北野幸伯 氏の情報です
★ベラルーシで革命が起こる?
https://ameblo.jp/imaga114/entry-12618908462.html
この続きです
転載はじめ*************
ざっくり復習から。
8月9日、ベラルーシで大統領選挙がありました。
現職のルカシェンコさんが、80%の得票率で、【 6選 】を果たした。
この結果を信じられない民衆が、「選挙やり直し」を求め、大規模デモ起こった。
それは、現在もつづいています。
▼ベラルーシの地政学的位置
ベラルーシの南隣は、ウクライナです。
ベラルーシもウクライナも、旧ソ連の国。
ロシア人から見ると、「かつて自分の領土だった国々」となります。
(ロシア人の頭の中では、ソ連=ロシア帝国である。)
そして、ウクライナもベラルーシも、「欧州とロシアの真ん中」にあります。
ロシアは、「ウクライナとベラルーシは、欧米の侵略を防ぐ緩衝国家だ」と考える。
欧州は、「ウクライナとベラルーシは、ロシアからの侵略を防ぐ緩衝国家だ」と考える。
それで、、欧米とロシアの取り合いが発生する。
地政学的に、非常に不幸なポジションにあるのです。
▼2014年ウクライナ革命
ベラルーシの南隣の国ウクライナで2014年2月、革命が起こりました。
そして親欧米政権が誕生した。
このウクライナ革命。
「アメリカがやったのですよ」と日本でいえば「陰謀論者」でしょう。
しかし、これは事実です。
実をいうと、オバマ自身が、「あれはアメリカがやったのだ」と公言してます。
「ロシアの声」2015年2月3日付から。
<オバマ大統領 ウクライナでの国家クーデターへの米当局の関与ついに認める
昨年2月ウクライナの首都キエフで起きたクーデターの内幕について、オバマ大統領がついに真実を口にした。
恐らく、もう恥じる事は何もないと考える時期が来たのだろう。
CNNのインタビューの中で、オバマ大統領は「米国は、ウクライナにおける権力の移行をやり遂げた」と認めた。
別の言い方をすれば、彼は、ウクライナを極めて困難な状況に導き、多くの犠牲者を生んだ昨年2月の国家クーデターが、米国が直接、組織的技術的に関与した中で実行された事を確認したわけである。
これによりオバマ大統領は、今までなされた米国の政治家や外交官の全ての発言、声明を否定した形になった。
これまで所謂「ユーロマイダン」は、汚職に満ちたヤヌコヴィチ体制に反対する幅広い一般大衆の抗議行動を基盤とした、ウクライナ内部から生まれたものだと美しく説明されてきたからだ。>
「う~む本当だろうか~~???」
それでも信じることができない人は、「You Tube」で「Obama admits he started Ukraine revolution」を検索してみてください。
この革命で、「親ロシア」のヤヌコビッチ政権が倒れました。
プーチンのリアクションは、苛烈でした。
革命翌月の2014年3月、ロシアは、ウクライナからクリミアを奪った。
2014年4月、ウクライナ東部ルガンスク州、ドネツク州(いわゆる東部「親ロシア派」)が独立宣言。
ウクライナ新政権は、当然2州の独立を認めず、内戦が勃発しました。
このウクライナ革命では、アメリカ、欧州は、積極的に親米反ロシア新政権を支援していた。
ロシアは、革命の復讐として、クリミアを奪い、東部2州を事実上の独立に導いた。
ウクライナは、革命の代償として、クリミア、ルガンスク、ドネツクを、事実上失ったのです。
▼ベラルーシ情勢に対する、欧米ロシアの態度
さて、ベラルーシについてはどうでしょう?
まず、プーチン・ロシア。
産経新聞8月17日を見てみましょう。
<ロシアのプーチン大統領とルカシェンコ氏は15、16日の連日、電話会談し、デモには「国外勢力の関与」の可能性があるとし、事態収束へ協力することで一致した。
現地報道によると、ルカシェンコ氏は外国の軍事的脅威を受けた場合、「ロシアが全面支援する」と明らかにした。
両国は露主導の「集団安全保障条約機構」(CSTO)に加盟。
同機構は加盟国に国外勢力が介在した政権転覆などの脅威が発生した場合、軍事を含む相互援助を行うことを定める。>
最後の部分、重要です。
集団安全保障条約機構」(CSTO)は、<加盟国に国外勢力が介在した政権転覆などの脅威が発生した場合、軍事を含む相互援助を行うことを定める。>
たとえば、大規模デモでルカシェンコ政権が倒れそうになった。
するとプーチンは、「欧米がクーデターを起こした!」という大義名分で、
軍隊を派遣してルカシェンコを守るかもしれない。
ウクライナ革命後のプーチンのリアクションを思い出せば、「彼ならきっとやるに違いない」と思えるでしょう?
メルケルさんやマクロンさんも、きっとそう思っているはずです。
それで、ドイツもフランスも、露骨な介入ができません。
問題は、ウクライナ革命を起こしたアメリカです。
アメリカの態度はどうなのでしょうか?
これは、ウクライナの時と比べると、全然積極的ではない。
なぜでしょうか?
第1の理由は、トランプが、そもそも親ロシア、親プーチンであること。
米ロ関係は民主党、議会が邪魔をするので悪いまま。
しかし、トランプが親ロシア、親プーチンなのは、ずっと一貫しています。
第2の理由は、ベラルーシが、「最重要課題でない」こと。
皆さんご存知のように、アメリカは今中国と覇権戦争の真っ最中。
中国を退治しなきゃいけないので、ベラルーシを支援して、ロシアを怒らせるわけにいかないのです。
というわけで、アメリカは「ベラルーシ革命」に興味がない。
テレ朝ニュース8月26日を見てみましょう。
<モスクワで25日、ロシアのラブロフ外相とアメリカのビーガン国務副長官が会談しました。
ロシア外務省によりますと、ラブロフ外相はアメリカなどが検討しているルカシェンコ政権への経済制裁について「容認できない」と主張しました。
そのうえで「反体制デモの支援などでベラルーシの内政に干渉すべきでない」とアメリカ側を強く牽制(けんせい)しました。
モスクワのアメリカ大使館によりますと、ビーガン氏はベラルーシ治安当局による市民への暴力を非難しました。
ただ、アメリカ側から反体制派が辞任を求めているルカシェンコ氏の進退に踏み込んだ発表はありませんでした。>
最後が重要です。
「ルカシェンコ氏の進退に踏み込んだ発表はありませんでした」
なぜ?
アメリカにとってベラルーシ問題は、最優先課題ではないから。
ベラルーシ情勢はこれからどうなっていくのでしょうか?
はっきりは、わかりません。
しかし、ルカシェンコの後ろにはプーチンがいる。
反体制派の後ろにいる欧米は、あまりやる気がない。
そういう現実があります。
*********転載おわり