黒の超特急
1964年 日本映画
監督 増村保造
脚本 増村保造
原作 梶山季之(かじやまとしゆき)
出演 田宮二郎
藤由紀子
加東大介
⚫︎あらすじ
高度成長期の日本。岡山県の小さな町の不動産屋・桔梗敬一は、株で失敗して資金繰りに苦しんでいた
東京からきた「東亜開発社長」と名乗る中江雄吉に持ちかけられ、自動車工場建設用地として細長い形の土地を買収する仕事を引き受ける
買収は順調に進み、桔梗は手数料を得るが、半年後、その土地が実は第二次新幹線(山陽新幹線)用地として公団に高値で転売され、巨額の利益を中江らが独占していたことを知る
だまされたと悟った桔梗は、政界の黒幕やブローカー、愛人関係にある女などが絡む汚職構造を探り、中江を逆手に取って金をゆすろうと東京へ乗り込んで行く
しかし、関係者同士の裏切りや殺人が起こり、金と利権をめぐる駆け引きは次第に血なまぐさい様相を帯びていく
桔梗は証拠のテープを手に入れ、警察を動かして汚職事件の全貌を白日の下にさらすことに成功するものの、自らは金も女も失い、ただすれ違う新幹線「ひかり」を見つめるのだった
⚫︎感想
町の不動産屋・桔梗(田宮二郎)の所に、突然やって来る謎の男・中江(加東大介)
中江はこの近くに大規模工場が建つので、ここらの土地を買収して欲しいと言う
とにかく金が欲しい桔梗は、大口の買収に一口かむことで多額の利益を得ることになる
しかし、その土地に工場は建たず、新幹線が通ることを知る
「新幹線ならもっと多額の金が貰えるはずだ」と中江に追加金を無心するが、断られる
中江の裏にはもっと大物政治家が動いていたのだ…
最初に「これは架空の物語である、したがって登場人物、およびその背景はすべて虚構である」とテロップが出ることからして怪しいんです
新幹線の開発には絶対に、土地買収にまつわる黒い話があったんだと思いますねー
⚫︎田宮二郎自身のような役だった
1935年8月25日〜1978年12月28日
田宮二郎は、幼いころからの不遇、映画会社に自分の名前をトップに出せと抗議して退社、その後精神病になる。
生後4日で父を事故で失い、母方の祖父の家で育つが、祖父も母も10歳までに亡くし、敗戦時の占領政策により財産を失ってしまう。
ミスター・ニッポンコンテストで優勝したことがきっかけで大映に入る。端整なルックスと、身長180cmでスリムで筋肉質で女性ファンが夢中になった。そして大映の看板俳優になったが、映画に流れる名前の序列のことで上層部と喧嘩して映画界追放となり、テレビ界に出る。
しかし後に双極症(そうきょくしょう)と診断され、最終的には自宅で銃による自殺をしてしまった。43歳だった。
⚫︎藤由紀子は田宮二郎の本当の妻
新幹線公団のお偉いさんの2号となって、情報を聞き出した美しい女優は、田宮二郎の本当の妻で3人の子供もいるそうです。大映の黒シリーズ11本中6本に出演したそうです。
⚫︎増村保造
1924年8月25日〜1986年11月23日
大映映画、勝慎太郎の「兵隊やくざ」、市川雷蔵の「陸軍中野学校」、田宮二郎の「黒シリーズ」などを監督した映画監督です。
大映倒産後は大映テレビで、宇津井健の「ザ・ガードマン」、山口百恵の「赤いシリーズ」、堀ちえみの「スチュワーデス物語」などの脚本を手掛けました。それにしても大映って“色のシリーズ”が好きですね!
増村保造監督作品↓





