Fri 190517 まもなく収録再開/なでしこの写真はまだあった/左手人差指を負傷 3836回 | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Fri 190517 まもなく収録再開/なでしこの写真はまだあった/左手人差指を負傷 3836回

 まもなく再びの収録ラッシュが始まるのである。3月下旬から4月下旬にかけて、前代未聞の「一気に50コマ」をやってみた。今回の全講座リニューアルは、合計で110コマ × 90分。そのうちの約半分を、桜が咲いて桜が散り終わるまでの1ヶ月で一気に収録し終えた。

 

 もちろん、1990年代の終盤から2000年代序盤のワタクシなら、このぐらいのペースはちっとも珍しくなかった。緊張感抜群の生授業で1週間30コマ、1日5コマ × 週6日で突っ走っていたのは、ホンの15年前までのことである。

        (ありし日のナデシコ)

 

 しかし諸君、確かに生授業は「緊張感抜群」であるが、収録授業の緊張感は「抜群」どころか「それとは異次元」の世界であって、英語の専門家である英語科職員が「何か言い間違えはしないか」とギュッと集中して見守る中、1日で90分授業を2コマずつ収録する日々は、さすがの今井でも強烈なストレスの真っただ中である。

 

 だって諸君、何しろ数十万人の受講生がこの授業を受講するのだ。特に緊張感の大きいのは「特別招待講習」であって、この講座がキチンと出来ているかどうかで、我々の仲間になってくれる生徒の数が決まる。

 

 要するにお試しサンプル講座であるが、サンプルの重要性を知る講師は意外に少ないのである。3月下旬から4月下旬までの1ヶ月、ワタクシはそういう講座を次から次へと収録していた。「予備校講師として四半世紀を過ごしてきた者として、間違いなくその集大成になるだろう」と、覚悟の上の1ヶ月だった。

  (初夏の都内散策は、明治神宮の森がスタートだ 1)

 

 で、おそらく「大成功」と言っていい1ヶ月だったである。50コマ、さすがに超ベテラン今井であって、1コマたりといえども「失敗」とか「欲求不満」というスタンプを押さなければならない授業はなかった。全力で後押ししてくれたスタッフ諸君に大いに感謝する。

 

 10連休のスタートと時を同じくして、今井も心身を休める3週間が始まった。たった10日でさえ「長すぎる」と不平を述べる新聞記者がいるぐらいだ。今井君の休息♡3週間は、おそらく全国紙Morning Sunの皆様にとっては政府の悪逆非道みたいに見えるに違いない。

 

 しかし諸君、今井君はお休みの使い方についてはまさに名人クラスである。昨年は4月の3週間をフランスのトゥールーズで、5月の2週間をイタリアのミラノとシルミオーネで、マコトに優雅に過ごした。いやはや楽しかった。たった10日の休みで政府を恨むようなことは絶対にしない。

  (初夏の都内散策は、明治神宮の森がスタートだ 2)

 

「令和」のスタートに沸いた2019年の春から初夏にかけては、しかしさすがに海外の旅は避けたのである。収録ラッシュ前半と収録ラッシュ後半に挟まれた谷間の3週間、あんまり強烈な海外の旅なんかに費やせば、まあそれなりの批判にさらされる。今井君はマコトに品行方正に都内ウォーキングを続けた。

 

 いきなり下町のど真ん中・亀戸天神に楕円形の姿を現したかと思えば、今度は明治神宮から一気に東銀座まで。そうかと思えば新宿から四谷&市ヶ谷を経て靖国神社まで。都内ウォーキングは思わぬ感動の発見の連続であって、ガイドブックと首っ引きの海外旅行に負けない魅力に満ちている。

(神保町「さぼうる」。昭和文学に何度も登場した名店だ 1)

 

 もちろん、ホントはナポリとかマルセイユとかアムステルダムとか、すっかり馴染みになった港町を散策するのもよかったのだ。またはイタリア・プーリア州、あるいはクロアチアやブルガリアやルーマニアの田舎町を歩き回ってもよかった。デンマークやフィンランドの春でもよかった。

 

 しかし諸君、やっぱり5月20日から再び講座収録が始まるということになれば、そこまで羽を伸ばしまくるのも気がひけるじゃないか。自重の王♡サトイモ君は、5月中旬を迎えてやや寂しい気持ちに襲われつつ、やっぱり大人しく都内散策を続けたのである。

(神保町「ラドリオ」。昭和文学に何度も登場した名店だ 2)

 

 5月16日の里芋大王は、ちょっと遅めの16時、明治神宮から散策を始めた。目指すは銀座2丁目のメシ屋であって、千駄ヶ谷から一気に水道橋に進んで、神田神保町の古書店街を歩いた。

 

 神保町古書店街は、今やすっかりカレーとラーメンの街に変わってしまった感があるが、山陽堂・矢口書店・小宮山書店・一誠堂・巌松堂・八木書店、そういう老舗の古書店と、ついでに超名門カフェの「らぼうる」「ラドリオ」も、みんな昔以上の繁盛を続けている。

 

 学部生時代に律儀に通った映画の「岩波ホール」もまだまだ大丈夫らしい。アンジェイ・ワイダ「大理石の男」、トリュフォー「緑色の部屋」。はるかな昔、周囲のほとんどの人々が素直に眠りこけていた名画の数々が余りにも懐かしい。

 

 5月18日には新作「ニューヨーク公共図書館」の封切りだ。こりゃまたここに通わなきゃならなくなりそうだ。今井君は、周囲の人々が正直にコックリ&コックリやっている状況が大好きなのである。

(神保町「包子 餃子」。昭和文学に何度も登場した名店だ 3)

 

 その「岩波ホール」から水道橋方向に靖国通りを横断したところにあるのが「姉川書店」である。ごく小さな本屋さんであるが、この姉川書店が今から4年ほど前、ネコ好きの人々の間で話題になったことがある。書店の一角に「にゃんこ堂」というコーナーが作られ、ネコ関係の本をズラリと並べた。

 

 その「にゃんこ堂」の中心に掲げられたのが、今は亡きナデシコの勇姿である。201510月、我がナデシコが天国に旅立った直後の出来事であった。姉川書店の人々とは全く面識がなかったが、「ナデシコちゃんの写真があんまり可愛かったので」と言われて、熱い涙が溢れて止まらなかった。

(神田神保町「姉川書店」にて。ナデシコの勇姿が、今もなお真ん中に飾られていた)

 

 ナデシコの最期の日々のことは、このブログでも6回にわたって書かせてもらった。悲しすぎる日々のことだけれども、新しい読者諸君にも、ぜひ読んで知っていてもらいたい。よかったら、以下の記事をクリックしてくれたまえ。

Sun 150927 なでしこは10月20日、永眠いたしました(なでしこラストデイズ1)

Mon 150928 なでしこの通夜 派手な姉と地味な妹 新刊書(なでしこラストデイズ2)

Tue 150929 お葬式 なでしこ忌 リュックと麦わら帽子(なでしこラストデイズ3)

Wed 150930 号泣 障子に映ったなでしこの影 ノラや(なでしこラストデイズ4)

Thu 151001 もう号泣は終わり 徳島の大盛況 さあ、音読だ(なでしこラストデイズ5)

Fri 151002 花はおそかった 神田神保町・にゃんこ堂のこと(なでしこラストデイズ6)

(神田神保町・姉川書店。いまではすっかりネコの書店として有名店になっている)

 

 あれから4年が経過した。ナデシコの写真が今も姉川書店に飾られているとは、まさか思いもしなかった。「ホンの気まぐれだろう」「とっくにもっとインスタ映えするネコの写真にかわっているだろう」と考えて、書店に立ち寄ることさえしなかった。

 

 しかし諸君、嬉しいじゃないか、4年が経ってなお、ナデシコの写真は書店で一番目立つ「にゃんこ堂」の真ん中に飾られていたのである。感激しやすい今井君は、ナデシコの写真の前に立ち尽くして、熱い涙を抑えるのに苦労したほどである。

(銀座2丁目「GINTO」の牛フィレ料理。おいしゅーございました)

 

 店主が飼っていたネコの写真がナデシコの隣に飾られている。スコティッシュホールドであるらしい。しかしこの書店の店主は、自らの飼い猫を差し置いてまで、ナデシコの勇姿を店の真ん中に飾っていてくれたのである。

 

 書店は大繁盛の様子。かつては店の一角を占めるに過ぎなかった「にゃんこ堂」コーナーが、今や店の面積の大半を占めていた。お恥ずかしいことであるが、この夜お部屋に帰還した後、ワタクシは前掲の「なでしこラストデイズ」を読み返しながら、ホントに涙が止まらなかった。

(世田谷代沢「富田屋」の天せいろ。おいしゅーございました)

 

 そういう動揺があったからだろうか、銀座2丁目の店で軽いフランス料理を満喫した直後、里芋閣下は左の人差指に思わぬ傷を負った。「負傷」と言っても日常生活に支障をきたすほどではないが、その傷口は直視するのに躊躇を感じるレベルである。

 

 ま、こりゃ全快を待つしか致し方ない。どんなに感激&感動が深く強烈であっても、だからと言ってこの人生には一切の油断があってはならない。いやはや、ホントに痛かった。

 

1E(Cd) George DukeCOOL

2E(Cd) Joe SampleRAINBOW SEEKER

3E(Cd) Joe Sample & Lalah HathawayTHE SONG LIVES ON

6D(DMv) UNFAITHFUL

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