鬼畜


1978年 日本映画

監督 野村芳太郎

脚本 井手雅人

原作 松本清張

出演 緒形拳

   岩下志麻

   小川真由美



鬼畜とは「人間としての情けや常識を持たない非道な行い」だそうです。酒と女と金で鬼畜へと変貌していく人間を描いた作品です。



⚫︎あらすじ


小さな印刷屋を営む竹中宗吉(緒形拳)のもとに、ある日突然、愛人の菊代(小川真由美)が3人の隠し子を連れて怒鳴り込んでくる


宗吉の事業悪化で生活費が途絶えたことに激怒した菊代は、子供たちを置き去りにして失踪してしまう


事情を知り激怒した宗吉の妻・お梅(岩下志麻)は、子供たちを激しく憎み、邪険に扱う


気の弱い宗吉はお梅の圧迫に耐えかね、次第に子供たちを邪魔者として排除しようと正気を失っていく


まず、体調を崩した生後間もない次男が、お梅の放置と宗吉の見過ごしによって命を落とす


次に宗吉は、4歳の長女を東京タワーに置き去りにしてしまう


そして最後に残った6歳の長男・利一を心中を装って能登半島の崖から海へ突き落とす


しかし、利一は奇跡的に地元の漁師に救助される


警察の捜査によって宗吉は逮捕され、身元確認のために利一と対面させられ、警察から「この男がお父さんか」と問われた利一は、「お父さんじゃない」と答える





⚫︎感想


自分が外で作った子どもを次々と殺害していく話しです。


まだ話せない末の子は栄養失調による衰弱死、自分の住所や親の名前を上手く言えない女の子は東京タワーで置き去り、そして何でもわかっている1番上の6歳の男の子は崖から海に投げ捨てます。


それぞれの子の別れのシーンに、それぞれの心に残るエピソードが盛り込まれている上手い作りをしている映画です。


寝ている下の子の口の上にシートが落ちて、殺意が芽生える瞬間。


真ん中の女の子を置き去りにしたあと、最後にその娘と目が合う瞬間。


そして何でもわかる上の子は、新幹線に乗せて、伊豆へ向かいますが、そのまま福井の東尋坊、そして最終的には石川県まで行ってしまいます。


なかなか殺害する決心がつかなかったんでしょう…そりゃそうですよね。


映画の舞台は東武東上線の川越市駅、東武東上線の男衾駅(おぶすまえき)、川越の丸広百貨店の屋上遊園地など、当時の川越周辺の景色が見られます。


妾の小川真由美は、印刷屋の緒形拳の子を3人も生みますが、緒形からの金が入らないことでイラつき緒形の家に押しかけます。


川越にある緒形の印刷所は半分は火事で燃えていました。残った印刷所には緒形の女房・岩下志麻が汗をかきながら働いています。


そこに小川真由美が押しかけて、3人の子どもを置いていくことから物語がはじまります。


最初、羽ぶりの良い緒形拳が酒に酔い、飲み屋の女・小川真由美に手を出します。


ですが商売が上手くいかなくなり、このような殺人事件に発展していくんです。


酒・女・金…。


やっぱりこれがキモってことなんでしょうかねぇ。


気をつけましょう。



松本清張原作の「砂の器」も野村芳太郎監督が映画化しています↓



こちらも松本清張原作の作品です。松本清張は人に知られたくない過去を持つ人間が題材になりがちです↓