Thu 210204 しょんぼりショゲてました/テクニックの巣窟?/カウントダウン6/3994回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Thu 210204 しょんぼりショゲてました/テクニックの巣窟?/カウントダウン6/3994回

 いま大阪に滞在中。先週も大阪に4連泊し、今週は大阪に3連泊である。先週は広島の福山・大阪の池田・神戸の長田で仕事。今週の仕事は大阪の岸和田・兵庫の姫路・最終日が岡山である。いやはや、マコトに忙しい。これほど西日本の仕事が相次ぐと、京都あたりに引っ越してしまいたくなる。

 

 だって諸君、昨年の11月と12月だって、ワタクシはズーッと大阪&京都にいた。途中ちょっと札幌まで飛んで行ったり沖縄まで飛んで行ったり、遠出の仕事もなくはなかったが、それだって伊丹空港から「ヒコーキでビューン」をやれば済むことだ。いちいち東京に帰らなきゃいけない理由はない。

 

 今年は新幹線による移動が多いが、コロナの影響でますます車内放送が増えた。うるさくて寝てもいられない。駅を発車するたびに、ただでさえ過剰な車内放送に「感染症対策について」「アルコール販売を自粛していることについて」「席の回転はお控えください」「会話は控えめに」が繰り返される。

 

 その割に、車内販売のやってくる頻度がググッと高まった。マスク越しとはいえ、まさに声高に「香り高いホットコーヒー♡」「アイスコーヒーにお弁当にサンドイッチ♡」を売り歩き、購入した人々はもちろんマスクを外して飲食し、マコトに素晴らしいタイミングで激しく咳き込んでくださる。

(旅するカバン君 @ 新幹線グリーン9号車。付き合ってすでに3年目になる)

 

 さて、気がつけば前回の記事が1月22日。ブログのほうは怠けに怠けて、すでに2週間近くが経過している。別に特段の事情があったわけではない。「忙しかった」という言い訳もしない。要するに「書くことがなかった」「ションボリすることばかりで、気力が湧かなかった」というだけのことである。

 

 受験生が一番たいへんな時に、予備校講師ともあろうものがションボリなんてのは、本来は言語道断なのである。意地でも、いささか軽薄にでもいいから、目いっぱい強がって「がんばれ」「オレがついてるぞ」みたいなことを書き続けるべきなのだ。

 

 しかしまあいいじゃないか。ワタクシももうこの業界の最古参の1人。業界に参入して軽く4半世紀が経過。最古参中の最古参と言っても過言ではない。ジーチャンの愚痴ぐらい許してくれたまえ。

(1月29日、石橋阪大前「池田文化会館」で奮闘。写真では密に見えるが、距離は十分、換気もしっかり行った)

 

 コロナの話はさておき、年明け早々まずウンザリさせられたのが、身近から聞こえてきた不祥事、というか相も変わらぬ情けないスキャンダル。それも3年連続だ。業界の重鎮として、また「文鎮」として最古参として、マコトに情けない。

 

 1年音信不通になっていた古い知人友人たちからも、「オマエかと思った」「毎年ドッキリさせんなよ」と連絡が相次げば、そりゃ新年早々ゲンナリもいいところだ。

 

「こりゃ今井さんあたりが、若い講師の皆さんに、しっかり声をかけるべきなんじゃありませんか?」という声もあがる。というか、10年も前から、いろんな予備校の講師たちに、そんなふうに持ち上げられないこともなかった。

 

 しかし諸君、ワタクシはどうもその手のことが苦手なのである。旗振り役というかリーダー役というか、そういうのはマコトに不得手であって、まあせいぜい宴会の会場の片隅で「そろそろ2次会に行こうじゃないですか」と画策、2次会&3次会のリーダー役を申し出るぐらいが関の山なのだ。

(誰もいない夜の京都駅で、気になっていた「おこげはん」を購入。要するにネギ味の煎餅でござった)

 

 中2の時に「2年4組がダメなのは、リーダー役がダメだからだ」と、他のクラスの授業中に実にハッキリひどいことを言われた。いやはや、陰険なセンセもいたものだが、その2年4組のリーダー役をやらされていたのは、他ならぬこの今井君である。

 

 直接言ってくれればいいのに、隣のクラスの授業の中でそう言われて、2年5組やら2年3組やらでそれが評判になった。わざわざご注進に及んでくる生徒諸君がいて、「2年4組はリーダーがダメなんだって、M先生が言ってたぜ」とニヤニヤ、その2年4組のリーダーに唾を吐きかけるような表情で嘲笑してみせた。

 

 あれからボクチンは、リーダー役が回ってきそうになるとスタコラサッサ、どうにかこうにか逃げ回ってきた。この歳になってまたそういう視線を向けられるとションボリ、いやはやそんな難しいことは絶対に願い下げなのである。

(東京駅で買ったお弁当。おむすび系のお弁当しか残っていないことも多い)

 

 かと思うと、やっぱり「共通テスト」が大キライなのだ。共通テストが終わってから、2度も連続して徹底的にコキおろしておいたから、もうこれ以上は詳しいことは書かないが、公開授業で解説を重ねると、英語の問題の杜撰さがどんどん浮き彫りになってくる。

 

 だから、正直言って公開授業の教材に共通テストの問題を使用したくないのだ。ある程度は本格的な大学入試問題に見える第6問だって、ABも解説してみるとやっぱり「高校入試に毛が生えた程度」。Bのほうは人工甘味料の業界から「誤解を招きます」と抗議を受けるテイタラクだ。

 

 しかしやっぱり公開授業を開催する校舎サイドからは、「共通テストの問題を取り上げていただくとありがたい」と懇願される。受験生たちも高校生たちも、高校の先生方も保護者の皆さんも、たった今最新の問題を目の前に突きつけられたばかりだから、どうしても共通テストに無我夢中なのである。

(東京駅で買った「ころころおむすび」。悲しいことに、ゴハンがみんなアルデンテなのであった)

 

 平均点の60点超えがずいぶん話題になった。「今年の受験生がコロナのせいで奮起したんだ」「だから長文にも意気阻喪せず勇敢に立ち向かったんだ」というご意見さえたくさん目にしたが、すでに指摘したように、第1問から第4問まで、易しい問題に時間を集中投下すれば、60点の獲得は容易なのである。

 

 もちろん満点を目指すべきだし、実際に優秀な諸君からは満点が続出しているようであるが、例えば最初から「75%の得点狙い」で行くとする。「75%で合格できる大学」なんてのも、おそらくこれから数ヶ月の間にデータがワンサカ出てくるだろう。75%と言えば、旧センター試験なら150点。かなりの高得点だ。相当ハイレベルな大学でも十分に狙える成績と言っていい。

(1月30日、神戸市教育会館で奮闘。これも写真では密に見えるが、十分に距離を取り、窓をしっかり開けて換気に取り組んだ) 

 

 すると諸君、「第6問のABを最初から捨ててかかる」という戦術だって登場する。80分の制限時間に苦しみ、「どうしても最後まで解けないよ」と泣き顔の受験生に、「じゃ、第6問を捨てちゃいなさい」と囁く人がきっと登場する。

 

「第6問の配点は24点。英文は合計90行もあるじゃないか。これを捨てちゃって他の問題をゆっくり&じっくりやったほうが75%獲得の可能性は高くなるよ」と囁かれれば、「なるほど、90行分も楽になるんですね」とニッコリ、その戦術に傾く受験生も少なくないだろう。

 

 だって90行といえば、普通の予備校のテキストまるまる4ページ分。今でも「精読主義」と言って、1回の授業で15行程度、夏期講習5日間で80行程度しか進まない講師は珍しくない。夏期講習1講座分を省略しても75%取れるなら、そっちの方が得策なのかもしれない。

(仕事の終わった福山から、大阪のホテルに帰る。21時の新幹線ホームには、もう人っ子ひとりいなかった)

 

 すると諸君、似たような戦い方はどんどん登場する。85%を目指すなら、第6問のABか、どちらかを捨てられるだろうし、「第1志望とする大学の難易度に応じ、どの問題を捨てて他の問題に時間を確保すべきか」みたいな議論に夢中になる人も登場する。

 

 もちろん他の話でも、いわゆる「受験テクニック」がナンボでもポコポコ発生し、これからはきっと共通テスト用のテクニックがオンパレード状態になる。「論理的思考力と判断力を必要とする」「受験テクニックは通用しない」はずだった共通テストに、ドロドロ&ドロドロ、テクニックの熱い熔岩が果てしなく流れ込む。

 

 ワタクシはすでに3年前、新しい共通テストに関する朝日新聞の記事について、特に「受験テクニック」に関する指摘について言及している。読者諸君の考察の参考になると思うから、この機会にぜひ次の2本を読み直してくれたまえ。

 

Thu 180104 「テクニック、通じない」のこと/寒波の函館で寿司屋/飯寿司のこと

Wed 180110 「受験テクニック」って、具体的に何のことですか?/西宮の大盛況

 

  少なくとも各予備校の模擬試験制作現場では、とっくにソックリ問題が次から次へと制作されているはずだ。第1問のソックリ問題、第2問のソックリ問題、第3問のソックリ問題。各予備校に雇用されているネイティブさんがスクリプトを執筆し、イラストレーターが参加し、設問タイプもソックリに作る。たいへんな手間である。

 

 授業をする方もたいへんだ。例えば「第6問A39番と40番は、本文中と同じ順番で正解が並べられている」とか「42番のサマリー問題は、話題が大きく転換されたパラグラフの第1文と、構文と単語がクリソツになっている」みたいなことも、どんどん授業中に指摘しなきゃいけない。

 

 それこそ「うぉ、テクニックだ!!」の世界であるが、諸君、驚くなかれ、本当にとっくにこの世界では、「第6問Aの4番のサマリー選択問題」という呼び方が定着して、都会のすばしこい高校生たちの間では、その呼称だけでごく当たり前のように話が通じるのである。

 

  これでワタクシがションボリしないはずはないだろう。ワタクシが4半世紀以上にわたって頑張って言い続けてきたのは、「英語の実力をつけるということが、最も大事で簡単で直接的な受験勉強だ」ということであって、これは今井君自身が受験生だったころに、古文の桑原岩雄師や英語の鈴木長十師に繰り返し繰り返し指摘されたことだった。

 

 それなのに、大好きな公開授業で全国を回って、目の前に登場するのは必ず共通テストの第6問。「これを解説してください」「生徒たちもみんな期待しています」と熱く求められれば、まさか「それはテクニックの巣窟ですよ」とお断りするわけにもいかない。

(阪急「石橋阪大前」駅。梅田から15分強、大阪大学生が闊歩するはず駅前は、やっぱり閑散としていた)

 

 今井どんの公開授業には、なんとなんと♡驚くなかれ、9種類ものテキストがある。中3用・保護者用・超基礎編の3種類を除けば、90分の後半部は必ず本格的な長文読解の入試問題を扱うのである。

 

 易しい方から難しい方へ並べると、共通テスト/筑波大/早稲田大/名古屋大/東京大/京都大。東大は小説文だから、授業で扱う問題としては京都大の方が難易度が高い。これだけ内容の濃い長文読解問題をズラリと並べ、「濃厚な授業をしてやるぞ」と手ぐすね引いて待っている。

 

 しかし本日まで、すでに終了した公開授業9回は、すべて共通テスト。おそらく残る20数回も、ほとんどが共通テスト。解説すればするほど、ワタクシの頭の中にもどんどん新しいテクニックが湧き上がってきて、湧き上がればもちろん披露せずにはいられない。「ホンモノの実力をつけたまえ」みたいなキレイゴトに、見向きもしない生徒だって存在する。

 

  しかも、もちろん仕事が終わった後の懇親会は禁止である。3月いっぱいはまず間違いなく全面禁止。だから、大阪に4連泊しようが3連泊しようが、仕事が終わってホテルに帰り着くと、もう晩メシにもありつけない。開いているのはコンビニだけ、そのコンビニのお弁当も、時に「売り切れました」みたいな状況だ。

(1月27日、広島県福山のでの奮闘。400人の会場に200人。「キャパ1/2」ルールでの奮闘は、心にも肉体にもマコトに厳しい)

 

 こうしてすっかりショゲてションボリして、とてもブログどころではなかった。4000回までのカウントダウン6、3994回まで来たが、果たしてホントに4000回にたどり着けるのか、今は残ったたった6回が重すぎる。

 

  ただ1つ、元気に公開授業に駆けつけてくれる生徒諸君が思いのほか多いことに、慰められてはいる。若いスタッフがみんな元気なのも嬉しい。コロナの真っただ中、若者たちにワクチンが行きわたるのはまだまだ先だろうが、キャパ200名の会場なら100人、キャパ400に会場を予約してくれて200名、ルールを守り、しっかり換気にも取り組んで、楽しく仕事を続けられる。

 

 1月27日広島県福山、200名。1月29日「石橋阪大前」の池田文化会館、100名。1月30日神戸市教育会館、100名。どこも夕暮れから街はガラガラだが、会場に入るとマスク姿の生徒諸君がズラリと待っている。ま、これだけ頑張ってくれれば、ワタクシのションボリもいくらかは和らいでくるというものだ。

 

1E(Cd) RichterBACHWELL-TEMPERED CLAVIER 3/4

2E(Cd) RichterBACHWELL-TEMPERED CLAVIER 4/4

3E(Cd) Glenn GouldBACHGOLDBERG VARIATION

6D(DMv) THE POSEIDON ADVENTURE

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