Wed 110720 合宿最終日 クラス閉講式 閉講式でクマ蔵が語ること XOXOであるね | 今井宏オフィシャルブログ「風吹かば倒るの記」Powered by Ameba

Wed 110720 合宿最終日 クラス閉講式 閉講式でクマ蔵が語ること XOXOであるね

 こうして日付は4日目から最終日にかわり(スミマセン、昨日の続きです)、11回分の授業をすべて終えた今井君は902号室に引き上げる。

 あとは、1時間ごとに教室に出かけて、生徒たちの個別学習の様子を見回るだけである。ホントはこの見回り自体が不必要で、個別学習の指導は、若いスタッフ6名が朝までしっかり教室に張りついて行うことになっている。

 教室の中での音読は厳禁で、黙々と書いて勉強。書く勉強に疲れると、廊下に出て音読。1時間に1回ぐらい全員が教室に戻って、「全体音読」。その辺のスケジュール作りもスタッフが行う。スタッフが作成した小テストを実施したり、生徒の目先を変えて飽きさせない工夫も重要だ。
朝5時
(午前5時。今年の合宿も大成功だった)

 だから、クマ蔵の出現はスタッフにとってはむしろ「ありがた迷惑」。せっかく夢中で勉強しているところにクマなんかが姿を現せば、ビシビシ厳しい雰囲気が妙に和んでしまって、「修了判定テストまであと♡時間」という切迫した空気が緩んでしまいかねない。

 それでもやっぱり心配だから、2時半に1回、3時半に1回、それぞれ15分ぐらいずつ教室を覗きに出かける。教室横の廊下は音読の声で騒然としている。椅子に座って音読する者、立ったまま音読に励む者、中には椅子の上に立って音読を続ける者もいる。騒然としてはいても、それぞれ音読に集中しているから、全く心配はいらない。
深夜の教室1

深夜の教室2
(早朝の教室内。ほぼ全員が残っている)

 むしろ心配なのは、シーンと静まり返った教室の中である。「書いて、書いて、書きまくって勉強」と言えば聞こえはいいが、何しろ生徒たちの疲労は深い。

 4日間、毎日ほぼ睡眠時間4時間で、残りは全て勉強時間だったわけだし、特にこの日は朝7時の起床以来すでに20時間が経過している。意地悪い睡魔どんの絶好の標的がズラリと並んでいることになる。
掲示と板書
(学習法を明示した黒板と、スタッフが掲示した「明日やろうは馬鹿やろう」)

 廊下で立って音読していれば、その余りの迫力に睡魔どんは恐れ入って退散する。廊下から退散したぶん、教室に入り込んだ睡魔どんの猛威は激しいものがある。

 油断すればペンを握ったままコクリコックリしはじめる生徒たちを、スタッフが監視していてすぐに起こしに走るが、午前3時を回ったあたりから、監視スタッフはますます忙しくなっていく。
午前3時半
(河口湖、午前3時半)

 4時半、クマ蔵は最後の見回りに出かける。そのまま5時まで教室に残り、5時で「中締め」にして生徒を寝室に帰らせるところまで見届けるのだ。何しろ生徒は若いから、放っておけばこのまま突っ走って完全徹夜になりかねない。しかしその先には手強い「修了判定テスト」が待っている。少しでも睡眠を取っておく方がいい。Try get some sleepである。

 3~4年前までは「どうしても完全徹夜させてほしい」「1時間や2時間寝たって、どうせ同じことだから、もう2時間勉強させてほしい」という雰囲気が強かったが、このごろの生徒諸君はこのあたりも素直。別に説得するまでもなく、すっかり明るくなった窓の外を眺めつつ、感動を口にしながら寝室に引き上げる。
午前4時半
(河口湖、午前4時半。富士がウッスラと姿を現しはじめる)


 この時点で、昔のクマ蔵はアクドイ演出をしたものだ。朝5時、みんなが寝室に引き上げる直前に、スタッフにお願いして教室のカーテンを一斉に開けるのだ。天気がよければ、朝の美しい富士の姿が窓いっぱいに広がる。清々しい朝の空気の向こうに、河口湖と富士が美しい。例え雲がかかっていても、生徒たちの感動は変わらない。大きな歓声が教室に溢れたものだった。

 しかし4年前から、今井君の担当する教室が窓のない大広間になって、一斉にカーテンを開く演出もパフォーマンスも不可能になってしまった。ま、いいだろう。そんなパフォーマンスで歓声をあげさせるより、Try get some sleepのほうが有効に決まっている。
午前5時
(河口湖と富士山、午前5時)

 翌朝10時、クラス閉講式が始まる。生徒は7時起床、8時までに荷物をまとめて教室に再び集合。朝食の後、「修了判定テスト」45分。直ちに採点作業が始まるが、閉講式までの間も、もちろんテキストをCDに合わせて音読して、最後までひたすら勉学に励む。この段階でも「テキストなしの音読」にトライする熱心な生徒が多い。

 クマ蔵もこの間に902号室に戻ってちょっとTry get some sleepをやっておく。そうでないと、閉講式の挨拶の時に口がもつれて、みっともないことになりかねない。ただし、生徒もおそらく同じなのだろうが、こんなに盛り上がった精神状態では、短時間の仮眠をとるのはカンタンではない。

 クラス閉講式では、まず優秀者を表彰。「伸び率部門」「確認テスト合計点部門」「修了判定テスト得点部門」があり、3位以上には賞状が授与される。各部門の今井君特別賞もあり、世界各地で集めてきたボールペンを授与する。

 続いて、若いスタッフの挨拶。男女を問わず、挨拶しながらいきなり声を詰まらせて泣き出すスタッフもいる。最初の段階で失敗を繰り返したり、苦労して失敗から立ち直ったりすれば、彼ら彼女らにとってこの場の感動の大きさは相当のものである。もちろん一緒に泣き崩れてしまう生徒も少なくなくて、感動は最高潮に達する。
閉校式1
(クラス閉講式 1)

 この感動の渦の真っただ中に、今井クマ蔵の出番がやってくる。爆笑専門のクマ蔵は「感動の渦」は苦手なので、少なからず辟易するが、まあそこはベテランだ。すぐに和やかな雰囲気を取り戻して、場を「涙の中の穏やかな笑いさざめき」にもっていく。ここで今井君が話す内容は以下の通り。

① 帰りのバスの中でも音読を続けること。小学生の頃「バスから降りるまでが遠足」だったのと同じように、「バスから降りるまでが合宿」である。もうテキストなしでも、声を出さなくても音読ができるはず。やがてキミの頭上に天使が訪れて「もう、いいんだよ」「もう眠っていいんだよ」と囁きかけたら、その時すべてを忘れて睡魔に身を委ねること。

② 今日中に必ず校舎を訪れて、校舎長に合宿の様子を報告し、合宿に参加しなかった友人や、高1高2の後輩に5日間の感動を語ること。友人の輪の中で感動を語りきったら、すぐに校舎内の音読ルーム(首都圏の東進には音読専用の部屋が設置されている)に入って、合宿テキスト1冊分音読してから帰ること。

③ 一晩グッスリ寝たら、明日からすぐに新しい講座の受講を始めること。4泊5日でこれほど分厚いテキスト1冊をモノにできたのだ。このペースを守れば、受験までに全科目で30冊以上のテキストをモノにできるはず。明日すぐにスタートすれば、学部入試ならどこでも突破できるはずだ。

 こんなところである。この程度の内容でも、涙に濡れる生徒&スタッフに大爆笑のペースを回復できるあたりが、ベテラングマの味。ま、話術の妙であるね。
閉校式2
(クラス閉講式 2)

 こうして、クラス閉講式も終了。講師も荷物をまとめ、美富士園350名の全体閉講式に望む。「何だか、名残惜しいな」「もう少しここで合宿していたいな」という気持ちになっている自分が、クマ蔵はコワい。

 河口湖周辺の宿に、のべ2000人の生徒たちが集まり、彼ら彼女らを校舎別にバスで拾いながら帰京させるわけだから、この辺からは時間との勝負というか、ストップウォッチを見ながらのスピーディな進行が不可欠。長々と挨拶なんかしていたら、せっかくの生徒の感動が薄れるばかりか、帰京用のバスの遅れにもつながる。
美富士園
(河口湖、ホテル美富士園)

 この4年間、美富士園を担当する講師4名は、この点で最強メンバー。4名が挨拶しても、5分もかからない。中でもクマ蔵の挨拶は最強中の最強。今井クラスの生徒が一斉に立ち上がり、今井君とクラススタッフが壇上に駆け上がって「ポンッ!!!」「タアアアアアーッ!!!」の雄叫びをあげ、それに生徒全員が唱和する。それだけで、あとは大拍手の中で退場する。

 今年の合宿も、こうして無事終了。新潟と福島の豪雨のニュースを気にかけつつ、14時のバスで新宿に帰ってきた。10日を通じて河口湖は最高気温25℃程度の涼しい日々が続いた。最後まで夏風邪後遺症の咳に苦しんだが、次の合宿まで、まだ350日も残っている。まずはよく眠って、次の合宿に備えるまでのことだ。
 ま、Good night。XOXOであるね。

富士山ビール
(河口湖駅でバスを待ちながら「富士山ビール」を飲む)


1E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER①
2E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER②
3E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER③
4E(Cd) Richter:BACH/WELL-TEMPERED CLAVIER④
5E(Cd) Solti & Wiener:MOZART/GROßE MESSE
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