Tue 110719 合宿4日目 いよいよラストスパート 今井君は9泊10日 さすがに疲労が重い | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Tue 110719 合宿4日目 いよいよラストスパート 今井君は9泊10日 さすがに疲労が重い

 合宿第3日(スミマセン、昨日の続きです)の授業スケジュールは
  1時間目(9時~11時):分詞
  2時間目(14時~16時):関係詞(1)
  3時間目(21時~23時):会話文読解問題
もちろん、授業が終了すると生徒たちは直ちに個別学習になり、私語は一切許されない。「私語するヒマがあったら、1行でも2行でもいいから音読しなさい」という指示が出ている。
 2日目までは「指示が出ているから仕方なく音読」という態度だし、「スキを見ては私語」というニヤけた生徒も少なくないが、3日目の午後になると、「指示が出ていなくても、音読するのが当たり前」。「何で、音読するの?」から「何でしないの?」へ、さらに「何で、疑問を感じるの?」というところに至る。ニヤけた表情やダラけた態度のほうが例外的になるわけだ。
 1時間半の個別学習後には、1日4回のペースで確認テストがあるし、テストの点数で個人や班どうしの激しい競争関係が定着してくる。それを「一喜一憂」とマイナス評価して突き放すのは易しいが、若者の競争心がこんなに定着した姿を間近に見ていると、いくらプラス評価しても足りないように思うのだ。
なまはげくん
(なまはげTシャツで授業に向かう)

 4日目は、実質的な合宿最終日である。朝7時起床、今までよりいっそうペースアップして、翌朝午前5時まで学習を続ける。起床から就寝まで22時間。長く厳しくつらい1日になるが、生徒たちの表情は明るい。むしろ、楽しくて楽しくてたまらなそうな顔が圧倒的に多い。
 その明るさと楽しさは「もうすぐ終わる、やっと解放され、やっとおうちに帰れる」というダラしない安堵感とは別物である。音読が楽しいし、競争で仲間たちと一喜一憂するが面白いし、出来ればまだまだ続けていたい、帰りたくない。そういう何とも無邪気な明るさである。
 「やりたいことが見つからない」と鬱々としているヒトビトの苦しさは、この種の無邪気な競争に参加することで意外にカンタンに解決できるんじゃないか。1日目にあんなに遠慮がちだった音読の声は、すでに宿舎全体のガラスをビリビリ震わせるほどである。音読をリードするスタッフの声も、初日とはすでに比較にならない。
だんしゃりシャツ
(今回の合宿で断捨離を予定している黒猫Tシャツ)

 確かに冷静に考えれば、応援団並みのドラ声で英文を音読するのは、少なからずヘンなのだ。和訳してみると
「私がここでタバコを吸ったらイヤですか?」
「間もなく丘に着いたが、その麓には廃工場があった」
「NYはたくさんのキャリアウーマンが一人で生きている街だ」
「月と地球の距離は、地球の直径の約6倍だ」
こういう英文を、応援団顔負けのドラ声をあげ、100人近いクラスが声を合わせて音読しているなんて、アメリカ人が見たら、卒倒するか腹を抱えて笑い出すか、「フシギの国、ニッポン」みたいな本の題材にするか、まあそのぐらい滑稽ではある。
だんしゃりズボン
(これもまた断捨離を予定のズンボ。1997年4月、世田谷区梅丘の「コナカ」で購入。さすがに擦り切れた)

 しかし、滑稽でも何でもかまわない。4日目になると、特にハイレベルクラスでは「テキストを見ないで音読」にチャレンジする生徒がどんどん増えてくる。4日目には、リード役もスタッフからネイティブ録音のCDに切り替えていく。スタッフのドラ声音読は、大人しい日本の高校生の元気を引き出すためのものだったのだ。
 ためらいながらも、思い切ってテキストを閉じてしまい、宙を見つめながらネイティブの発音をフォローする生徒がやがて5割を超える。テキストを開いたままの生徒だって、発音はすっかり安定したものに変質して、楽に英語が口をついて出るようになっている。
 こうして、最初のうちバカバカしいほど滑稽に見えたであろうクラスの全体音読は、あっという間にホンモノの英会話学習に変質する。大きくピョーンと1段、ステージが上がったわけである。
夕食最終日
(美富士園、最後の夕食はすきやきに天ぷらである)

 4日目の授業スケジュールは
  1時間目:関係詞(2)
  2時間目:比較
  3時間目:仮定法
 こう見てみると、合計11回の授業はまさに予備校のスタンダードなカリキュラム構成である。これに11問の長文読解と、14回のテストを加えて、4日でこなしたボリュームはたいへんなもの。4日目の夜になると、「さあ、ラストスパートだ」「午前5時まで、どうしてもこのペースでやり抜こう」という決意とともに、クラスの雰囲気はイヤが上にも盛り上がる。
 23時、予定を15分超過して、今井君は合宿最後の授業を終える。生徒たちはこれから6時間、明朝の「合宿修了判定テスト」に向けてテキストの復習に励む。どういう復習なのかは明日の記事に詳しく書くとして、とりあえず授業を全て終えた今井君は自分の部屋に引き上げる。
902号
(美富士園、902号室の風景)

 ホテル美富士園902号室、今年もこの部屋で10日間を過ごした。椅子もソファもデスクもないから、この記事もタタミにベッタリ座り込み、座椅子に寄りかかって書いている。東進移籍以来7年間で14回の合宿、合計70日をこの部屋で過ごしてきたのである。
 この頃になると、そろそろニャゴロワとナデシコが懐かしくてならない。生徒たちは4泊5日だから「まだ帰りたくない」盛り上がりでも、今井君は9泊10日。ふと新聞を見ると、保険会社のニャフラック猫がニコニコ笑っている。猫バカの今井クマ蔵としては、なるほどニャフラック君も可愛いが、ニャゴロワは同じ純白でも問題にならないぐらい優雅に思えるのだ。
ニャフラック"

わがにゃご
(新聞広告のニャフラックと、ソファでくつろぐニャゴロワ)

 クマ蔵はもう若くないから、蓄積した疲労も意外に重たい。昨年は7月25日ぐらいから高熱が出て、測ってみると38℃超。持参したTシャツ10枚が全部グッショリになるほど汗をかきながら、それでも最後まで授業をやり遂げた、
 ただし、最終日30日の朝に2時間ほど仮眠して目が覚めてみると、右眼に激しい飛蚊症が発生。目の前に、汚れた網戸のような不吉な黒いモヤがかかって、それが11月の網膜剥離の前触れになった。今年も、7月初旬から苦しんだ夏風邪の後遺症があったが、タマに咳き込んだり、鼻が詰まり気味だったことを除けば、まあ無難に10日間を乗り切ることができた。
テストまであと
(深夜の教室に、こんな掲示が貼り出された)

 新潟と福島の豪雨と洪水のニュースを横目で眺めつつ、仮眠をとることにする。ほんの10日前に講演で訪れた長岡、1年前に只見線に乗りにいった小出や只見や会津、クマ蔵の記憶に懐かしく残っている土地の数々が、濁流につつまれている映像が悲しくてたまらない。水田も冠水。豊かに実り始めていたはずの稲穂が心配だ。

1E(Cd) Art Blakey:NIGHT IN TUNISIA
2E(Cd) Peabo Bryson:UNCONDITIONAL LOVE
3E(Cd) Jandó(p) Ligeti & Hungarius:MOZART/Complete Piano Concertos③
4E(Cd) Jandó(p) Ligeti & Hungarius:MOZART/Complete Piano Concertos①
5E(Cd) Nanae Mimura:UNIVERSE
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