Sun 180204 福山のロックミュージシャン/オマエがタコだから/タコの町/広島三原の大盛況
福山のスタッフには、本職のロックミュージシャンを兼ねていらっしゃるオカタも含まれていて、でかいマグロの頭を囲んだ福山懇親会は、たいへん楽しいド派手な状況になった(マグロは昨日6枚目の写真を参照)。
あんまり楽しいから、「またやりましょう」「またやりましょう」と手をにぎり合ううちに、いつの間にか終電の時間が近づいていた。何しろこれから最終の「ひかり」に乗って30分、広島にたどり着かなければならない。
こんなに楽しいなら、広島じゃなくて福山のホテルに宿泊すればよかった。福山駅前にも「キャッスルホテル」と言ふ古式ゆかしいホテルがあって、福山の人々の結婚式は専らここで行うらしい。
福山でロックミュージシャンのオジサマとカラオケに行って、深夜までクワタや世良公則を熱唱するのもいいじゃないか。「次回は必ずそうします」と誓ったか誓い合ったか、泥酔気味のワタクシにはキチンとした記憶がない。
こうなってみると、「またやりましょう」の目的語がなんなのかハッキリしない。「やる」は他動詞であって、「何を」に該当する目的語が必須のはず。ただし「やる」に「飲る」の漢字をあてることがあって、その場合には「やる」も自動詞に変わる。
この場合、本来は「また公開授業をやる」「205名の予定に205名、1人の欠席もないカンペキな公開授業をまたやる」が本筋であって、「飲る」はあくまで付属ないし付随にすぎないのだ。
しかし、「暴言」とは言わないまでも、次々に思い切った発言を連発するロックミュージシャンの気持ちの中では、おそらく「飲る」が第一義。いや、ワタクシもこういう世界は大好きだし、こういう世界なしには仕事だってだんだん萎縮していく。ま、「芸の肥やし」というヤツでござるね。
(久しぶりに乗った「こだま」で三原に到着)
さて翌日は、広島と福山の中間、「三原」という街でのお仕事が続く。「三原は、きっとタコだぜ」。昨夜のロックミュージシャンが嬉しそうに笑って予言した。
三原の校舎と福山の校舎は、とても仲のいいライバル関係にあるらしくて、「福山はマグロの頭で盛り上がった。三原はタコで盛り上がるだろう」、ロックミュージシャンの発言は、その意味だったらしい。
しかもこのロックミュージシャンどん、事前にワタクシのブログを詳細に読み込み、2月中旬の今井君が関西の仕事の連続中あえて明石を訪ね、明石から淡路島にわたってタコを貪ったことまで、よーくご存じの様子である(Thu 180125/Fri 180126参照)。
「きっとタコだ」
「タコ&タコ、三原のタコは旨いんだ」
「今井先生は淡路島でタコ食べたばっかりだけど、三原もきっとタコ」
ずいぶん嬉しそうに繰り返すのである。
いやはや、ホントに仲のいいライバルだ。今井にどんな旨いものを食べさせるか、そんなことまで激しく競っていらっしゃる。福山はマグロ、三原はタコ、今井がどっちを喜ぶか、競りあおうとしてくれる。こんな嬉しいことはないじゃないか。
(三原はタコの町である)
むかしむかしの某巨大予備校に、「タコ!!」「このタコ!!」と生徒を罵倒し続けるセンセがいらっしゃった。正統派の権化のようなセンセであって、授業中の毒舌がマコトに爽快。少し厳しすぎるにしても、その厳しさでむしろ人気が沸騰した。
例えば「どうしても速読をやりたい」という生徒が講師室に質問に来るとする。最初はそれなりに穏やかに
「構文もマトモに取れないヤツが速読とか、バカなこと言ってんじゃないよ」
「ゆっくり読んでも分かんないヤツが、いい加減に速く読めば分かるとか、愚かなこと言ってんじゃないよ」
と、説得に努めている。
講師室の先生方はみんな、ニヤニヤしながら成り行きに聞き耳を立てる。生徒はどうしても納得しない。「でも、どうしても速読みたいなことをやんないと、時間が足りなくなるんです」。「時間が足りないんです」「どうしても間に合わなんです」。いつまででもそういう愚痴を繰り返す。
するとまもなく、センセの毒舌が火を噴くのである、「それはオマエがタコだからだよ、このタコ!!」「早く帰れよ、このタコ!!」「タコ!!」。質問の生徒が諦めて講師室をスゴスゴ去っていくまで、「タコ!!」「このタコ!!」が続くのであった。
(タコのまち。何だか旗色が悪いような気がする)
まあ今井君はホトケ様かホテイ様のように優しいオジサマであるから、「タコ!!」と言って追い返された彼や彼女が可哀そうでならない。何とかしてあげたい。時間が足りないなら、なぜ足りなくなるのか、それを分からせてあげたい。
ついでに「どうしたら足りなくならないのか」「どうすれば間に合うようになるのか」も真剣に説いてあげたい。今すぐでなくてもいい、1年かけて、半年かけて、いつか「間に合いました!!」と笑顔で報告に来てくれる日を楽しみに待ちたい。そう思うのである。
しかし生徒諸君の中には、むしろそんな優しさよりも「タコ!!」と罵倒されることを爽快に感じるヒトも少なくないのだ。20年近くも昔のあの頃だって、今井君の教室も超満員だったが、「タコ!!」と罵倒される教室のほうも満員。だからこそ、この世の中は面白い。
(広島県三原。超満員になった)
さて2018年、2月21日の広島県三原であるが、新幹線停車駅とは言っても何しろ「こだま」しか止まらない寂しい駅である。ごく稀に「ひかり」も停車するけれども、駅前は閑散として、行き交う人もクルマもほとんど見かけない。
そのぶん、「やっさ踊り」の存在感が大きい。駅前で一番目立つのは「やっさ踊り」を踊る浴衣の人形3体。駅の正面には「ホテル YASSA」なんてもあるし、毎年「ミスやっさ」も選ばれる。400年以上前に誕生。今も8月中旬、阿波踊りも顔負けの激しさで踊られる。
見たか聞いたか三原の城は
地から湧いたか浮き城か
月はまん丸 金波に銀波
やっさ踊りに夜が更ける
西へ行こうか東へ行こか
ここが思案の開明橋よ
調子のいいお歌も混じり、「やっさ」「やっさ」の掛け声とともに踊られる。しかしこの日は曇りがちの2月中旬。急激な高齢化をひしひしと感じさせる駅前の商店街を抜けて、今井君はとぼとぼ今日の会場を目指した。
何故「とぼとぼ」なのか、まあ諸君もわかるだろう。これほど閑散とした街では、超満員の湯気のあがるような熱さは期待できそうにない。とぼとぼというより、むしろションボリ&シンミリという世界なのであった。
(三原の懇親会は「SAKANAZA」。予想外にオシャレなお店であった。詳細は、明日)
しかし諸君、「せいぜい80名ぐらいかね」というシンミリした予想とは裏腹に、実際に集まってくれた諸君は130名。古色蒼然とした公民館スタイルの会場は、期待をはるかに上回る熱気に包まれた。
まあ諸君、130とか150とかいう数字はだいたいスタンダードになっているのだが、この三原の駅前を一瞥した後での「130」は、まさに感動&感激&感謝 → 雨アラレ。「ホントによく集まってくれました」であって、こりゃ昨日の福山に続き、広島県2連戦はパーフェクトな大勝利と言っていい。
こうなれば、もちろん「懇親会」は「祝勝会」と名を変えて、夜9時の三原の街に繰り出すことになる。ただし今日もまた長く書きすぎた。楽しかった三原の懇親会が、果たしてホントに福山のロックミュージシャンが予告した通りの「タコだ」「タコだ」「三原はタコは旨いですよ!!」という結果になったかどうか、それはまた明日のお楽しみということで。
1E(Cd) Billy Wooten:THE WOODEN GLASS Recorded live
2E(Cd) Kenny Wheeler:GNU HIGH
3E(Cd) Jan Garbarek:IN PRAISE OF DREAMS
4E(Cd) Bill Evans & Jim Hall:INTERMODULATION
5E(Cd) John Dankworth:MOVIES ’N’ ME
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