Fri 200410 「廉価で見放題」は時代遅れだ/酔っ払い悪魔(デンマーク紀行7)3925回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 200410 「廉価で見放題」は時代遅れだ/酔っ払い悪魔(デンマーク紀行7)3925回

 

 ブログ愛読者の諸君からは「さすがですね」と褒められることがあるが、今井君はすでに予備校界の「古老」と言っていい。「古老の知恵」はいくら尊敬しても足りないぐらい貴重なものなのだ。

 

 注意深く日々このブログを味読&熟読していれば、近未来・中未来・遠未来、気がつけば予言が次々とあたって、「ああ、やっぱり古老が言ってたとおりだ」「古老の言ったまんまやないか」と絶叫することも少なくないはずだ。

 

 もちろん「あと出しジャンケンじゃないか」と言うなら、それはその人の自由だ。4月7日の段階で「愛知」ばかりか「京都」、それどころか「岐阜」にまで言及していた前回の記事を、もう一度お読みくだされ。

(リューベック「酔っ払い悪魔」。教会ができるのに「居酒屋ができる」と勘違いして工事にお手伝いし、勘違いに気づいていろいろ仕返しをした。もしコロナどんがこんな可愛いヤツだったら、味方もいただろうにのぉ)

 

 人呼んで「ホラ見ろおじさん」。野球中継でもサッカー中継でも、テレビの前に陣取って「ホラ見ろ!! オレが言った通りだろ!!」と喚き続けるオヤジは少なくないが、サトイモおじさんも決してその例外ではない。

 

 3月29日の東京の大雪だって、実は3月26日の天気図を見ながら周囲には予告していたし、東京都の「ビジネスホテル1棟借り」も、3月下旬に予言していた。

 

 こんなに調子づいてくると「4月13日の早朝あたり、東京でミゾレが降るんじゃないか」ぐらい言いたくなってくるが、上段のような発言があと出しジャンケンどうかは、身近な人間に証言してもらうしかない。今井のベテランぶりに免じて、この程度は許してくれたまえ。

(リューベック、酔っ払い悪魔の故事来歴。読解の練習にどうぞ)

 

 4月10日、1時間近くにわたる都知事の記者会見の直後、記者席から罵声がとんだのだという。会見の終わった後だから、明らかに「不規則発言」であり、要するに罵詈雑言ないし悪口雑言であるが、ネットでそれを耳にした人々の評判はすこぶる悪いようだ。

 

 詳しくは諸君のググリにお任せするが、「休業協力金が50万じゃ少なすぎる」「イギリスなんか300万だ」「こんなの怠慢じゃないか」という趣旨のようである。「野次」ということになっているが、要するに「怒号」の一種だ。

 

 だから言わんこっちゃない。総理記者会見の後の「怒号」なんてのを大新聞が擁護どころか支持したりすると、この種のヤカラが増えてくる。質問はあまりにも難しい。キチンとした質問をキチンと準備してこないと、怒号としてしか発信できなくなってしまう。

(リューベック「聖マリエン教会」。バッハもこの教会に通った)

 

 実名は控えておくが、人材派遣大手の「陸路」(もちろん(仮名)でございます)が、4500億円の融資枠拡大を3大メガバンクに要請したんだという。

 

 おやおや、言わんこっちゃない。ありとあらゆる業態に自己批判もなく手を広げすぎて、もともとニッチもサッチもいかなくなってたんじゃないか。昨年12月には、その3大メガバンクのうちの1社と提携して、「貸金業」への進出にさえ色気を示していたのだ。

 

 その「陸路」どんが、この緊急事態のさなかに4500億もメガバンクから借りて、いったい何をするのかと思ったら「手元資金を手厚くしたい」とおっしゃる。まるで国家を支える基幹産業のような口ぶりだ。

(リューベック「聖マリエン教会」にて。第2次大戦の空襲で、教会の鐘もこんなアリサマになってしまった)

 

 アベノマスクの450億をそんなにメチャクチャ言うのなら、陸路への4500億はその10倍だ。あんまりこのグループにスイスイ気楽に貸してあげて欲しくない。

 

 というか、超おなじみ「ここに貸すんだったら、他に貸すべき先がいくらでもあるんじゃないでしょうか?」。手元資金なんかより、明日明後日に困っている人がナンボでもいらっしゃる。

 

 もしも手元資金が不足する見込みなら、不採算部門の縮小ないし事業停止を考えるのが、優先事項なんじゃあーりませんか? 特に「教育分野」への進出がまさにその1つだと考える。

 

 これもあくまで「カッコ仮名」とさせていただいて、「スタ寒む」ないし「スタディがっぽり」としておくが、「1ヶ月1000円以下で見放題」みたいなバカげた投げ売りで、我々が100年かけて築いてきた豊かな予備校文化を無惨に破壊するようなマネについて、ここでワタクシが苦言を呈しておいたのは昨年8月のことである。

     (リューベック「聖マリエン教会」にて)

 

 諸君、今日の記事を最後まで読んでくれた後で、以下の2本の文章に是非とも目を通してくれたまえ。4500億円融資枠拡大のニュースに接して、予備校の世界の長老イマイが何故こんなに腹を立てているか、その理由をさらによくわかってもらえるはずだ。

 

Wed 190807 マネッコ君/教育上よろしくない/誠実に語りたまえ/那覇の大盛況 3863回

Sun 190811 リクナビ事案を叱る/その姿勢は教育に向かない/価値を見極めよ 3864回

 

     (リューベック「聖マリエン教会」の勇姿)

 

 そもそも2020年、安易な商品を非常識な低価格で投げ売りする類いの業態は、すでに社会的使命を終えたのではないか。今回のコロナ流行で、オンライン授業が公教育の場でも定番になってしまえば、もともと人材派遣業という全くの異業種から「チャンス!!」とばかり慌てて参入した陸路どんの存在価値は急低下する。

 

「講師を20人、大急ぎでかき集めました」というのが、彼らの事業の始まりだ。そこから4年も5年も経過して、いまだに「超廉価で授業が受けられる」というだけのことなら、人気ユーチューバーがナンボでもいらっしゃる。

(リューベック、13世紀後半に建てられた「聖霊養老院」。ハンザ同盟都市としてリューベックが最盛期だった頃に遡る)

 

「もしかしてその辺の予備校講師よりずっと優秀なんじゃないか?」。今やユーチューバーはそのレベルだ。ワタクシの元同僚も、ついこの間その世界に参入されたばかり。かつて常に400名教室を満員にされ、20年前には「春期講習ですら400名が満員締め切り」になっていた伝説の人物である。

 

 しかしそれでも、「今その世界に新規参入するとは、その勇気には感服します」とワタクシが書かざるを得ないほど、ユーチューバーのセンセたちの競争は、今やあまりにも熾烈&激烈なのだ。

 

 英語の世界なんかだと、(当たり前だが)発音も抜群のネイティブのセンセがナンボでも控えている。いくら「神授業」と自分たちで絶叫しても、いやはや、お世辞にも神にもホトケにも見えない。

(リューベック、船員組合(シファー・ゲゼルシャフト)の歴史あるレストラン)

 

 ユーチューバー0円、陸路なら1000円。「どっちをとりますか?」と尋ねられたら、もしワタクシが受験生なら迷わず0円を選択する。

 

 つまり、もし「廉価で授業を見ホーダイ」というだけなら、もう明らかに時代遅れ。というか、10年遅れのビジネスモデルだ。こんなことで不採算部門の赤字をこれ以上積み上げるより、潔く業界から撤退したほうがいい。

 

 教育にオカネを払うのは、AIではない人間の担任がキチンとついて、生徒の学習の進捗状況をリアルタイムで詳細にチェックし、授業後には必ず確認テストがあり、頻繁に面談があり、学期の終わりには丁寧な修了判定テストがあって、予習や復習の状況についてさえ、丹念な指導を行ってくれるからである。

 

 そういうキメ細かい指導や学力管理なしに、単に「安くて受けホーダイ」というだけなら、0円がいいに決まっている。今井の「C組」や「B組」が15年かけて「伝説の講座」とまで豪語できるようになったのは、サトイモ君の授業の質が抜群である♡♡こと以上に、スタッフ全員の親身の指導のおかげなのだ♨

(歴史ある船員組合レストランの内部。やっとのことで闖入し、重々しい高級おじさまウェイターにビビりまくった)

 

 これほどの危機になっても、国内はまさにコロナについての百家争鳴であって、専門家でも何でもないはずのタレントさんや落語家が、みんな目いっぱいトゲトゲしくなって好き放題にチクリチクリ、聞いている方がイヤになる。

 

 元お笑いの元県知事に、木更津で大失敗した元都知事、銀座ホステスさん出身の元作家、他者がやることなすこと全て「バッサリ」「バッサリ」、何をやってもどうせ誰にも褒めてもらえない。

 

 ここはやっぱり誰かが、ケネディ大統領の名言をビシッと、チクチク&トゲトゲなバッサリ人間たちに投げかけるしかない。言うまでもない、

 Ask not what your country can do for you.

 Ask what you can do for your country.

さすがフィッツジェラルド、大したもんでござるね。

 

 しかし諸君、100年前の人であるが、戦後の日本でもブームになった「リルケ」という詩人が、ある若い女性へのお手紙の中に書いた以下のような言葉もご紹介したい。1923年2月2日の日付、おお、まさに100年前、ヒトラーの政権奪取10年前の手紙である。

(リューベック、船員組合レストランで、おじさまウェイターにビビりながら、とりあえずスープをいただく)

 

「ドイツという国の進路の是正を希求し、期待していた人はいた。しかしそういう是正は、ついに行われなかったということが、ハッキリし始めた。その報いは、すでに現れてきつつある。全てに節度を与える肝腎な要素が欠落しているのだ」

 

「ドイツは、行動&行動の一本やりで今の苦境を脱出することにあくせく、本質では自分を改革しようとせず、古い殻をそのまま残そうと焦ってばかりいた。ハシゴの段が一つ欠落しているのだ」

 

「そこに表現しようのない不安と心配、『不意に激しい崩壊が訪れるかもしれない』という予感がおそってくるのだ」

(リューベック、船員組合レストランの重々しいフィレステーキ。ウェイターのおじさまにビビりながら、赤ワイン1本1時間で空っぽにした)

 

 ドイツという国名を、Cで始まる現代の別の国名に代えてこの手紙を読んでみたまえ。サトイモ君はふと鳥肌が立って、ますますサトイモぶりが増すのであるが、今でも新潮文庫の中古品「若き詩人への手紙・若き女性への手紙」が、Amazonで手に入る。カミュの「ペスト」を買うなら、ついでにポチッとやってみたまえ。

 

 というわけで、今日も長く書きすぎた。そろそろこの辺でネグラに潜り込むことにしたいが、残念ながら今日の文章と写真には全く何の関連もない。強烈に自粛しているキウィ小僧には、掲載すべき写真がもう1枚もないのだから、5月中旬までは昨年の海外旅行時の写真で我慢してくれたまえ。

 

1E(Cd) Kirk WhalumHYMNS IN THE GARDEN

2E(Cd) Kirk WhalumUNCONDITIONAL

3E(Cd) Sheila E.SEX CYMBAL

6D(DMv) APOCALYPSE NOW REDUX

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