニャゴロワを思わずにはいられない。

 

 今日は10月8日。ナデシコ忌(1020日)とニャゴロワ忌(1016日)が近づいてきた。2匹の姉妹猫は、どうしても夏毛のライチョウどんと冬毛のライチョウどんを思い出させるのである。

 

Sun 150927 なでしこは10月20日、永眠いたしました(なでしこ ラストデイズ 1)

Sat 191019 ニャゴロワは、永眠いたしました(にゃごろわラストデイズ1)3880回

 

 ニャゴロワが死んでしまったのは、前回のラグビーW杯、日本がスコットランドに勝利した日の翌日だったか翌々日だったか、東京を大きな台風が直撃していった直後のことだった。今夜もまたラグビーの大一番があって、するとどうしてもニャゴロワのことを思い出すのである。

 

 ワタクシは涙もろいたちなので、ニャゴのことを思い出してむかしむかしのブログを鹿児島のホテルで眺めているうちに、つい1時間も2時間も経過して、おお、そろそろ博多に出発する準備をしなきゃいけない時間が迫ってきた。

 (富山「ガラスの美術館」。付属の大図書館が羨ましい 2)

 

 そう思いながらもまだダラダラやっていると、以下のようなブログ記事も見つかる。(Fri 161007 鹿児島で講演会/次々と「今井先生ですか?」/天神でロシア料理を貪る)。

 

 読めば「ついこの間のことじゃないか」と思うのだが、おやおや2016年、もう7年も前の同じ日の記録の中で、今井君は鹿児島から博多、同じルートを旅していたことに気がつく。

 

 月日の経過するのは、マコトに早いものである。こうして雨の桜島をぼんやり眺めつつ、7年前の自分の記事を眺めていると、そこに書かれている博多のロシア料理店「ツンドラ」も、今はもうこの世に存在しないことを思う。

 

 ニャゴロワも、ナデシコも、ツンドラも、もう存在しないが、ワタクシだけは今も昔も変わらずに、こうして相も変わらず八面六臂の大活躍を続けている。富山便の中でもまた、「今井先生ですか?」の驚きの声がかかるのだ。

 

1E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 6/10

2E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 7/10

3E(Cd) Böhm & Berliner:MOZART 46 SYMPHONIEN 8/10

6D(DPl) 能:観世流 隅田川(梅若六郎 宝生弥一)

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